「ソン・フレール/兄との約束」でパトリス・シェロー監督が来日
2005年1月25日 12:00

イザベル・アジャーニ主演の「王妃マルゴ」、そして「インティマシー/親密」等の映画で知られるフランスの舞台演出家・映画監督のパトリス・シェローが新作「ソン・フレール/兄との約束」のPRのため来日。1月19日、東京・飯田橋の東京日仏学院で記者会見を行った。
昨年のベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞した本作は不知の病に冒された兄と、その彼を看護し見守る弟の心の変化を描き、「死と再生」をじっくりと見据えた作品。死に行く兄を演じた主演俳優には12キロの減量を課すなど、厳格な演出で知られるシェロー監督だが、デリケートなテーマを掲げている本作を作るにあたって、演出上難しかったことは何か?と聞かれると「どのシーンが難しかったとか、苦労したとか、そういうのはないが、監督というのは役者に付き添う立場の人間で、役者を支えながら一緒に伴奏するのが難しかった。また、こういう作品を作る時に必要なのはあらゆるものに対して適度な距離をとることだ。見せかけの演出や過度の感傷やロマンチシズムに陥らず、しかし、適切な感動も必要で、そのバランスをとるのが非常に難しかった」と語った。
また、作品の見どころについて聞かれると「この映画は『死』というテーマを扱っているように見えるが、自分としては『死』よりも『人生』を描いたつもりです」と締めくくった。
日本で撮影する気はあるか?と聞かれると「勿論ある。だけど、今は具体的な話はないよ」と苦笑していた。「ソン・フレール 兄との約束」は2月12日よりユーロスペースにて公開。
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