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「さくらん」脚本のタナダユキが描く薄幸少女の切ない青春

2007年5月11日 12:00

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「赤い文化住宅の初子」タナダユキ監督
「赤い文化住宅の初子」タナダユキ監督

父は幼い頃に蒸発、母は借金に追われて死に、以来兄と2人暮らしの15歳の初子(東亜優)。同級生の三島君と同じ高校に進学したいけれど、電話もTVもない初子の家にそんなお金はない。だから母が大好きだった「赤毛のアン」も、うまくいきすぎだと嫌っていた……。松田洋子の同名コミックを、「タカダワタル的」(監督)、「月とチェリー」(監督・脚本)、「さくらん」(脚本)のタナダユキが映画化した純愛映画「赤い文化住宅の初子」が間もなく公開される。監督・脚本を手掛けたタナダ監督に話を聞いた。

「原作を初めて読んだとき、年端もいかない女の子の“カネ、カネ、カネ……シネ”というセリフにまず驚きましたし、『赤毛のアン』を全否定するヒロインを今まで見たことがなかったので、そこにも惹かれました(笑)」と作品との出会いを振り返る監督。自身の少女時代を投影した部分があったのか聞くと、「自分の15歳の頃を意識することは特になかったのですが、当時を思い起こしてみると、15歳の頃って何も出来ないんですよね。大人だと認めてもらえず、かといって子供だからと優しくもしてもらえない曖昧な年齢なんです」と語る。

初子が今後どんな大人になっていくのか予測してもらった。「正直なところ、もっと辛そうですね(笑)。原作の松田さんも『布団の訪問販売に引っかかって、クーリングオフも知らずにローン払ってそう』とおっしゃっていましたし(笑)。でも、どんなことも受け入れる度量はあるんじゃないかな。それと、彼女は20代で付き合った男のことは忘れても、15歳の時に恋した三島君のことはずっと忘れないと思います」

赤い文化住宅の初子」は5月12日より公開。初日舞台挨拶あり。また、ヒロイン初子を演じた東亜優本人の上京物語が基になった奥原浩志監督によるスピンオフ作品「16/jyu-roku」は5月26日より公開。

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