韓国で大ヒット「トンマッコルへようこそ」監督は「ジブリ映画に共感」
2006年10月24日 12:00
※06年7月11日より、「ニュース&噂」は毎週火曜日・金曜日の週2回更新となりました
韓国で大ヒット「トンマッコルへようこそ」監督は「ジブリ映画に共感」
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1950年代の朝鮮戦争のさなか、山奥の村“トンマッコル”に迷い込んでしまった韓国軍、北朝鮮軍、連合軍の兵士たちが、純粋な村人たちの生き方や自然との触れ合いを通し、敵対することをやめて交流を深めていく――。韓国で800万人を動員し、05年のナンバーワンヒット作になった「トンマッコルへようこそ」が、間もなく日本公開となる。本作のPRのため来日したパク・クァンヒョン監督に話を聞いた。
本作がヒットした要因を「この映画は、暴力的な描写、悲劇的な結末や人間の不合理より、“どうしたら人は平和に暮らせるか”ということを描いた反戦映画になっていて、そこにエンターテインメントの要素もうまく配合できたからでは」と推測する監督。本作も、これまでヒットしてきた韓国映画に多い“南北の対立”が物語の根幹にあるが、監督が語るようにリアルな戦争描写や悲劇性を強調するよりも、むしろファンタジー的要素が強い作風だ。しかし、往々にして韓国で“ファンタジー”は受けないという。「様々な国に侵略を受けた韓国の歴史的背景から、無意識のうちに人々は安定した現実を望むのでしょう。実際に今なにが起こっているのかという、現実を知ることに関心が向いているので、ファンタジーは受けないのだと思います」。しかし、本作はファンタジーの要素を含みながらも「人間とは本来どういうものであるかを研究して描いているので、共感が得られたのではないのでしょうか」と監督は語る。
「世の中を肯定的に見る視点、自然の持つ治癒能力など、ものの見方に共感する」と宮崎駿やジブリ作品をリスペクトするパク監督は、製作当初は「ヒットが見込めない、と周囲の無理解に苦労した」そうだが、「面白い映画を観客に届けたい」という、ごく当たり前の自信と情熱で、長編デビュー作ながらも、韓国映画の興行史に残る1本を完成させた。
10月28日ロードショー。
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