劇場公開日 1946年

「緊張感に満ちた、サスペンス・スリラーの傑作だ」疑惑の影 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0緊張感に満ちた、サスペンス・スリラーの傑作だ

2024年11月1日
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田舎町の少女チャーリーは、自分の名前の由来となったチャーリー叔父さんがやって来ると聞いて喜ぶ。しかし、若きチャーリーは、叔父が逃亡中の殺人犯だと、疑い始める。

少女の疑念が、真実に近づく過程を、1つ1つのエピソードの積み重ねを通じて見せつけた、手に汗握るミステリーだ。少女が真相を知ったことが相手にバレてからの、危険な恐怖の連続も見逃せない。

ヒッチコック初期の最高傑作の1つであり、彼自身のお気に入り作品としても知られている。不穏な空気が漂い、巧みな演出で、最後まで飽きることが無い。
【追記】殺人犯のアイデアは、1920年代に実在した連続殺人鬼、アール・ネルソンに基づく。

テレサ・ライトとジョゼフ・コットンが、ただならぬやり取りを、見事に演じ切っている。分かりやすく、劇的な局面が続々と描かれる、緊張感に満ちたサスペンス・スリラーの傑作だ。

瀬戸口仁