「大いなる不在、そしてそこには必ず存在がある」大いなる不在 Toruさんの映画レビュー(感想・評価)
大いなる不在、そしてそこには必ず存在がある
認知症を患う父親、その父親の人生を紐解こうとする長年会っていなかった息子の葛藤を描くドラマ。
藤竜也が、認知の混乱、題名通りの大いなる不在、そして存在を演じ切っており、その卓越した演技が圧巻。また主役となる息子役の森山未來の演技も秀逸。それを真木よう子、原日出子などのバイプレイヤーうまく支えている。
認知症という病に関する、本人と家族の辛さを押し付けがましさなしに、空気感で伝える巧みな脚本と演出。現代社会における認知症をテーマとした映画として高い完成度。
認知症が他人事ではない時代、そのどうしようもない状況における家族の存在の大切さ、その難しさについて深く考えさせる作品。
役者たちの素晴らしい演技、それを巧みに演出した監督に拍手したくなる映画だった。
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