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スティーブン・スピルバーグ監督が北京五輪芸術顧問を辞退か?

2007年8月3日 12:00

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非人道的行為が許せない
非人道的行為が許せない

[映画.com ニュース] スティーブン・スピルバーグ監督が、来る08年に行われる北京五輪の芸術顧問を辞退する可能性が出てきた。同五輪の開会式と閉会式で総合演出を手掛けるチャン・イーモウ監督のアドバイザーとして、五輪組織委に協力する契約を結んでいた同氏が、中国政府に抗議するために、その芸術顧問からの辞退を検討中だと、米ABCNEWS.comに語ったもの。

今年4月、スピルバーグは中国の胡錦涛国家主席へ書簡を送り、“ダンフール紛争”をいち早く収拾させるためにスーダン政府に圧力をかけることを要請していたが、スーダンの石油利権を一手に握っている中国政府が、同紛争に対して何ら明確な態度を示していないことに業を煮やしたというのだ。

ダンフール紛争とは、03年2月の軍事衝突から現在まで、スーダン西部ダンフール地方で、政府に支援されたアラブ系の民兵“ジャンジャイード”と、非アラブ系住民の間に起きている民族紛争のこと。映画「ホテル・ルワンダ」にも描かれたルワンダの大量虐殺(ジェノサイド)にも匹敵する200万人とも言われる犠牲者を数え、現在国連の監視下にあるが停戦は難しい状況にある。

北京五輪組織委の仕事をすることについて、スピルバーグの代理人は「スピルバーグ氏は、ナチのためにベルリン大会を撮ったレニ・リーフェンシュタール監督(36年の『民族の祭典』)と比較されたくないようだ。スーダンに加担する中国政府の“ジェノサイド五輪”に参加したくないとね」と語っている。

スピルバーグ監督は、72年のミュンヘン五輪期間中、武装したパレスチナのテロリスト集団“黒い九月”がイスラエル選手団を襲撃した事件を発端に、イスラエルの諜報機関“モサド”がパレスチナに復讐する実話ドラマ「ミュンヘン」を05年に撮っている。

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