ハンガー・ゲーム0のレビュー・感想・評価
全48件中、41~48件目を表示
なかなかのプロットに唸らされる
本作は、ヒットシリーズ「ハンガー・ゲーム」の前日譚。シリーズ過去4作は全て未鑑賞なのですが、今さら鑑賞している時間もないので、レビューサイトで本作のあらすじだけ読んで公開初日に突撃してきました。
ストーリーは、12地区から各2名の代表を選んで殺し合わせる「ハンガー・ゲーム」が催されるキャピタルで、アカデミーの主席となって貧困からの脱出をめざすコリオレーナスは、第12地区代表で歌しか取り柄のない少女ルーシーの教育係に任命され、圧倒的不利な状況の中、彼女を勝利に導くために策を巡らせるが、彼自身の心にも少しずつ変化が現れてくるというもの。
シリーズ前日譚ということで、予備知識なしでもいけるかと思いましたが少々甘かったです。本作は、ハンガー・ゲームの第10回大会が舞台となっており、世界観が完成された中で物語が展開します。そのため、そもそもハンガー・ゲームの発端や開催意図がよくわからず、キャピタルと12地区との関係や、アカデミーの役割、コリオレーナスの立ち位置や人物相関などを把握するのにもやや時間がかかりました。
それでも、地区代表がキャピタルに集められる頃には、作品背景がなんとなく理解でき、徐々に作品世界に浸ることができました。そしていよいよゲームスタートとなり、やるかやられるかの殺し合いに緊張感が走ります。さながら自分も闘技場に放り込まれたような恐怖や興奮を覚えると同時に、これをショーとして楽しむキャピタル市民に人間の醜さを感じます。
そんな中、コリオレーナスの策が功を奏し、さまざまなご都合主義的偶然も作用して、ルーシーが生き残ります。ここでやっと緊張がほぐれ、二人の間に芽生えた絆は恋へと発展してハッピーエンド…かと思ったらまさかのチャプター3!え?まだ続くの? 本作は3章立てになっているのですが、ここからラストにかけて作品の印象がガラリと変わり、まんまとしてやられた感じのブロットに唸らされます。なるほど、いちばん描きたかったのはここでしたか!
ただ、ここでコリオレーナスがどんどん変容していくのですが、ちょっと説得力に欠ける印象です。親友のセジャナスや共に戦ったルーシーとの確執が、なんだか唐突に感じます。過去作を鑑賞していたらまた違った印象だったかもしれませんし、自分の理解力が足りなかっただけかもしれませんが、いずれにせよこの第3章が本作の肝であるならば、もう少し丁寧に描いてほしかったです。そこがとにかく残念で、第2章までのフリを十分に生かしきれなくて、もったいなく感じます。
主演はトム・ブライスで、コリオレーナスの変容を好演しています。共演のレイチェル・ゼグラーは、その歌声とキュートな魅力で存在感を発揮しています。脇を固めるのは、ピーター・ディンクレイジ、ハンター・シェイファー、ジョシュ・アンドレス・リベラ、ビオラ・デイビスら。
スノー大統領、誕生秘話
これまでジェニファー・ローレンス主演で、4本シリーズ化され、斬新なSFサバイバル・アクション映画として記憶に残る作品となった本シリーズ。本作は、『ハンガー・ゲーム0』のタイトル通り、ジェニファー演じるカットニスの宿敵とも言える、独裁者スノー大統領の若かりし頃を主人公に、『ハンガー・ゲーム』の誕生秘話について描いている。
『ハンガー・ゲーム』のこれまでのイメージで観に行くと、2時間半を超える大作ながら、何か物足りなさは感じる。『ハンガー・ゲーム』は、反乱軍の各地区から1人ずつ選ばれし者達が、最後の1人になるまで殺し合うサバイバル・ゲームとしての楽しみがあった。
しかし、本作のそうしたシチュエーションは、前半まで。後半は、なぜスノー大統領があれほどまでに弱き者を虐げる独裁者となり、人の命を命とも思わないような、残酷極まりない『ハンガー・ゲーム』を長きに渡って開催してきたのかという要因について、当時の彼の恋愛や友情を通しての心理的葛藤を描いている。
元々、貧しい家庭に育ったスノーは、その環境から抜け出すために、第12区出身の歌姫であるルーシーの教育係として、『ハンガー・ゲーム』で優勝をねらう。そして、第10回の記念の『ハンガー・ゲーム』の幕が切って落とされる。ひ弱なルーシーだったが、スノーのバックアップのおかげで何とか、最後の1人になり命がけのサバイバルを勝ち抜くことができる。優勝を喜んだスノーだったが、しかし、そこには、大きな落とし穴がスノーには待っていた…。
前半は、確かに当初の『ハンガー・ゲーム』の様相を見せて、それなりにサバイバル・シーンほ楽しめたが、やはり中盤からは、少し中弛みと長い上映時間に睡魔も襲ってきた。
若き日のスノー役には、お初にお目にかかったトム・ブライスが演じていたが、純粋な少年が野望を持ち、怒りを湛える青年へと成長する姿をよく演じていた。ヒロインのルーシーには、スピルバーグに『ウエスト・サイド・ストーリー』で主演に抜擢されたレイチェル・ゼグラーが務め、歌姫らしい美しい歌声を聴かせていた。また、大好きだった『ゲーム・オブ・スローンズ』にも出演していピータ―・デインクレイジが、スノーの先生役を演じていたのが、嬉しくもあり、懐かしかった。
2部作を一気見のお得感得
レイチェル・セグラーが唄い出すと、景色が変わるというか、あっという間に引き込まれてしまう。
ある場面では、ルーシーの歌の力で窮地を脱してしまう。劇場内に響き渡る彼女の歌声を耳にすれば、さもありなんと、納得。
前日譚である以上、スノーが闇落ちして、権力者を目指すことになるのは運命として決まっている。前半は、メンターとしての物語、後半は闇落ちのいきさつが語られる。
スターウォーズのプリクエル3部作と同じ感じと言ってもいいくらいだが、前後二部作を一気に鑑賞した感じで、腹落ち感はとっても良い。
悪役がコテコテなんだけど、ヴィオラ・デイヴィスとピーター・ディンクレイジの個性がありきたり感を上回って、単なる飛車角じゃなくて成った龍と馬の揃い踏み。このコンビがどんなふうにスノーを変えてしまうのか必見でございます。
【"雪は頂に降る。そして変容して行く善なる心・・。"今作品はハンガーゲームを開催する意味と共に、冷徹なる為政者が生まれた哀しき原点を描いた作品である。】
■独裁国家パネムでは、首都キャピトルで反乱を起こした12地区を戒めるために、毎年各地域から選ばれた若者達が戦う「ハンガー・ゲーム」が開かれていた。
ゲーム参加者の教育係となった18歳のコリオレーナス・スノー(トム・ブライト)は、第12地区より選出されたルーシー・グレイ・ベアード(レイチェル・ゼグラー)を生き残らせるために策を巡らす・・。
◆感想
・若きスノーは、アカデミーの優秀者であり、野心もあるが前半のハンガーゲームシーンでは、ルーシー・グレイを生かす為に様々な仕掛けをし、彼女を優勝に導く。
- ハラハラしながら、且つイロイロと突っ込みながら、鑑賞する。-
・ハンガーゲームで勝利したスノーであるが、仕掛けが不正と判定され、地区の護衛兵として、ルーシー・グレイが住む第12区に派遣される。
- 出会ったルーシー・グレイとの恋。そしてスノーの親友でもあるセジャナスとの再会-
・だが、ハンガーゲームで徐々に人間の心を蝕まれたスノーは、パネムを脱走しようとした地区の男女を撃ち殺す。ルーシー・グレイに心の変容を見抜かれ、彼女にも逃げられるのである。
- この辺りのストーリー展開はカナリ粗いが、鑑賞続行。-
・更にスノーは脱走の手助けをしようとした親友セジャナスを裏切り、彼は処刑される。一方、スノーは首都キャピトルに戻され、重要な役割を担う事になるのである。
<今作品はハンガーゲームの殺戮のシーンの数々にハラハラし、ハンガーゲームに依り人間性を失って行く若きスノーの姿を描いた哀しき作品である。>
長いけど、初心者でも面白い
レイチェル・ゼグラーとピーター・ディンクレイジ
事前情報まったくナシで見ました。
シリーズ前作までは一応見てます。
タイトルから、これまでのシリーズの前日譚だろうな…とは察していました。
そしたら今回、レイチェル・ゼグラーとピーター・ディンクレイジが出てるではないですか!
もう満足です。
レイチェル・ゼグラーと言えば、(日本では)去年『ウエスト・サイド・ストーリー』のヒロイン・マリア役で華々しくデビューして、今年『シャザム!神々の怒り』ではヘレン・ミレンとルーシー・リューの妹という凄まじい役どころをこなしてましたが、今作にも出てますよ。そして歌ってますよ!
現在22歳で出演作品すべてが大作、すべてヒロイン、つまりすべてが代表作、おそらく今が旬!
若くて初々しいうちに、いっぱい活躍しておいて欲しい!あと何年?こうなったらもう素直に「白雪姫」、期待しちゃいますよ。
そしてピーター・ディンクレイジ。
ドラマの『ゲーム・オブ・スローンズ』でブレイクしたみたいですが、それより前からこの人は体型に頼らない良い演技をしていたと思います。
世間の評価がどうか分かりませんが個人的にはこの人、名優だと思ってます。
この2人の登場で、私の基準ではもう元が取れた気分ですが、他にもヴィオラ・デイヴィス(スーサイド・スクワッドでアマンダ・ウォラーをやってた人)とかバーン・ゴーマン(パシフィック・リムの真面目な方の博士役の人)とか、個人的に名脇役認定している俳優さんが出ていて、続編作るなら、きっとまた見てしまいます。
続編、期待しすぎないくらいに期待しています!
全48件中、41~48件目を表示