大いなる不在のレビュー・感想・評価
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行く先の自分を想像して。
圧倒的に俳優陣の演技がすごい。 未来さんの戸惑い、藤原さんの現実と非現実の交錯。 そうなんだよね〜認知症って、どうしていいのか、わからなくなるんだろうね。 それにしても、直美さんはどこにいってしまったのだろうか? そこだけが、想像の域を超えない。 どうしても、いろいろと繋がらない。
時系列がごちゃごちゃで混乱
2024年劇場鑑賞205本目。 てっきり亡くなった父親の事を遺品や関係者の話で追う話だと思っていたらお父さんしっかり生きてました。 冒頭あれ、映画間違えたかな?と思う展開で、どうしてこうなったのかを最後までこちらは抱えていなければいけないのに、時系列のめちゃくちゃさでより混乱してしまいました。森山未來が前衛的芝居をしてるのはこれ素だろ、と思いました。
タイトル素晴らしい
豪華俳優陣で観たかった映画🎬
なんと監督ティーチインつきで鑑賞☺️
わーい🙌
最初は主人公の父に対しての視点ですすみ
あれ
再婚相手の直美さんがいない
どこ?
直美さんの息子も
直美さんの妹も
居場所を言わないし
認知症の父の言うことが
毎回違うから
主人公は戸惑いながら
手探り状態
スリリングな流れで
面白い
直美さんは海へ?
亡くなったのかな
父のことをよく考える映画だった
父と確執のある人に観てほしい
タイトルも素晴らしい
息子から見た父の事に最初捉えていたが、映画をみていくと、父から見た直美さんの事にも捉えられて
良いタイトルだなぁ
近浦監督は
映画への熱意が溢れていた
お話がとても上手な監督さん✨
また札幌に来てティーチインしてほしいです☺️
アナログ世界の自由人
認知症は、父親と義母の互いの愛情を引き裂いていく。 ふたりの大切な思い出がつまったそれぞれの日記。 義母が、認知症が進んだ父親の家を出るとき、その日記は置かれたまま。 彼女はなにかを断ち切ったのだ。切なすぎる瞬間。 その間を取り持つ息子は、ずっと会ってなかった父親、亡き実母両方への複雑な感情を抱えながら、心揺れ動く。 家族にはいろいろな形がある。運命には抗えない。家族は家族だから。 親子の愛情の在り様も刻々と変化していく。父親の胸中に去来するものは何? 息子は舞台俳優だ。複雑な感情を表現するのはお手のものだ。ただ、それが自分の身にふりかかると戸惑いは隠せない。そのへんの機微を、森山未來は彼ならではの感性で好演している。 藤竜也の父親も圧巻。「ファーザー」のアンソニー・ホプキンスに匹敵するかもれない。 アナログ世界の自由人。頑固一徹の学者。藤達也でしか演じられない。そう確信した。
藤竜也がヤバい。
こういうインテリ系の人の痴呆やアルツは見ててきつい。自分のプライドがズタズタになって、その現実に争い、認めて行く、、またはわからなくなって行く過程が実にリアルに描かれていた(自分のまわりにいたのでわかる)、藤竜也恐るべし。 まわりも達者な人ばかりなのだが彼だけ飛び抜けて凄かった。 ボケ老人に振り回された人達と、早くに縁を切った息子の森山が父の過去を知り、その贖罪の旅をすることによって父親との距離を縮めて行くはなしです。 病院は年寄りのサロンとか言ってる若い子には響かない話かも知れない。その通りだよ、そしてあんたも必ず来る、確実な未来なのにね。
素晴らしい映画でした!
夫婦どちらかがまだらボケになり、せん妄が現れ、暴言を吐いたり、暴力的になりして、認知症になってゆく。身の回りにあり得ることだ。他人事ではない目線で見ざるを得なかった。80を超えた藤竜也の演技も細部まで練られていて胸に迫るものがあった。そして、森山未來が変化してゆく様も自然体で描かれ、私が見た今年の上映作品の中では、間違いなく秀作だった。
複雑で緻密な構成にパズルのピースがハマっていくように愛情が浮かび上がって来る
なんと哀しいストーリー。子供の頃の両親の離婚を機に疎遠になった父へは、感心が薄い息子が、徐々に父へ愛情を感じていく様子がその行動から読み取れるように描かれている。少し複雑に見える時系列の描き方も、パズルがはめ込まれるように明確に事実を語るにはとても効果的で引き込まれる。徐々に痴呆が進んで行く過程で、愛情で記憶を繋ぎ留めようとしても、容赦なく進行していく様子がつらい。淡々と事実を確認していく息子の僅かな感情の揺れを森山未來は見事に演じている。それは藤竜也の説得力ある存在感があるからこその効果でもある。リアリティのある、そして感情を揺さぶられる作品だった。
父と息子の深い話
多くの人がイメージするインテリの嫌な部分(理屈っぽくて傲慢で、妙な拘りがあって…)を具現化したような学者である父親に子供の頃に捨てられた息子がその父親の半生を辿っていくという話。途中で父親と再会したときのやりとりなども、時系列を前後しながら描かれる。「自分を捨てたあなたが言うか」というような父親の無頓着な発言などもある。つかみかかってもいいような発言もあったが息子は良好な関係にある父と息子がそうであるように、それを普通に聞き流す。そして父親の再婚した妻も含めた交流を続ける。 父親には認知症の症状が現れ、病状は進む。身勝手ともとれる行動をいくつも起こし、身勝手ではすまされないような酷い言動を妻にはとってしまう。 認知症の悪化のために変わっていく父親に再婚した妻は身も心も傷つき離れていく(おそらく妻の妹が見かねて引き離したのだろう)。そして息子は残された妻の日記やその中にあった父親のたくさんの手紙を読み込み、父親が過去に訪れた土地にも行く。そして離れていった妻を探す。父親の生き様を丹念に丹念に追いかけて行くなかで、今ではボロボロになってしまった父親を理解していく。これは役者としての素養(感受性、人間への理解度など)のなせる業かなと思ったりもするが、息子の父親への理解、思いに嘘はない。 この息子を自分に置き換える。自分の息子に置き換える。父親をも自分に置き換える。この息子の豊かな感受性と懐の大きさに僕は感動してしまう。そしてボケたくないな(当たり前だね)。
俳優陣は良かった
原日出子演じるゆきこがいなくなった経緯が、いまいち入ってこず…倒れているゆきこを置いて帰ったのが先で、思い出の手帳を投げたのがあと? それにしても、「行ってきます」と言って出かけたのに、どうして出ていったきりなの?? 認知症を患う人のサポートが、精神的にも肉体的にもかなり疲弊するのはわかるのだけど、ゆきこが「もうあの家にいなく」なったのは、ガマンの限界だったということ? 時系列が行きつ戻りつするのはすんなり理解できたものの、肝心のソコが腑に落ちなかった。 ただ、俳優さんたちの演技が素晴らしかく、森山未來演じるたっくんの日記の朗読すら、聞き入ってしまうほど。 音楽が、ところどころ邪魔くさく感じた
父が父でなくなって初めて寄り添うことができた悲しみ
こんな父親がいたら家を出てしまう。 主人公のようによっぽどのことがなければ戻ることはないだろう。 時間がいったりきたりするのが、父親が自分を失っていくところを、時系列に沿って見せるのでなく、藤竜也の演技と相俟ってとても効果的だと思った。 家庭を壊してまで愛する人が、原日出子さん。このキャスティングが絶妙。 きれいな海、で終わってもよかったような。 森山未來をあんずちゃんに変換して見てしまった。
「永遠」 それが叶わないのは当然だったと改めて気付く
サスペンスと思いきや どっぷりヒューマンドラマとして成立しているこの作品。 親子愛 夫婦愛 家族愛 見えない糸でそれぞれ繋がり人生が絡み合い それぞれの理由 それぞれの愛情表現 それぞれの大事な物 そしてそれぞれが生きてきたこれまでの道徳。 認知症の描き方が絶妙で 外的な所動やわかりやすい描写に偏るのではなく あくまでも本人自身の葛藤や、 それを取り巻く人々の困惑や悲しみ、 戻ることのない記憶への絶望を 感情のフィルターを通して映像表現されているのが 35mmフィルムでの投映も肉感的で リアルに心を描いた説得力を感じた。 各々の過ごした時間は各々の時間軸で存在している それが個々の人生そのものであり その奥深い本質はその人だけが知っている。 その本意を知った時に真愛を知る。 とにかくキャストの皆様、天晴無敵です。 観た人それぞれ、感じ方が違うだろうなと確信する 演技の振り幅が観れて大満足。 本当に凄かったです #近浦啓 監督 #藤竜也 #森山未來 #原日出子 #真木よう子 #三浦誠己 #神野三鈴 #利重剛 #塚原大助 #市原佐都子
ある日、一人暮らしの老人・陽二(藤竜也)が警察に逮捕・保護された。...
ある日、一人暮らしの老人・陽二(藤竜也)が警察に逮捕・保護された。
身元引受人は息子の卓(森山未來)。
妻・夕希(真木よう子)を伴って東京から暘二の暮らす北九州まで赴いた。
会うのは数年ぶりか。
卓は母とともに暘二から棄てられたという思いがあり、以前会ったのも十数年ぶりだった。
陽二には、再婚相手の直美(原日出子)がい、学究肌の暘二の世話を甲斐甲斐しくやいていたはずだった。
保護施設に入れられた暘二は傍から見ても認知症になっており、妄言妄想にとりつかれているようだった・・・
といったところからはじまる物語で、タイトルの『大いなる不在』は「永の空白」といったところだろう。
父と息子に横たわる長らくの空白時間。
その父との空白の時間、その間に父が何を思っていたかを息子の卓が埋めて、自身の腑に落としていく話・・・と思って鑑賞に臨んだ。
本筋はそうなのだが、なんだが、よくわからない。
暘二と直美の話は、息子が紐解いていった父の物語なのか、父自身の回想なのか・・・
そんなことはどちらでもいいという向きもあるかもしれないけれど、そこんところは実は重要で、映像で見せられれば観客にはすべてわかる。
けれど、登場人物がわかっている・知っている物語なのか、知らない物語なのか、それによって観方が変わって来る。
息子は父の物語を知らないのだろう。
空白の期間の物語を、彼が知ることで、こころのわだかまりが解ける、腑に落ちる、ということになろうが、そこんところが甚だあいまいで(というか、わたしが気づかないだけかもしれない)、空白期間を埋めるカタルシスが得られない。
映画の終局で語られるのは、映画冒頭のショッキングな出来事の顛末であり、それはこの映画では些細な出来事なので、余計にそう思った。
藤竜也の演技は認知症というよりも別の何かのようで、これも観ていて居心地が悪かったです。
壊れていく、残っていく、人の業
個人的に、 自身の経験を思い起こさせるところがあり 観ていて苦しくなった。 藤竜也さんが凄すぎた。 痴呆が進んでいく様は ドキュメンタリーを思わせる。 人の業の深さ、 人のどうしようもない思いの深さ、 老いるということの不可逆性 可塑性をまざまざと見せられ そのどれもが身につまされる。 どこかで妥協したはずが 心の底で燻っている火が消えなかった。 燃え上がる当人たちと 振り回された周り。 そこに正直になるのか 蓋をするのか。 幸せとは? 後を引く作品だ。
タイトルが秀逸
最初に感じたのは、あれほど愛していた人のことも認知症は忘れてしまうんだなぁと切ない気持ちになった。
この映画、父と息子の物語でもあり,男と女の物語でもあり、いろんな要素が盛り込まれて,でもちゃんとまとまりのある深い映画になっていた。ひとえに役者の力量だろう。森山未來,藤竜也,そして原日出子。この人たちの静かな演技は、言葉一つ一つが観てる側に丁寧に届けられて、深く刻まれる感覚だった。
インテリで偏屈で理屈やの男が、愛する人が去って行くその時に見せるしぐさ、深い愛情に涙が出た。そして、息子も自分を捨てて出て行った父親の生き様を知る中で,最後に施設の人にできるだけ長生きさせてあげてと静かに語る。実は深い愛情の持ち主なんだと知る。
登場人物はそれぞれにとっての大いなる不在を抱えて生きてきたんだなぁ。良い映画でした。
ただ、出てきてないが、対して好きでもないのに結婚して出産して捨てられるって、息子の母の女性にしたら最悪だなあと、正直ちょっと思った。
ちょっとわかりにくい…
私、65歳。先日仕事を完全リタイア。 気になってた映画平日の昼間にゆったりと鑑賞しました。藤竜也の哀愁漂う狂気、森山未來・真木よう子の意外なきちんとした所作、原日出子の熟した可愛らしさと、役者さんの演技は秀逸ですが時系列がわざとにバラバラでちょっとわかりにくいかな。 さて、私はどんな爺さんになるの(笑)
静かな作品だけど、恐怖心が募る
遠山父子の「今」を通じて、認知症の存在に恐怖を感じた。幸いにも自分の周囲に認知症を患っている人はいないが、いつかは自分が「卓くん」になるかもしれない。成人し独立してしまうと、親と一緒に過ごす時間が激減するが、そうじゃいけないんだなぁ。
ふぅ〜、深く重い思い
何とも感想を言葉にするのが難しいです。
藤竜也さんの演技に引き込まれながら、
陽二と卓と直美さんのそれぞれの関わり方を見守るように、
息を詰めるように集中し魅入ってしまいました。
夫婦の愛、親子の愛
直美さんにとっての陽二さん
卓さんにとっての陽二さん
認知症が発症する前と後の陽二さんで二人にとっては別人で...
でも、陽二さんは、本人にとっては、もう、ずっと陽二さんのままで、
周りの受け取り方で違う人なわけで…
自分が卓の立場だったら…
疎遠だった過去ではなく、
父と息子の距離が縮まるような感覚の今が重要で、やはり愛情が湧くだろう…
直美さんだったら…
わたしは、陽二さんが夜中錯乱し直美さんが日記を見せるシーンで、
陽二さんがハッと我に返るハッピーさを求めてしまっていたのだけれど、
全く別で、日記を投げつけるという展開に、
まじかっ!の衝撃で胸がチリチリしたそのシーンに、
おそらくそれが現実で、自分がなんて安直なんだろうと、
そして現実はなんて辛く悲しいのだろうと涙がこぼれてしまいました…
だから、直美さんが陽二さんの元を去ったのも責めることはできないし…
ただ、直美さんが、
陽二さんの最高のラブレターに書かれていた素晴らしい海となってしまったとしても、
それとも違う人生を送っていたとしても、
どちらにせよ幸せな気持ちでいて欲しいと願うしかなく…
あと、妹さんには性的な暴力ではなく、直美さんの荷物を持って行かせたくなくて、
階段から引きずり下ろしてしまったんだと、
これまた現実逃避かもしれない思いでおるのです…。
陽二さんの立場だったら…
どうしよう、誰かに迷惑掛けたくないし、
でも判らなくてなってしまったらどうしようもないし、
ただただ、怖くなってしまいました…
うーん、とにかく簡単に感想がまとまらず、深く深く心にのしかかる作品でした。
そして、藤竜也さん、森山未來さん、原日出子さんの演技に痺れました。
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