見る側の“想像力”をかきたてる「おと・な・り」。熊澤尚人監督に聞く
2009年5月22日 12:00

[映画.com ニュース] 岡田准一と麻生久美子を主演に迎え、30歳の男女の純愛を描いた「おと・な・り」のメガホンを取った熊澤尚人監督(「ニライカナイからの手紙 」「虹の女神 Rainbow Song」)に話を聞いた。
本作は、古アパートの隣同士に住むカメラマンの聡(岡田)とフラワーデザイナーを目指す七緒(麻生)が、壁越しに聞こえる互いの生活音をきっかけに惹かれ合うというラブストーリー。
岡田と麻生と初タッグとなった監督は、聡役の岡田について「例えばコーヒーって苦みや渋みがないと美味しくない。だから岡田君からも10~20代にはない、大人の味わいを引き出そうとしました」と振り返り、七緒役の麻生についても「ニコニコして優しい女性でいる方が楽だと思いますが、実生活では厳しさをもたないと仕事したことにならない。その厳しさを嫌味にならないよう演じてくれました」と絶賛。
2人が住むレトロなアパートは、“もうひとりのキャラター”とも言うべき個性を発揮。30棟以上リサーチした結果、鎌倉のホテルが撮影に使われた。「おそらく聡と七緒は利便性より、生活の潤いが感じられるアパートを選ぶと思った。そして趣味の合う2人だからこそ、出会えたらきっとうまくいくだろうという説得力が欲しかった」。そして、2人が壁づたいに聞く生活音ひとつひとつにも監督のこだわりがある。特にコーヒー豆を挽く音は「挽く人の心の温かみが伝わる」と、監督自身が好きな音だそうだ。
そうした音や、聡の微妙な表情など、熊澤監督作品には一貫して想像力をかきたてられるシーンが多い。それはまるで監督が好きだと言うコーヒーのように、見るたびに映画としての新たな“味わい”の発見がある。

「僕自身、大学時代に小津安二郎監督の『東京物語』を見て、当時はよく分からなかったけど、社会人になって改めて見たら理解できるようになった。そんな、人生経験を積んで初めて分かる映画がないといけないと思うんです。あと、昔、飲み屋で映画をネタに話をした時間が楽しかったんですよ。人それぞれ解釈が違うんだなって。100%説明するのではなく、見る側に想像させる。これからも僕はそういう映画を作っていきたいですね」
「おと・な・り」は東京・恵比寿ガーデンシネマほかにて先行公開中。30日より全国順次公開。
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