光る鯨のレビュー・感想・評価
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レイトショーにぴったり
試写会にて鑑賞。
セットではなく実際の住居で撮影されているので、画角がせまいと感じるカットもありました。大作やテレビドラマを見慣れている人にはちょっと違和感があると思いますが、裏を返せば低予算を感じる要素はそのくらい。
うつくしいVFXで映像に引き込まれました。
論理的な人には、これどういうこと?と考えてしまう場面もあるかも。でも、この映画を観る上では、理解とか解明とかは重要じゃない。光るスクリーンをただ目で受け取れば「わかる」のかけらがひとりでに集まってくる気がします。
自主映画って、作り手の思いが強すぎるって感じることがあるけど、この映画はちゃんと「物語」に昇華されてると思います。へんな重さがないと思う。
観たあと、夜の道をしばらくブラブラしたくなりました。池袋HUMAXの裏あたりはぴったりですね。軽いお酒を少し飲みたくなるような(ジントニックが合うと思う)気分でした。
ギャルがかわいくて好きなキャラクターです。
劇場公開でもう一度観るのが楽しみです。
人生、時間を巻き戻してのやり直しはできない。「覆水盆に返らず」なのです。
『光る鯨』
クラファンのリターンの完成試写会で鑑賞。
ストレートに面白かった。👍☺️
昨今のマルチバースやタイムループ物って、辻褄合わせに注力してしまい(作る側も観る側も)、あまり好きじゃないんですが、本作はその辺の見せ方がシンプルで良かった。(私が複雑さを理解していないだけかも…。😅)
森田博之監督の作品(『ラストラブレター』『世界で一番最後の魔法』)って、登場人物の攻守の逆転が特徴的だと思っていて(監督御自身は意図されていないとの事でした)、本作を観てその特徴を改めて感じました。
但し本作では、ストーリ-的にキャラの攻守が入れ替わる訳ではない。
そもそも人間にとって攻守が別れている訳では無く、人間それぞれが等価だから、各キャラがそれぞれちゃんと立っていて、存在している。
これは、人間の多様性であり、個々人の可能性、その普遍性が語られている様に感じました。
映画やドラマって、主人公を中心に世界が回っていくものですが、実際の社会って脇役にもモブキャラにもそれぞれの世界や物語がある。
と言うか、現実の生活に於いて主人公も脇役もモブキャラもない。各々一人一人が主人公。
生きるとは、自分が主役の映画を一生観続ける事なんだとも思います。
コインの表は、コインの裏の裏。
自分の世界から見た他者の世界は、あの世なのか❓
では、他者から見た自分の世界は❓
映画やドラマでの家族のウェットな描写、単純に感情や心の柔らかい所を突かれている様で私は好きじゃない。
故人を悼む事は当然なんですが、いくら悼んでも故人が生き返る訳ではない。
だけど、本作でのそれは妙に腹落ちしました。
生き残った者は、生きていくしかない。故人の記憶を携えたまま。
自分の時間は前にしか進まない。過去には戻れない。
昨今の「人生何周目?」流行のアンチテーゼでもあるかの様な…。人生、時間を巻き戻してのやり直しはできない。
「覆水盆に返らず」なのです。
主人公と彼氏(?) のあるシーンで、彼氏が粗相(😱)してしまいますが(場内では笑いが起きていました。😅)、正に「覆水盆に返らず」。(絶対に違います)
そして、並行世界が交わらないにも繋がっている気がします。それぞれの世界はそれぞれが個別に進んでいるから物理的には交わらない。でも、精神的には交わる部分があるのだと思います。
森田組の面々の活躍に重なると思うのは、牽強附会が過ぎるだろうか⁉️
それぞれの糸は、交わる事はあっても撚られる事はない。
人間の人生も同様なのだと思います。人は一人では活きられないけど、一人でしか生きていけない。「生活」って、そう言う意味なのかもしれない。(絶対に違います(2回目))
『光る鯨』本当に素晴らしい脚本です。本当に素晴らしい作品です。
最後に、本作でのエレベーターの描写がメチャクチャ好き。
私は、金庫のダイアルの様にも、織機のシャトルの様にも、ワープ航法の様にも感じました。
元ネタあるのだろうか❓
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