「小さな欠損では」大いなる不在 カール@山口三さんの映画レビュー(感想・評価)
小さな欠損では
ノーラン監督のような時間軸をモザイクピースの様にランダムに入れ替え話が進む。
20年の思いを遂げるために父は義母となる直美に、純心で永遠の恋心を激白し、不倫の恋を成就する。
そしてその後30年ほど二人は再婚生活を営むが、二人だけの生活は二人が望むような幸福であったのだろうか?
直美に捨てられた子供が、母は家政婦のようにこき使われたと訴えていたが…
父の恋心は分かるが、義母の直美は何時も不安げで満たされていない顔に見える。
恋も結婚生活も二人の想いが見えないと真理に近づけない。
先妻の子供を虐めて手を上げるようなのだから後妻にも同じだろう。
そもそも不在ではなく、
何かが欠けていた不足感が残る。
(=´∀`)
大いなる不在
劇場公開日:2024年7月12日 133分
長編デビュー作「コンプリシティ 優しい共犯」がトロント、ベルリン、釜山などの国際映画祭に招待され高い評価を得た近浦啓監督の第2作。
森山未來が主演を務め、藤竜也と親子役で初共演を果たしたヒューマンサスペンス。
幼い頃に自分と母を捨てた父が事件を起こして警察に捕まった。
知らせを受けて久しぶりに父である陽二のもとを訪ねることになった卓(たかし)は、認知症で別人のように変わり果てた父と再会する。
さらに、卓にとっては義母になる、父の再婚相手である直美が行方をくらましていた。一体、彼らに何があったのか。
卓は、父と義母の生活を調べ始める。父の家に残されていた大量の手紙やメモ、そして父を知る人たちから聞く話を通して、卓は次第に父の人生をたどっていくことになるが……。
主人公・卓を森山未來が演じ、父・陽二役は「コンプリシティ 優しい共犯」でも近浦監督とタッグを組んだ藤竜也が務めた。
卓の理解者となる妻の夕希役は真木よう子、行方知れずの義母・直美役は原日出子。
第71回サン・セバスチャン国際映画祭のコンペティション部門で藤竜也がシルバー・シェル賞(最優秀俳優賞)を受賞。
第67回サンフランシスコ国際映画祭では最高賞のグローバル・ビジョンアワードを受賞。
大いなる不在
劇場公開日:2024年7月12日 133分