30年前の中国をリアルに再現。「1978年、冬。」のリー・チーシアン監督
2008年6月13日 12:00

[映画.com ニュース] 文化大革命が終わり、改革開放政策に入った1978年の中国西北部の地方都市を舞台に、北京からやって来た1人の少女と年の離れた2人の兄弟との交流を描いた「1978年、冬。」。昨年の東京国際映画祭において審査員特別賞を受賞した本作について、来日したリー・チーシアン監督に話を聞いた。
「78年は、中国にとって極めて重要な年だった」と語るチーシアン監督は、その移りゆく時代の中で地方に生きる人間たちの運命を描いておきたかったという。「2年前の76年に文化大革命が終わり、トウショウヘイ体制に入ったのが78年でした。この改革開放路線は現代まで続いており、この年は言わば中国の歴史における分岐点で、現代中国の始まりとも言える年なんです」
78年という年が主役とも言える本作を作る上で、重要だったのがロケーション。「ある田舎町があって、そこからお酒の香りがほのかに漂ってくるようなイメージ」が10数年、リー監督の頭から離れなかったとか。「その原始的なイメージを表現するためにロングショットが多くなってしまいましたね。ただ、今回ロングを多用したのは、町の風景の美しさを表現するためだけではなく、冷静かつ客観的に町やキャラクターを捉えようという試みでもありました。そして、現代を生きる我々の過去への郷愁という意味合いも含まれています」
78年からちょうど30年が経ち、国家的イベントの頂点である北京オリンピックが控える中国。この時代の変化については「78年は物質的には貧しかったと思いますが、発展しすぎてざわついた現代とは違って、原始的な人間の本質がまだハッキリと残っていた。この映画に登場する人物の背景から、それを感じてもらえると思う」と語り、本作をアピールした。
「1978年、冬。」は6月14日より渋谷ユーロスペースほか全国にて順次公開。
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