「ロード・オブ・ザ・リング」原作者財団がスタジオを告訴!
2008年2月14日 12:00
[映画.com ニュース] 映画「ロード・オブ・ザ・リング」3部作を製作したニューライン・シネマが、興行収入からのロイヤリティ(分配金)を1セントも支払っていないとして、原作者J・R・R・トールキンの遺産を管理するトールキン財団から訴えられた。
トールキン財団はニューラインに対して、損害賠償金1億5000万ドル(約160億円)のほか、厳しい懲罰的措置も求めて、2月11日にロサンゼルス上級裁判所へ告訴した。その措置とは「トールキン作品に関するニューラインとの契約を全て無効にする」というもの。もし裁判所命令が発令されると、ニューラインが現在MGMと共同で製作を進めている「ホビットの冒険」の製作が不可能になる。
同財団がニューラインとの間に交わした「指輪物語」の映画化権に関する1969年の契約書には、「トールキン財団が累計興収の7.5%をロイヤリティとして受け取る」とある。映画3作品で興収は39.1億ドル(内訳は第1作8.6億ドル、第2作9.2億ドル、第3作11.3億ドル/総計約4180億円)。関連商品の売上も含めると60億ドル(約6415億円)を突破。トールキン財団が受け取るはずのロイヤリティは4.5億ドル(約480億円)にまで達するのだ。
トールキン財団の代表者であるボニー・エスケナージ弁護士は語る。「映画3部作で何十億ドルも儲けておきながら、原作者の遺産管財人に1セントも分けていないとは、全くの不正会計だわ。この事実を彼ら(ニューライン)がどんな風に陪審員に説明するのか見ものね」
一方、ニューラインはこの訴訟事件に関する一切のコメントを出していない。
「ロード・オブ・ザ・リング」3部作に関してニューラインは、05年にピーター・ジャクソン監督から会計監査を求めて訴訟されたほか、映画化権を持つプロデューサー、ソウル・ゼインツからもロイヤリティをめぐって2度訴訟されている。