「英国王給仕人に乾杯!」イジー・メンツェル監督が18年ぶり2度目の来日
2008年11月19日 12:00

[映画.com ニュース] 90年のベルリン映画祭で金熊賞を受賞した「つながれたヒバリ」(69)や「スイート・スイート・ビレッジ」(85)などで知られるチェコの巨匠イジー・メンツェル監督が、最新作となる長編第15作「英国王給仕人に乾杯!」のPRのため18年ぶりに来日。11月18日、東京・内幸町の帝国ホテルにて来日記者会見を開いた。
本作はメンツェル監督12年ぶりの長編映画で、チェコの国民的作家ボフミル・フラバルによる同名小説を原作に、小国チェコが辿った激動の20世紀現代史を小さな給仕人ヤンの人生を通して、軽快なタッチで綴った年代記。
「つながれたヒバリ」の日本公開以来、2度目の来日となるメンツェル監督は、長編デビュー作「厳重に監視された列車」(66)がいきなりアカデミー外国語映画賞を受賞し、28才でスター監督となるも、「プラハの春」を弾圧するために旧ソ連が軍事介入した68年の「チェコ事件」により、厳重監視下に置かれ、7年間も雌伏の時を余儀なくされる。だが、そこからフラバル原作の「断髪式」「雪割草の祭」や「スイート・スイート・ビレッジ」を発表して、再び世界の第一線に返り咲くなど、本作の主人公同様、激動の人生を送っている映画作家。
「チェコ事件」当時を振り返って「他国に亡命すべきだったと思うことはないか?」と聞かれると、チェコからアメリカに亡命後「カッコーの巣の上で」(75)、「アマデウス」(84)でアカデミー作品賞を2度も受賞したミロス・フォアマン監督について触れ、「彼は昔から格好良くて、私はずっと嫉妬心を抱いていた。まあ、私にとっては高慢ちきな野郎だったんだ(笑)。だから彼の長編デビュー作『黒いピーター』を見た時には、あんな奴がよくこんな素晴らしい映画を撮れるなと思ったんだよ。でも彼がアメリカに行ったことに関しては、『カッコーの巣の上で』も『アマデウス』もチェコでは作れない映画だったので良かったと思う。そして、私もアメリカでは撮ることのできない映画を作っているので、逆にプラハに残って良かったと思うんだ」とコメント。また、「私の家の壁にはミロス本人からもらった直筆の手紙が飾ってあって、そこには今回の映画について、“イジー、お前は素晴らしい映画を作った”と書いてある。それは私にとって、他の映画祭でもらうどの賞よりも大きな意味があるんだ」としんみり語っていた。
「英国王給仕人に乾杯!」は12月20日より、東京・日比谷のシャンテシネにてロードショー。また本作の日本公開に先立ち、同劇場では12月6日~19日までメンツェル映画祭を開催。「スイート・スイート・ビレッジ」「厳重に監視された列車」の2作品がそれぞれ1週間限定で特別上映される。
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