ギルバート・グレイプのレビュー・感想・評価
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しがらみとまどろみの複雑な感情
少し見方を変えれば、
いくらでも自分に当てはまる状況を、鮮やかに描いている。
憐憫の情を拭いされず、
先の見えない不透明な毎日をやり過ごしていく。
家族の絆が切ない束縛となる。。。
現代の映画にはなかなか見当たらない、
「答えを鑑賞者に委ねる」ような、
一概には言えないほど考え深い作品だった。
自由になった葡萄の実
家庭内でしか育たない深い愛情もあるけれど、個人の人生を考えた時、「家族だから」という理由は時に重荷になってしまう。
自分で建てた家の地下室で突然首を吊って死んだ父。そのショックから、町で一番の美人だったという母は過食で肥満となり、家の中でもほとんど動かない。兄は家を出てしまい、次男のGilbertは知的障害を持つ弟Arnieの世話を焼きながら、食料品店で働いている。長くは生きられないと言われていたArnieの18才の誕生日前後のGrape家が描かれています。
彼らが住む寂れた町Endoraにも、大手スーパーやハンバーガーチェーン店といった新しい店舗がオープンし、少しずつ変化が出てきます。
Gilbertは、家族をよく知る店長に遠慮して、これまで通り古い商店で働いていますが、友人のTuckerは、純粋に惹かれてBurger Barnへ転職し、Mrs. Carverもモラハラ気味?の夫の死を機に転居します。新しいことに挑戦するのか、それとも古いものにしがみついて変化を拒むのか、という対比が分かりやすいです。
Gilbertは周りの顔色を見て生きているいわゆる「自分のない人」。大黒柱の役割を担わされ、高い所が大好きないたずらっ子の弟に振り回され、配達先の人妻にも誘惑されるがまま。本心は一体何を望んでいるのか彼自身も分からず、周囲から与えられた役目を果たそうという他人への責任感だけで動いています。発する言葉に”have/got to” の多いこと。父も兄もきっと家族に尽くすだけの人生に疲れて消えて行ったのだろうと推測できます。そしてまたGilbertの本音も、陰では母親を「ビーチに打ち上げられた鯨」と呼び、一人ではお風呂にも入れない弟を「時々(生きて)いなければ良いと思う」という所に表れています。
夫の死を乗り越えられない母親は、良くも悪くも家族をまとめる重石か足枷のようでしたが、母親自身が精神的にあの家に縛り付けられていました。
子供達の巣立ちを阻む家を燃やしたことで、晴れて自由になった訳ですが、母親の尊厳を最期に守ろうと思えたことがとても大きいのだと思います。鯨のようだと軽蔑したまま離別するのと、愛を持って見送るのとでは、その後の人生で故郷を振り返る時に随分違うでしょう。
Gilbertが自分の心の声に耳を傾け、母親と和解することこそが願いだと気付き、その機会を与えてくれたのは、キャンピングカーで自由に暮らし、刻々と姿を変える大空が大好きなBecky。
彼女との出会いが、
“We are not going anywhere.” を
“We can go anywhere if we want.”に変えてくれました。それは決して嫌々留まるのでも、どこかよそへ逃げるのでもなく、夢を持って新天地を目指せるという希望になりました。
母親の巨体が好奇の目に晒されるシーンがありますが、ドアや玄関を壊さないと家の外に出られない人もいるくらいですから、何とか歩けるだけマシですし、アメリカではそう珍しくないサイズだと思うのですが…。かつての美人が夫の自殺で劣化、お騒がせな三男は知的障害、などという要素が、狭いコミュニティでは余計に関心を高めるのでしょうか。
字幕では父親が17年前に死んだと訳されていますが、そうすると15才のEllenだけ父親が別人となってしまいますし、可愛かった頃の母親の姿をGilbertがはっきり覚えているというのも矛盾してしまいます。Beckyとの会話で、父親の死亡以来母親の過食と引きこもりが始まったと告白しており、母親が7年間外出していないということは、自殺も7年前です。17年前というのは、母親が家計を支えなければならない何かが起きたということでしょう。
当たり前ですがとにかくみんな若い!!
Johnny Deppは美しいし、DiCaprioはまだまだあどけない少年。John C. Reillyだけ意外と変わっていない?(^^)
Mary Steenburgenは高橋 惠子さんに見えました…。
登場人物は皆人生における困難にもがいていて、真の悪人は出て来ません。
自分探しをしている若者はもちろん、周りの期待に応えようとするあまり自分を見失ったり、変化を恐れたりする大人にもお勧めの作品だと思いました。
“It's what you do that really matters.”
ジョニデとディカプリオのフレッシュさ
【ラッセ・ハルストレム監督のキャスティングの慧眼に平伏した作品。】
ホントにホントに「号泣」しました…
胸につまる田舎の物語
夢を見ることすら許されず、家族の為にその人生を捧げる主人公。演じる...
デカプリオの演技に驚愕
とにかく、デカプリオのイメージが変わった。ここまで演技派だとは思わなかった。
日常から抜け出せないグレイプの遣る瀬無い感じがよく出ている。それだけに最後のシーンは大きな一歩をようやく踏み出した清々しさを感じる。
印象に残る作品。
物足りないかな…
何でもないシーンに涙する
アーニーの元気で無邪気な振る舞いに深刻な顔をしたりと何気ない場面に涙する。
人前に出たがらない母親がアーニーを取り戻す為に警察署に乗り込んで行く親としての強さ。
何かは犠牲にしている筈のギルバートの普通にただ普通に生活しているだけの虚しさも感じてしまう彼の人生にでも家族を守る為に弟のアーニーを。
ラストはハッピーに幕を閉じるが希望はあるのかギルバートのこの先の人生は明るく導かれるのか。
久々に鑑賞したがディカプリオの素晴らしい演技に脱帽するし感情を抑えた普通の青年を演じたJ・デップの巧さが余計にディカプリオを際立たせている。
感動を過剰に演出せずに至って普通に過ごし生活する家族を優しく描き何気ない場面に感動させられ観終わった後には癒しが。
物足りない?
ベッキーがいい人すぎて、それが心に残ります。
お母さんが死んでしまうのが悲しかった。
少しずつ元気になって心も体も・・・ってなっていくのを期待していたのに
死んじゃったの?( ゚Д゚;)とかなりびっくり。
そして映画特有の幸せ感みたいなのがなんか欠けていたというか。
青春ものとしては素晴らしいのでしょうけれど・・・
私がドライなのかも。。
スターは既にスターだった
家族のこと
無理ない生き方を見つけて〜
かなり以前に衛生放送で観たのだけど
ジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオの演じる兄弟に
姉妹がいたことを綺麗に忘れていた。
18歳で知的障がいのある男の子となると、
もうそろそろ女の子では手に負えないから
年上のジョニー・デップが中心に世話をしているのだけど、
今観ると、もっと手伝ってやれよ!!と思う。
力が無くてもできることはもっとあるだろうに〜〜
真面目なジョニー・デップがだんだん可哀想になってくる。
映画自体が1994年と24年も前の作品だけど
今でも通じるのは
障がい者や老人介護は一人でがんばっちゃダメだよね〜
どんなに優しい人でも、人である以上限界はある。
ここまで極端な事情はそうないかもしれないけど
新しい生き方を見つける努力はやはり必要なのでしょうね。
誰かに助けを求めたり、
新しい場所に行ってみる、
新しい人に会ってみる。
まさによそから来た女性との出会いにときめき、
新しくできたショッピングセンターに入って驚く。
その直後、古いものを否定するような自分の振る舞いに
一瞬罪悪感を抱くジョニー・デップの表情がとても良い。
でも、限界が来ている生活を新しくするには
古いものと決別する勇気も必要。
古いものをダメなものとして捨て去るのではなく、
尊敬をもって真摯に別れる。
あの家は、その象徴だったんだな〜〜
なんか私の好きな系統の映画だな〜と思ったらやはり
監督はラッセ・ハルストレム でした。
その辺も不勉強でした。
この人の他の作品「ショコラ」
「砂漠でサーモン・フィッシング」
「マダム・マロリーと魔法のスパイス」
「僕のワンダフル・ライフ」
みんな好きな作品です。
★もう一度観るなら?「有料配信などでじっくり」
愛しい佳作
家族を第一に考える心優しい青年を演じるジョニー・デップが爽やか。ま...
心が激しく揺さぶられた
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