次世代DVDフォーマット戦争、マイケル・ベイ監督らに波紋!
2007年8月24日 12:00

[映画.com ニュース] パラマウント・ピクチャーズとドリームワークス・アニメーションが次世代DVDに「HD DVD方式のみ」を選択した件について、HD DVD陣営からパラマウントへ5000万ドル(約57億円)、ドリームワークス・アニメーションへ1億ドル(約115億円)の資金提供があった、と米バラエティ紙とニューヨーク・タイムズ紙が伝えた。
ブルーレイ方式を採用しているのが、ソニー、ディズニー、フォックス、ライオンズゲート、MGMに対し、HD DVD方式を採用していたメジャースタジオはユニバーサルのみ。パラマウントとワーナーは双方の方式を採用していたが、これまではブルーレイ陣営が完全に優位に立っていた。HD DVD陣営はそれを打破すべく“宣伝推奨金”をちらつかせて、パラマウントを切り崩した形だ。
この決定に、パラマウント傘下のドリームワークスで「トランスフォーマー」を製作したマイケル・ベイ監督は、自らのブログで8月20日に「パラマウントにムカついた!」というコメントを発表。「自分の映画を、最高のフォーマットで見てほしい。ブルーレイ・プレーヤーを持っている人たちからその権利を奪うことは許せない」と息巻き、現在製作準備中の「トランスフォーマー2」からの降板までちらつかせた。だが、このコメントは翌日削除され、今ではHD DVD方式を支持するコメントに書き換えられ、軟化の姿勢を見せている。
また、ドリームワークスの創立者の一人、スティーブン・スピルバーグ監督の作品(プロデュース作品は除く)は、パラマウントがHD DVD陣営と結んだ契約には含まれないが、これはスピルバーグ監督が「HD DVD方式のみ」の採用に反対の姿勢であることを匂わせているという。公開30周年を記念する「未知との遭遇」は、ブルーレイで今年12月に全米リリースされる。
次世代DVDフォーマットは、ハリウッドのメジャースタジオだけではなく、多くのクリエイターをも巻き込んでいるようだ。
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