美しいミイラがモチーフ。「LOFT/ロフト」黒沢清監督
2006年9月5日 12:00

中谷美紀と豊川悦司の主演で、ミイラをモチーフに描くサスペンス・ホラーでありながら哀しいラブストーリーでもある「LOFT/ロフト」。最近も「回路」のハリウッドでのリメイクが公開されたり、ベネチア国際映画祭に「叫(さけび)」が正式出品されたことも話題の黒沢清監督に話を聞いた。
「中国のミイラ『楼蘭の美女』のニュースをテレビで見たときに、このストーリーを思いつきました。そのミイラはみずみずしくて、弾力があって、関節も曲がるんです。ミイラといっても、まるで死体。人間と違った、時を超越した美しさを感じるミイラの魂がさまよっていて、そのミイラの美しさに魅入られた人間がいたら、どうなるだろうと思ったんです」と今作の製作のきっかけを語る。
主人公を演じた中谷美紀が素晴らしかったとのことで、「人間は矛盾しているから美しいと思います。男性が主人公の映画が多いので、女性が主人公の映画で、同じ矛盾でも女性と男性は違うことも描けたらと思いました。中谷さんは、難しい内面のゆれや矛盾を見事に演じてくれました」と振り返る。
今まで多くのホラー作品を撮ってきた黒沢清監督だが、「アメリカのホラー映画の多くは、殺人鬼などの暴力的な何かから逃げたり闘ったりします。幽霊やミイラだと基本的に闘いようがない。そこが怖いんです。幽霊は身近なところにいるから、とまどって一時的に逃げるか、あきらめて共存するしかないんです。今作はゴシックなラブストーリーでもあります。ラブストーリーというのは『お互いを知りたい』という欲望を抱くことから始まる。そこに時空を超えた『永遠の愛』を絡ませたんです」とコメント。
単なるホラーだけではなく、情感豊かなラブストーリーでもある「LOFT/ロフト」は9月9日より、テアトル新宿ほかにてロードショー。
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取材 海外映画祭





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