北野武に会場爆笑「イタリア映画祭」記者会見
2001年5月1日 12:00
「日本におけるイタリア年」の公式イベントとして、有楽町朝日ホールほかにて4月28日から開催されている「イタリア映画祭2001」。4月27日、イタリア大使館(東京・港区)にて記者会見が行われた。会見には、「HANA-BI」で第54回ベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した北野武監督がゲストとして招かれたほか、フランチェスカ・アルキブージをはじめとするイタリア人若手監督4名や女優のマヤ・サンサ、およびガブリエレ・メネガッティ駐日イタリア大使らが出席した。
今回上映される「血の記憶」が、本国で“新しいイタリア映画黄金時代の幕開け”として迎えられたエドアルド・ウィンスピア監督は、「かつてのイタリア映画はローマを中心に描かれていたが、最近では様々な地方に分散してきている」と近年のイタリア映画の傾向を語った。また、唯一日本人監督として出席し、イタリア・シネマ理事長のルチア―ナ・カステッリーナに「世界的な大監督」と称された北野監督は、「このような場に呼ばれるなんて、何かの冗談のよう」と恐縮したそぶりを見せながらも「まあ、私よりすごい監督は日本にいませんが (笑)」と続け、集まった取材陣を爆笑させた。さらに、外国人記者からの「伊丹十三監督などによる少数の作品を除いて、何故、日本では社会派映画が作られないのか」という問いに「作っても観る人がいないから。伊丹十三の映画が社会派ならば、どんな映画でも社会派と言えるでしょう」と毒舌ぶりを発揮した。
「イタリア映画祭2001」は、5月6日まで東京で開催された後、仙台、高知など全国9ヵ所を巡回、日本未公開の現代イタリア映画10作品を上映する予定。