劇場公開日 2025年8月1日

「テーマがぶっ刺さった」星つなぎのエリオ エルさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 テーマがぶっ刺さった

2025年8月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

両親を失い自分の居場所はここにはないと思っている孤独な少年が
居場所を外に求めて宇宙人と会いたがり、実際に宇宙に招待されるストーリー。
予告でも描かれているように孤独な子に宇宙人の友達ができて
「そのままの君が好き」「君の居場所はある」と伝える物語。

このテーマが自分に死ぬほどぶっ刺さって開始30分くらいの辺りから
ぐすぐす泣きながら見るハメになってしまった。
主人公の少年は孤独をこじらせている為、周囲に対し拒絶的で人によっては受け入れがたい面もあると思う。
言ってしまえばクソガキである(これは後に成長を描く為の要素でもあるが)。
この辺が受け入れられれば、出来自体はかなりいい為、
ピクサー映画らしいドタバタギャグ、可愛さ、ドキドキな展開もありつつ感動に寄った本作は楽しめるとと思う。

この主人公のちょっと受け入れにくさと、でも出来はちゃんと良くて感動出来る感じは
同じくピクサーの『ファインディング・ドリー』を思い出す。
ドリーが好きな人はきっと楽しめるんじゃないかな。
逆にエリオが好きな人はドリーもいけると思う。自分はどっちも好き。

一方で本国における興行収入はかなり悪いらしい。
……まあ、分かる。外国のことなので詳しいことは分からないが予告が悪いと思う。自分もなんも期待してなかった。
①主人公のビジュアルがキツい。②宇宙って世界観のフックが弱い。③感動推しが薄っぺらそうに見える。
特に②のフックの弱さ、ワクワク感の薄さは絶対駄目な方の作品に違いない、
どれだけひどいものか見に行ってやろうと思ったひねくれ者が私だ。

でも見た結果はテンポのいい話運び、ちょっと予想の外を突くストーリー、
主人公の友達ができる喜びや成長、意外な伏線回収で楽しめた。
いつもの『出来がいい方のピクサー』なのであまりうがった目で見ず見に行って欲しい。

主人公エリオに出来る相棒的な友達、グロードンは芋虫の化け物みたいなビジュアルだけど愛嬌あって可愛いよ。

エル