劇場公開日 2025年8月1日

「君の勇気を僕が見れば星」星つなぎのエリオ 涼さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 君の勇気を僕が見れば星

2025年9月7日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

幸せ

導入
2025/9/7、鑑賞。公開から1ヶ月以上経過しており、既に朝一しか上映されていない状況だった。本映画の日本版エンド主題歌を担当するバンド「BUMP OF CHICKEN」のファンである私にとっては、映画館で楽曲を楽しめれば良いや、という、映画ファンに怒られそうな気持ちで、ほぼ事前情報も知らずに鑑賞した。

ストーリー感想
テーマは孤独や家族愛といった王道の内容で、結末も想像通りと言える。しかしながら、人類の孤独についても触れられ、考えさせられる場面もあった。途中の展開には意外性もあり、最後まで全く飽きずに楽しむことができた。総合的には直球で分かりやすいストーリーだが、それゆえに大人が改めて王道の良さを実感できる作品となっている。

キャラクター
主人公が両親や兄弟ではなく、おばさんとの関係を描くのがユニークだと感じた。大人としてはどうしてもおばさんに感情移入してしまうが、その行動や言動には納得感があり、自然に感情移入できる。宇宙人側も個性豊かなキャラクターが揃っており、グロードンはその見た目からは想像できない声で、非常に可愛く描かれている。(ぬいぐるみは売り切れらしい!)

演出
特に前半は、バンドファンなら思わずニヤリとしてしまうシーンが多い。ボイジャーのゴールデンレコードをはじめ、圧倒的な美麗CGで描かれ、画面にすぐ引き込まれる。明るい惑星や暗い宇宙など、さまざまな雰囲気がテンポよく描かれ、他の作品では真似できないピクサーならではの世界観を楽しめる。

印象的なシーン
全ての情報や伏線が丁寧に回収されていくのが心地よい。個人的には、主人公と友達が橋の上で語り合うシーンが最も心に残った。派手ではないが、本音を語り合うこうしたシーンが、最も心に刺さる。
また、ファンとして嬉しかったのは、エンドロール途中で流れる楽曲「リボン」を、映画館の音響で聴けたことだ。聴き慣れた楽曲でありながら、Disneyのロゴや映像とともに聴く体験は、贅沢で特別だった。

総合評価
日曜の朝から非常に満足度の高い時間を過ごせた。上映後、周りから「良かったね」と声が聞こえた。私も見終わった余韻に浸りつつ、カフェでこのレビューを書いている。もはや上映回数はごくわずかしかないので、宇宙やBUMPファンでまだ観ていない方にはぜひおすすめしたい。私は宇宙に関する書籍でも買って帰って、「リボン」を聴きながら読み、さらに星に繋がれた気分に浸ろうと思う。

涼