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気が狂うほど大変な撮影。「ココシリ」監督を直撃

2006年6月6日 12:00

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ルー・チューアン監督
ルー・チューアン監督
海抜4700メートルのチベットの無人地帯ココシリ。この厳しい中国の地で、激減するチベットカモシカを密猟者から守るパトロール隊の姿を描くドラマ「ココシリ」が、このほど公開された。「ミッシング・ガン」で注目され、本作の監督・脚本を務めたルー・チューアンに話を聞いた。
およそ180日におよぶ現地ロケを行なったという今作は、気が狂うほど大変な撮影だったそうだ。「朝は雪が降っていたのが昼には雹(ひょう)に変わり、午後は強風が吹き荒れ、夜にまた雪……と、天候が非常に変わりやすく、とにかく筆舌に尽くしがたい過酷なものだった」と苦労を語った監督。しかし、過酷であればあるほど人との繋がりが重要になり、撮影中に付き添ってくれた実際のパトロール隊員たちと深い信頼関係を築けたという。
作中に登場する、密猟を取り締まるパトロール隊のリーダー、リータイと、カモシカの毛皮の収入に頼らざるを得ない農民、マーの2人は、一概に“善と悪”には割り切れない。「実際に現地の監獄で密猟者にインタビューしたところ、彼らは生活の糧のためにやむなく密猟に手を染めた普通の農民だった。罪を負うべきは彼らではなく、彼らを密漁に追い込んだ環境が問題だ」
監督は私たちに向けて次のようにメッセージを残した。「“前人未到の地”と呼ばれるココシリは、きっと一生行くことのない場所でしょう。私は皆さんの目となって、ココシリで起きる全てのこと、そこでの“生と死”を撮ったつもりです。密猟は未だに行われています。ぜひ観て下さい」シャンテ・シネほかで公開中。

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