マキノ雅彦監督が中井次郎長に太鼓判!「次郎長三国志」を語る
2008年9月19日 12:00

[映画.com ニュース] 俳優・津川雅彦が“マキノ雅彦”を名乗って監督デビューを飾ったのは、落語家の師匠のお通夜を描いた06年の「寝ずの番」だった。そして監督第2作に選んだのは、実の叔父である名匠マキノ雅弘監督が50年代に東宝で9本、60年代に東映で4本も映画化した、男も惚れる大親分・清水次郎長を主人公にした「次郎長三国志」だった。
「落語家一家も、ヤクザ一家も、親分と子分、師匠と弟子、親子の愛よりも濃い絆で結ばれている。僕自身が最も大好きな話だしね」と語るマキノ監督は、敢えて叔父の“十八番”のリメイクに挑んだ胸中をこう明かした。「『次郎長三国志』をやるとなったら、叔父と言えども天才・マキノ雅弘の仕事をしのぐ決意がない限り、やっちゃあいけないし、お客さんにも失礼。当然プレッシャーは大きいが、緻密に戦略を立てれば絶対にいいものができる。新しい味を加える、50年間という時代の差を埋める、欠点を見つけてそれをプラスにする。そうすれば面白いものができる」
最もこだわったのが次郎長のキャラクターだったという。「マキノ(雅弘)さんの映画は大衆に愛されて9本もシリーズ化された。けれども、うちではよく『(次郎長役の)小堀明男が鈍で重くて、男が惚れる親分にならん』とこぼしていた。そこで唯一の欠点でもあった次郎長のキャラクターをプラスに転じさせ、面白い次郎長像を作り上げたかった。次郎長役は錦ちゃん(当時、中村錦之助)や鶴田(浩二)さんも演じているけど、みんな二枚目すぎ(笑)。男は嫉妬深いから、特に女にモテそうな二枚目は嫉妬を買って、男が惚れるような次郎長にはならない。軽妙で愛嬌のある二枚目半の方が、魅力的な次郎長になると思い、『寝ずの番』で落語家の主人公を演じてくれた、コメディも演じられる(中井)貴一ちゃんに次郎長をお願いした。彼なら歴代最高の次郎長になると思ったし、立派に演じてくれた」
なるほど中井貴一の演技は“座長芝居”のようで、次郎長親分にぴったりの存在感を放っている。「次郎長を筆頭にお蝶(鈴木京香)も次郎長一家全員も、今回の方が勝っている。50年前には森繁久彌さんも河津清三郎さんもぺーぺーだったが、傑作と言われるのはマキノさんの腕が良くて、すごい演技指導があったから。僕は卑怯なことに、うまい役者を全員使っている(笑)」と、俳優陣の演技に大満足の様子だ。マキノ雅彦監督版「次郎長三国志」は、9月20日より全国ロードショー。
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