「さらっと観るとさっぱりわからない・・・しかし」大いなる不在 りあのさんの映画レビュー(感想・評価)
さらっと観るとさっぱりわからない・・・しかし
幼い頃に自分と母を捨てた父が警察に捕まった、と連絡を受け、久しぶりに父・陽二を訪ねることになった卓は、認知症を患い変わり果てた父と再会した。そして、父の再婚相手で長年一緒に暮らしていた義母の直美が居なくなっていた。何があったのか?と、卓は父がどう生活していたのかを調べ始めた。父の家に残されていた大量のメモや手紙、そして父を知る人たちを訪ね、そこで聞く話、卓は父の人生を知ることになり・・・てな話。
本作品、さらっと観終えての感想は、???だらけだった。
直美さん、実際はどうなってるんだろう?というのが最大の疑問だった。
あまりにレビューが書きにくく、ほとんどした事がないが、信頼できる素晴らしいレビューアーさんたちのレビューを先に読んでしまった。
そういう事か、といちいち納得。
若い時から理数系で文学脳を持たず、今でもこういう実在するのに不在みたいな作品は苦手です。
認知症になった人が主人公だと、何が真実で何がその人の妄想なのか観ている他人にはわからない。
ましてや、直美の息子のように金目当てでウソをつくような人まで出てくると話がこんがらがって、サスペンスみたいな感覚を受けた。
そうなってくると、直美さんの妹も本当の事を卓に言ってるのだろうか、とか、友希さんは大丈夫なのか、とか登場人物全てをうたがって観てしまった。
そのくらい、卓役の森山未來を含め、父・陽二役の藤竜也、卓の妻夕希役の真木よう子、義母・直美役の原日出子、などの演技は素晴らしかった。
直美の妹役の神野三鈴もさすがだった。
ストーリーを理解した上で、もう一度観たい、そう思える奥深い作品だった。
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