中村勘太郎、初主演映画「禅 ZEN」公開初日は「不思議な感覚」
2009年1月13日 12:00
[映画.com ニュース] 歌舞伎俳優・中村勘太郎の映画初主演作「禅 ZEN」の初日舞台挨拶が、1月10日、東京・新宿の角川シネマ新宿にて行われ、中村勘太郎をはじめ、共演の内田有紀、高橋惠子、高橋伴明監督が登壇した。
本作は、ただひたすらに座禅を行う“只管打坐(しかんたざ)”の教えを広めた日本曹洞宗の開祖・道元の生涯を、「光の雨」「火火」の高橋伴明監督が映画化した歴史ロマン。
「混沌とした時代に必要な映画。参加させていただき誇りに思います」と挨拶した勘太郎は、主演映画が公開されるという人生初の経験に、「いつもは生で演じてすぐに反応が返ってくる(歌舞伎の)世界でやっているので、撮影して、宣伝して、初日を迎えるというのは不思議な感覚」と感慨深そうに語った。
撮影を終えてからも座禅する習慣が残っていると話す勘太郎は、「人間というのはどうしても自分を良く見せたくて偽ったりしてしまうので、道元禅師の“あるがまま”という言葉を実行するのはとても勇気のいること。自分も少しでもその言葉に近づければ」と、道元の教えにすっかり感化されたようだ。
今月6日に開催された同作の試写会イベントで女優・前田愛との交際宣言をしたばかりの勘太郎は、その日プライベートについては語らずじまいだったが、舞台上で終始穏やかな笑顔を浮かべ、公私共に充実している様子だった。
またヒロイン役の内田は今回初めて組んだ高橋監督(妻は女優・高橋惠子)について、「(過去の作品から)激しくて恐い方というイメージだったが、実際は正反対。撮影現場では常にドシッと不動心でいてくださって、道元さまのようでした」と、鬼才監督の意外な一面を明かして観客を感心させた。