妻夫木聡も観客もびっくり!マツケンも来場した「ブタがいた教室」
2008年10月27日 12:00
[映画.com ニュース] 1990~93年に小学校で実際に行われた実践授業を題材に、妻夫木聡主演で描く学園ドラマ「ブタがいた教室」が10月25日、第21回東京国際映画祭のコンペティション部門で正式上映された。上映後、妻夫木聡とメガホンを取った前田哲監督が渋谷Bunkamuraにてティーチインと記者会見に臨んだ。
同作は、新任教師の星先生(妻夫木)が小学6年生の生徒26名と、卒業式の日に「食べる約束」でブタを飼い始め、“食べること”や“生きること”の意味を学んでいくストーリー。
“Pちゃん”と名づけられて愛情込めて飼育されたブタを、最終的に食べるか食べないかで生徒たちがディベートを行う重要なシーンについて、前田監督は「子供たち自身の言葉を心から語ってもらうために、7台のカメラを用意して、その瞬間に出た感情を拾うようにした」とリアルさを追求した撮影方法を語ると、教師役の妻夫木も「(星先生という役を)演じるのではなく、教師として子供たちにどう伝えるかが重要だった」と振り返り、「僕自身が心でぶつかれば、子供たちもぶつかってきてくれる。すごく貴重な体験ができた」と、役者ではなく一教師として“生徒たち”と向き合ったことを明かした。
観客からのさまざまな質問に丁寧に答えていた妻夫木と前田監督だったが、最後の質問者として挙手して指名された男性が「松山です」と小声で答えた瞬間、「マツケンか?」と問いかけた監督の言葉に、観客は騒然。妻夫木の事務所(ホリプロ)の後輩で、前田監督の前作「ドルフィンブルー/フジ、もういちど宙へ」に主演している、本物の松山ケンイチだった。「胸に響くいい映画だった」と絶賛したマツケンが、「職員室にいる時と教室にいる時の星先生の芝居がまったく違った。よく『動物と子供には勝てない』と言うが、実際そういうことを感じた?」と妻夫木に鋭い質問を投げかけた。
これに対し「後輩にダメ出しされるとは……」と苦笑する妻夫木だったが、「今回一番大事だったのがディベートのシーンで、子供の学芸会のようなシーンにだけはしたくなかった。そのために星先生として10~15分ぐらい語っているのだが、そのシーンはすべてカットされた(笑)。だからDVD買ってメイキングを見て!」と返答。そんな2人のやりとりに会場の盛り上がりも最高潮に達した。
その後、同作主題歌をソロ名義で提供したトータス松本(ウルフルズ)が登場してミニライブを披露するなど、サプライズの多い盛りだくさんなティーチインとなった。「ブタがいた教室」は11月1日より公開。