クリント・イーストウッド監督の新作は「ダーティハリー6」?
2008年3月24日 12:00
[映画.com ニュース] 高齢(77歳)を理由に俳優業を半引退状態だったクリント・イーストウッドが、俳優復帰する新作「グラン・トリノ(Gran Torino)」の製作が先週末発表されたばかりだが、伝説のムービースターのスクリーン復帰作だけに、全米の映画サイトはその作品内容をめぐって騒然としている。
まず、米AICN(Ain't It Cool News)が、その新作は「ダーティハリー6」になると報じた。そのネタは思わぬところから出たもので、映画のタイトルにもなっている72年型フォード“グラン・トリノ”を中古車として売りに出した男性からだった。今回の製作会社の一つでもあるビレッジ・ロードショーのスタッフが、撮影に使うためか、その中古車を購入する際に購入理由として、その映画は同タイプに乗る殺人犯をめぐるスリラーで、警官をリタイアしたハリー・キャラハン(イーストウッド)が主人公の映画になるというのだ。その殺人犯に撃たれて殺される2人の警官のうちの1人はハリーの孫で、ハリーが孫の仇撃ちとばかりにマグナム44で復讐する物語になるというもの。その内容からすると、確かに71~88年までに5本作られた「ダーティハリー」シリーズの第6作になる。
一方で、米FilmJerkは「ダーティハリー6」説を一蹴。昨今のイーストウッド監督作のように、シンプルで静かで感動的なドラマになると報じている。主人公は田舎暮らしの偏屈な老人ウォルト(イーストウッド)で、ミャオ族(中国・タイの国境地帯に住む苗族)の移民の家族が隣に引っ越してきてから彼の人生は一変。その家族の10代の息子タオと、今やクラシックカーとなっている老人の車“グラン・トリノ”をめぐって友人関係をはぐくむという話だそうだ。同サイトには「センチメンタル・アドベンチャー」タイプのロードムービーになるかどうかは記されていないが、こちらの方がアカデミー賞受賞作「ミリオンダラー・ベイビー」同様に“弱者へのやさしげな視線”があふれている気がする。
どちらになるにせよ、詳しい続報が待ち遠しいものだ。