子役たちの成長力に萩生田監督脱帽。「コドモのコドモ」初日
2008年9月29日 12:00
[映画.com ニュース] 小学生の妊娠・出産を描いたさそうあきらの同名コミックを、「神童」に続いて萩生田宏治監督が映画化した「コドモのコドモ」。9月27日に初日を迎えた同作の舞台挨拶が、東京・渋谷のシネ・アミューズにて行われ、12歳の主演女優・甘利はるなをはじめ、麻生久美子、谷村美月、萩生田宏治監督が登壇した。
演技初挑戦ながら小学5年生の妊婦という難役を堂々と演じきった甘利は、満員の客席を前に緊張しながらも、「一番の思い出は出産シーン。大変だったけど、みんなと力を合わせて頑張りました」と笑顔で話し、観客から温かい拍手を受けた。一方、熱意はあるが空回りしてばかりの担任教師を演じた麻生は、撮影時のエピソードとして生徒役の子役たちとニンテンドーDSの脳トレゲームで遊んだことを挙げ、「子供の脳ってすごいんですよ! ほとんど負けてしまって、自分の(脳の)衰えに愕然としました(笑)」と子供たちの“脳力”に驚かされたことを明かした。
衝撃的な題材で公開前から各方面で物議をかもしていた本作だけに、萩生田監督は初日を迎えた喜びもひとしおのようで「憧れのキャストと信頼できるスタッフ、そして何よりも子供たちの力を借りて、今日を迎えることができた」と感無量。「子供たちの力を映画の中にどれだけ注ぎ込めるかが勝負だったのですが、リハーサルを繰り返すなかで子供たちの力がどんどん伸びてきて、『子供ってすごいな』と思いました」と作品を支えた子役たちに賛辞を贈った。
舞台挨拶の後半には、萩生田監督からのラブコールで、主題歌「SUNのSON」を手がけた奥田民生が祝福に駆けつけた。「(劇中の)天気が良かったんで、『天気が良くて何より』ということかなと。それが愛と平和につながるんじゃないかと思いまして」と曲に込めた想いを明かした奥田は、小学生の甘利から「元気の出る曲だなと思いました」と太鼓判を押してもらい、満足げだった。
なお、「コドモのコドモ」は来月開催される韓国・釜山映画祭への出品が発表された。