「ダーレン・ケイツこそ陰の功労者」ギルバート・グレイプ 蜷川吝塀さんの映画レビュー(感想・評価)
ダーレン・ケイツこそ陰の功労者
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オンライン英会話の先生にお勧めされて、今夜U-NEXTで観ました。
何もない田舎で暮らす家族のお話。お父さんは他界、心に傷を負ったお母さんは、家から一歩も外へ出なくなりました。
しっかり者の兄、障害のある弟に加え、ふたりの姉妹もひとつ屋根の下で暮らしています。
弟のアーニーはわんぱく坊主で、とにかく自分勝手に行動し、周囲の空気を読めません。
観ているこちらとしては、兄のギルバートに直ぐに感情移入し、序盤はフラストレーションが半端なく溜まります。
19歳にしてアーニーをここまで演じきったレオナルド・ディカプリオにまず脱帽ですが、彼以上に輝きを感じたのは、夫に先立たれ、他人との接触を一切絶ったお母さん役、ダーレン・ケイツの演技力です。
彼女の体型は特殊メイクやCGではなく、生身の姿です。
ご存知の通りエンタメ業界は、映える役者を積極的に起用し、見映えの劣る(とされる)役者は端役にしてしまい、彼女の様な役者が脚光を浴びる事は稀です。
それでも彼女は演技の稽古を怠る事なく続け、この作品で遂に花を咲かせたのだと勝手に思っています。
他にも演技の光る女性キャストは多くいましたが、ダーレン・ケイツの演技力は群を抜いていました。
私自身の興味に逸れるジャンルの映画なので、この映画を紹介してくれたオンライン英会話の先生には感謝しかありません。
少し長く感じるのがたまに疵。
悲しみや痛みを感じる作品ですが、安堵と救いも感じられる名作です。是非一度ご覧下さい。
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