「なぜか真木よう子さんが」大いなる不在 La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
なぜか真木よう子さんが
長らく疎遠だった父親が認知症になって久しぶりに再会した息子が、互いに離れていた間の父の暮らしと向き合うお話です。
言う事がフワフワしているのに、恐らく生来の権威主義的態度を秘めた藤竜也さんのリアリティが凄まじく、「このお父さんはもしかして詐病なのか」とすら感じさせ、観る者を惑わせます。それと向き合う息子の森山未來の眼差しも繊細です。
でも、なぜなのでしょう。僕は本作で、森山さんの妻を演じる真木よう子さんが最も印象に残りました。特に、強さや激しさがある訳ではなく、記憶に残る台詞がある訳ではありません。でも、第三の眼としての穏やかな佇まいが静かに染み入って来るのでした。
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