劇場公開日 2024年7月12日

「主のいない家」大いなる不在 しろくろぱんださんの映画レビュー(感想・評価)

4.5主のいない家

2024年7月14日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

…父親の存在
幼い時父と別れ
久しぶりに施設で面会
そこにいた父は
認知症で別の世界のをもつ
教授だった父は何かと理屈っぽい
・・噛み合わない
父との会話に
息子の卓(森山未來)が話を合わせる
嫌いだった父だが…

母と別れてその後に結婚した
義理母の直美の日記に
父が直美に対し若い頃から
猛烈に好きだったことがわかった
父は手紙を書いていた
それを直美は大事に
日記に張り付けてある
直美にとっては宝物だった

淡々と静かに物語は進んでいくが
痴呆の流れに沿って
そうなる前の説明も明かされ
伏線もキレイに見事に回収され
深い脚本と演出に引き込まれていく

父の知らなかった過去に
触れていく時
父を嫌っていた自分が徐々に…
寄り添う気持ちにいつしか変わる
痴呆が進んでいく陽二
藤竜也さんの演技が見事でした
森山未來さんも自然に抑えた感じが
素晴らしかった

卓は
冒頭で延命治療はどうしますか
と言われ答えられずにいたが…
なるべく長く
…生きられるようお願いします
と言った言葉に父に対する想いは
いままでの気持ちとは違う
想いが感じられた

余韻が…
エンドロールの後まで
何故か
涙が…溢れた

しろくろぱんだ
talismanさんのコメント
2024年7月15日

コメントありがとうございます。自分が生まれる前の父親、自分が子どもだった時の父親、目の前の父親を知って「不在だった父」と話し考えて行く様子を森山未來さんが見事に演じていました。息子を、他者と対話しながら演技や台詞を作っていく俳優設定にしたのも意味があるんだなあと思いました

talisman