ブエノスアイレスを舞台に、南米の若手監督が描く人情劇
2006年1月10日 12:00

ブエノスアイレスの下町のガレリア(アーケード商店街)で、母の営む店を手伝いながら暮らすアリエルは、祖父母の祖国ポーランドに渡ることを夢見るモラトリアムな青年。そんな彼と彼を取り巻く人々の人間模様を描いたアルゼンチン映画「僕と未来とブエノスアイレス」の公開に先立ち、ダニエル・ブルマン監督に話を聞いた。
73年生まれの監督はポーランド系ユダヤ人家系。祖国に愛着を持ちつつも、欧州へ渡ることを夢見る主人公と世代もルーツもほぼ重なるが、「確かにバックグラウンドは同じだけど人生は全然違うし、フィクションだよ」と言う。「主人公の選択や迷いには共感はするし、彼のちょっと反抗的な部分は、自分がそうありたかったと思って練りこんだところだけどね」
主人公アリエルは、ある日、彼が生まれた直後に家を出て、自分を捨てたと思っていた父親が戻ってきたことで次第に自身の変化を自覚していく。「やりたかったことは父と息子の関係や、自分が何者であるかを父親を通して知ること……かな。ただ、それは結果を求めるのではなくて、一生かけて探し続けるもの。その過程や道程を描きたかったんだ」
そうして描かれた本作はベルリン映画祭で審査員特別賞と主演男優賞を受賞。弱冠33歳にして世界から注目された監督のもとには、当然ハリウッドからのオファーもあったという。「でも、自分に適した企画がなかったから断ったよ。状況次第だけど、合うものがあればやるよ。世界のどこであろうと、作りたいと思うものが作れることは嬉しいことだからね」。「僕と未来とブエノスアイレス」は1月14日より、銀座テアトルシネマにてレイトショー。
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