「再会の街で」監督、「9・11当時ではなく、数年後の話を描きたかった」
2007年12月21日 12:00

[映画.com ニュース] 9・11のテロで愛する家族を失い、ボロボロになったチャーリーと、恵まれた生活を送っていながらどこかで息苦しさを感じているアラン。ニューヨークの街角で偶然再会した大学時代のルームメイト2人の友情と心の再生を描いた「再会の街で」が間もなく公開される。本作のPRのために来日したマイク・バインダー監督に話を聞いた。
本作は9・11を題材としているが、グラウンド・ゼロも旅客機のクラッシュ映像も出てこない2人の男の友情物語。監督は事件当時のストーリーを描くよりも、数年を経た後のストーリーを描くことに惹かれたそうだ。「(9・11の)被害者の遺族たちの心の傷は未だに癒えていないし、むしろ悪くなっている。そして、社会はいい加減に立ち直れといった雰囲気になっている。でも実際はなかなか立ち直れない。そんな彼らのストーリーを描いてみたかったんだよ」
当然被害者の遺族たちに多くのリサーチを行ったそうだが、彼らが9・11に対して抱いていた感情は悲しみよりも怒りの方が多かったという。「もちろん、何とか立ち直った人もいるが、未だにあの突然の悲劇に対して動けずにいる人は、怒りを抱え込んでいて、『なぜ、9・11は起こったのか』を自問自答している。そして、その中で、起こったこと全てを否定してふさぎ込む人も入れば、怒りをぶちまける人もいる。そんな複雑な感情を抱えている人間をまとめて出来上がったのがアダム(・サンドラー)が演じたチャーリーなんだ」
そんなアダム・サンドラーとドン・チードルを本作に起用した最大の理由は2人の相性が良かったからだとか。「僕の家でバーベキューをしたんだけど、その時に2人とも呼んで様子を見ていたんだが、彼ら2人の話し方が気に入ってね。それに彼らは野球やバスケットボールから音楽の好みに至るまで共通点が多いんだよ。この辺は映画に活かされていると思うよ」
そして監督は、本作を製作する上で必要不可欠だったリサーチに協力してくれた遺族にも映画を見せたという。「彼らは最初アダム・サンドラーがこの映画に主演すると聞いてちょっと困った顔をしていたんだけど、脚本を読んでもらい、映画を見せたら皆一様に喜んでくれた。僕らにとって、それは何よりも嬉しいことだったんだ」
「再会の街で」は12月22日より恵比寿ガーデンシネマ、新宿武蔵野館ほかにてロードショー。
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