劇場公開日 2024年7月12日

「日本版『ファーザー』」大いなる不在 トニーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5日本版『ファーザー』

2024年7月13日
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冒頭のシーンからサスペンスドラマを想像してしまったが、認知症に冒されていく父親とその息子、妻、それを取り巻く人々の心情の変化の物語。アンソニー・ホプキンスのファーザー、もしくは、ラッセル・クロウのビューティフル・マインドを思わせる展開。

福岡に8年住んでいた自分にとって、北九州と熊本の宇土市が舞台だったのも相まって、懐かしくも精神的にしんどい物語。

いちいち難解な言い回しを用いてプライドを誇示するめちゃくちゃめんどくさい父親なのにそれに苛立つのを抑える森山未來の演技、そして何よりそのめんどくさくも認知症にどんどん冒される姿を圧倒的なリアリティで演じた藤竜也の演技が凄まじい。

役者の演技で魅せる心理劇でした。

最後に、森山未來の舞台の演出と、熊本宇土市の御輿来海岸のメタファーは俺にはよくわかりませんでした笑

トニー