ウィンターボトムが初のSF作品に挑んだ「CODE46」
2004年8月24日 12:00
「24アワー・パーティ・ピープル」「イン・ディス・ワールド」と、コンスタントに作品を発表しているマイケル・ウィンターボトム監督が、初のSF映画となる「CODE46」のプロモーションのため来日。12日、東京のホテル西洋銀座にて会見が行われた。
舞台は近未来。クローン技術が進んだ結果、同じ遺伝子を持つ者同士が交わることを規制する必要が出てきた。タイトルの「CODE46」とはそれを禁じる法律のこと。物語は、その法によって翻弄される2人の男女の姿を描く。
「ギリシャ悲劇『オイディプス王』のようなシンプルなラブストーリーが作りたかった」というウィンターボトムは、「近未来を舞台にすれば、幻想的な雰囲気になって、より自由に映画を作れると思った」と、製作過程でSF映画へと変化していったことを明かした。「力のある役者を使いたい」という監督の希望でキャスティングされたのは、サマンサ・モートンとティム・ロビンス。「2人にはどこか遺伝子でつながってると思わせる雰囲気があった。同時に、すぐに恋に落ちると思わせない意外性も持ち合わせている。彼ら自身も気づかない、大きな力によって恋に落ちた、というようなね」
近未来でありながら、セットに頼らず上海やドバイで撮影された映像は、郷愁すら呼び起こす。また、テーマはクローンをはじめ、倫理問題にも踏み込んでいるが「いつの時代も、白黒つけられないグレーの部分と折り合いをつけながら人間は生活している。何にでも善悪をつけるのはかえって違和感を感じるな。何かを考えさせる映画は悪くないと思うが、僕自身は、この映画でそういう問いかけをしているつもりはない」と語った。9月11日より公開。