「ハリポタ」監督が性的人身売買を描く衝撃作「セックス・トラフィック」
2007年3月27日 12:00

デビッド・イェーツ監督が「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(7月21日日本公開)に抜擢されるきっかけとなった社会派TVドラマ「セックス・トラフィック」は、ヨーロッパにおける性的人身売買の衝撃的な実態を描くもので、04年に英チャンネル4で放送され英国アカデミー賞8部門を制覇した。日本でも4月末に放送されるにあたり、3月23日、東京・表参道のラウンジcopon norpにて本作のプレミア上映後、ピーター・バラカン氏(ブロードキャスター)と寺中誠氏(社団法人アムネスティ・インターナショナル日本事務局長)によるトークショーが開催された。
ヨーロッパで最も貧しい国の1つであるモルドバに住む姉妹エレナとバラは、ロンドンへ出稼ぎに行けると騙され、レイプされた挙句、セルビア、ボスニア、アルバニア、イタリアへと売春婦として転売されてゆく。その背景には、アメリカの民間軍事メーカーや国際平和維持連合部隊の腐敗が関与しており、物語は人身売買という巨大ビジネスの暗部を映し出す。実話をベースに前・後編で構成された本作について、バラカン氏は「非常に密度が濃く、精巧に作られている」と評価。人権問題に取り組む寺中氏も、「極めてドキュメンタリーに近い作品」と語る。
世界では毎年200万人の少女がセックス産業の餌食となっており、バラカン氏は「子供がそういう世界に投げ込まれれば、生き延びるために続けるしか選択肢はない。日本にもそういった人がたくさんいる。世論を高めるためにも、こうした作品が放送されることはとても意義がある」とコメント。続いて寺中氏が、「人身売買された被害者を保護する法律は日本ではまだ整備されていない。安全に社会へ受け入れられる状況を作るために、皆が関心をもって一歩踏み出すことが必要。ドラマの中だけでなく、日本でも同じことが起こっているということを認識してほしい」と訴えた。
「セックス・トラフィック」前編は4月29日、後編は4月30日にWOWOWで放送。
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