劇場公開日 2023年12月8日

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市子のレビュー・感想・評価

全250件中、201~220件目を表示

3.5杉咲花さんの素のような表情が好き

2023年12月11日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

切ないというよりただただ哀しい。生まれや環境は選べないし、安全圏にいる人間がこうすれば良かったとか、なぜそうしなかったのかなど、外野から口を出すのは容易い。その中で与えられている選択肢があまりにも少なくて過酷で、より現実みがあった。恋人の誠実さに救われていた市子、大雨に打たれて歓喜する市子、そして夢を語る市子の顔が美しかった。だからこそやるせない。杉咲花さんの素のような自然な表情がとても良かったです。 市子と義則の出会いのシーンが一番好きです。何かが始まる予感、互いにピタッとハマるような感覚っていいですよね。

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ふたり映画

3.5引き込まれたが、ラストがよくわからなかった

2023年12月11日
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鑑賞方法:映画館

面白いというか、不思議な魅力のある映画でした。 市子がかわいそうでもあり、怖くもあり、純粋に見えるけど壊れてる面もあって、引き込まれました。 ただ結末がよくわからない。ラストの鼻歌を歌いながら歩く市子。 市子は自殺志願者の望みを叶えて、その後戸籍を奪ったのか? それとも3人で心中して、ラストのシーンは幸せだった過去の一場面なのか? 考察が必要な映画だと思った。

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ジュンヤ

3.5ストーリーのおどろおどろしい展開は、 舞台系の人が作った作品と知り...

2023年12月11日
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ストーリーのおどろおどろしい展開は、 舞台系の人が作った作品と知り、納得 演技はみなさん良かったです あと、 お味噌汁は朝ごはんのイメージでしたけど、 それは私だけですか?

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jung

4.5胸が締め付けられる

2023年12月11日
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ヘビーな作品でした。 社会問題を扱ってはいるものの、過酷な状況で生き抜いてきた1人の女性の姿を描くことこそが主眼だったような。 日常のどこかに、こんな人が混ざっているかもしれない。 そう思えるだけで、胸が締め付けられるような。 難しい役を杉咲花が見事に演じていて驚嘆しつつ、その女性を愛し隠された過去を調べていく男を演じた若葉竜也に感嘆させられました。 辛く悲しい話なので、万人に薦めませんが、文芸作品やミニシアター系作品が好きな方にはよいかと思います。

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コージィ日本犬

5.0けっこうはまりました。

2023年12月11日
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知的

2時間の作品でしたが、丁寧にストーリー展開されていて、観ご耐えありました。 杉咲さんはじめ、素敵なお芝居でした。 もっとこういった秀作を上映してくれる映画館が増えて欲しいと思いました。繰り返し観たい作品でした。

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あわてない

3.5仮定法過去完了

2023年12月11日
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帰宅して事の次第を悟った母の「ありがとうな…」が刺さる。 倫理観や正義感や夢や希望では解決にならず、幸福からの逃亡すら強いられ、(経済的に、とは異なる意味で)底辺という表現すら生温い境遇に生きる人がいるという現実を突き付けてくる。観ていて正気を保つのが困難な程の恐るべき作品だと思う。

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ひろちゃんのカレシ

4.0辛くて衝撃的な作品だった。 暗いしスッキリするような話ではないけど...

2023年12月11日
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泣ける

悲しい

怖い

辛くて衝撃的な作品だった。 暗いしスッキリするような話ではないけど、是非皆に観てもらいたい社会派の傑作。 こんな人が身近にいたら、私ならどんな風に接するだう。市子は実在するんじゃないかと思わせられる映画だった。 市子を演じる花ちゃんの存在感がすごすぎて、何度もつられて涙が出た あと倉くんの横顔が美しかった

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なこ

4.5おちょやん

2023年12月11日
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終始、重〜い 杉咲花の演技力は朝ドラ「おちょやん」で証明されていたが、今作でも実力発揮ですよ(おちょやんで弟役だった倉悠貴と今回はブチューしてましたよ) 若葉竜也が沼にはまってしまうのだが、こういう女に男は弱いよね~(森永悠希は泥沼に⤵️) 個人的には中村ゆりが好みなのだが、もしもこんな女がスナックにいたら男はズブズブっすよ 若葉竜也の役名が長谷川義則なのだが、これは長谷川滋利と佐藤義則(両方昔のオリックスの投手ね)から拝借したのかと昭和の野球オジサンは詮索してしまうのである

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うんこたれぞう

4.0杉咲花の陰キャ芝居。

2023年12月11日
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鑑賞方法:映画館

行間がありすぎて、観るものが「想定して埋める」作業量が多い。さらに時制やエピソード毎のフィーチャー登場人物を「サガ的に整理処理」をしなければならない、難易度の高い作品。よって、余韻がほぼ得られないことになった。残念だ。

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t2law

4.5ここにはいない

2023年12月10日
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泣ける

悲しい

難しい

主題歌の無い映画は怖い。落ち込むほど食らってしまう。作品のテイストによるだろうけど、邦画はこうあるべきだと思う。エンドロールに何かある訳でもないのに、誰一人として席を立たない。このたった3分間の暗幕が身震いするほど恐ろしい。「福田村事件」以来初めて、もどかしくやるせない感情が全身を襲った。 テーマとしては昨年度日本アカデミーの作品賞を受賞した「ある男」と似たものを感じるが、それ以外は他のどの作品にも当てはまらない唯一無二の独創性があった。映画を熟知している人が撮ったんだと見て取れる。登場人物に迫るカメラワーク、無機質で静かな演出、そして他人目線で描かれる市子という存在。どれもこれも秀逸。パンフレットによると、大好評により2度も再演した人気舞台が原作で、映画化にあたり黒澤明監督の「羅生門」をベースにして作品を構成したらしく、おかげで非常に厚みのある物語に仕上がっている。とても舞台が原作だとは思えない、小説らしくもあり映画的でもある作品。魔法にかけられたように惹きつけられた。 市子というタイトルでありながら、市子目線で描かれることは決してない。常に第三者目線で市子という人間が語られるため、彼女がどんな気持ちだったのか、何を考えていたのかは全く分からない作りとなっている。当人の目線で描いていれば、他人からは見えない部分が見えてくるため、より一層感情移入し共感出来たりするのだけど、本作ではあえてその手法をとっていない。それがすごく辛い。他人から見た市子はどれも本当の市子ではなく、真の姿は母親ですら知り得ない。当然、観客である我々にも分かるわけもない。だが、1人だけ彼女を知る人間がいる。それは是非とも劇場でご覧頂きたいが、とにかくその人物との関係性が悲しく辛いのだ。 人を理解すること、そして逃げること。失踪事件から始まった市子探しは、いつの間にか市子本人ではなく、市子の気持ちを探す物語へと変貌。サスペンス、ミステリーのような序盤から、胸にグサッと刺さる人間ドラマに持っていく展開の上手さ。時系列を見事にバラし、観客を困惑させながらも作品の渦へと巻き込んでいく。ストーリーから演出まで、映画のあるべき姿を徹底して練り込まれた、杉咲花の代表作とも語られるだろう大傑作。言語化するのは難しいが、少しでも興味を持ったら見て頂きたい。今週、いや、今月のベストムービー。ぜひ。

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サプライズ

4.0北くんはどうなったの?

2023年12月10日
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辛くて切ない話だけど、とにかく杉咲花ちゃんが素晴らしい。 途轍もなく過酷な境遇と出来事にみまわれながらも、ただ普通に生きていきたいと願う市子を見事に演じ切った花ちゃん。 他の人も書いているけど、主演女優賞を総なめするかもしれないね。 しかしながら、北くんはどうなったんだろう? 自分を犠牲にしてまで、市子を守ったということなの?

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ただの映画好き

4.5プロポーズした彼女市子が翌日失踪した。 彼女と関わってきた人たちの...

2023年12月10日
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プロポーズした彼女市子が翌日失踪した。 彼女と関わってきた人たちの視点から市子が描かれていく。一体何があったのかミステリーテイストでミスリードもあるし面白い。 そして事実を知った時、この問題は知ってはいたが、ドラマで描かれると辛いし胸糞悪い。 幸せだと感じる数々の場面で感じる負い目。 どうにか幸せになってほしいと思うが、あのラストはきつい。

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いたかわ

4.0がっつりミステリーな本作

2023年12月10日
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今ではすっかり死語と化した「親の七光り」という言葉。尤も、芸能界と言われる「業界」にも多くのカテゴリーが存在するし、変に印象をつけられないために芸名を変えたり、プロフィールをぼかして紹介する事務所も多いようです。そして、今作の主演である杉咲花さんも私の世代なら知る人の多いギタリスト木暮"shake"武彦氏の娘さんですが、私自身がそのことを知ったのは彼女が活躍し始めてしばらく経ってのことでした。勿論、それを知ったところで特に印象は変わらないだけの実力とパーソナリティのある女優さんです。子役の頃の活躍こそ知らないものの、最初に目に留まったのはTV CMの「Cook Do(11-17)」、そしてテレ東ドラマ『なぞの転校生(14)』、さらに映画『トイレのピエタ(15)』『湯を沸かすほどの熱い愛(16)』など、タイプの違う役柄を次々とこなし、そのクオリティが高いことから私にとって気にならざるを得ない、存在感の大きい俳優さんの一人です。 いつもの如く「前置き」が長くなっておりすいません。 まだ今年観た映画をきちんと振り返ってはいないのですが、本作における杉咲花さん、おそらく年末年始の賞レースで最優秀賞主演女優賞を多く受賞すると感じさせるだけの名演だと思います。個人的に、彼女の「感情高ぶった演技」が好きなのですが、本作においても「突然の雷雨」のシーンなど最高でした。惜しむらくは、彼女が演じる主人公「市子」はアバンタイトルで失踪、その後しばらくは「過去」を回想するシーンが続くため案外前半は出演シーンが少ないこと。まぁ、それを補って余りある「市子」の想像だにしない人生を知りながら観る杉咲さんの演技に、「それだから…」と説得力を感じさせる表情や雰囲気に唸るものがあります。 それにしても、近頃にしては案外珍しいくらいがっつりミステリーな本作ですが、きちんと現代における「社会問題」をベースにして作られており、ストーリーとして大いに見応えがあります。監督自らが原作した戯曲だそうですが、どれだけ映画としてのオリジナリティがあるのか。舞台と映画における題名の変化は、トータルにおいて「バランス」の変化が影響したのかなど気になります。そして、映画の終わらせ方はそっちで来たか、と思いつつ、エンドクレジットの後ろで聞こえてくるのはもしや「幸せだったあの頃?」と思える家族の声にまたザワッとします。 助演の皆さんも総じて素晴らしいわけですが、特に宇野祥平の配役は大当たりかな、と。と言うのも劇中、宇野さんが演じる後藤刑事は「刑事がそんなことする?」という、物語の展開に大きく影響することをしでかしつつ、その後のフォローもしないという暴挙(笑)なのですが、宇野さんの醸し出す人間味あふれる雰囲気で何となく許せるから不思議です。 とまぁ、ツッコミどころがないわけではないながらも、昨今の邦画に多い「伏線回収」的なギミックで胡麻化さず、堂々たるミステリーとなっており、「人はなぜそれを犯すのか」を考えさせてくれる良作です。観る価値あり。

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TWDera

4.5忘れることが出来ない存在感

2023年12月10日
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プロポーズされた翌日に突如失踪した女性市子。 彼女に関わった人々の話を聞く内に、彼女の過去がボンヤリと形になり始める。しかし、その実態はなかなか掴めない。 杉咲花さんの圧倒的な存在と共に、その存在が忘れられないものとなり、劇場を出てからも目線の先に彼女を探してしまう。 凄い映画だった。

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naichin

5.0はたして市子は悪魔だったのだろうか

2023年12月10日
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お断りしておくが、これは連続殺人の容疑者の市子が行方をくらまして逃亡を続ける話だ。 現に映像は、犯人を追う刑事が、容疑者の関係者といつ会って事情聴取したか、といった捜査メモの記録の体で流れていく。 見方によっては、男心を巧みに操る悪魔が、壮絶な運命に抗い、すべては生き抜くために(映画の広告コピー)、やったことと捉えられてもしかたがない。 ところが、そんな固定観念を見事に覆す、市子演じる杉咲花の快演がそこにはあった。 彼女は守られるべきだ。幸せになってほしい。 若葉と森永扮する恋人たちのフイルターを通して、誰もがそう懇願することになる。 連続殺人の容疑者が、普通の生活を手に入れるラブストーリーと錯覚して画面に釘付けになる。 よく言えばほっておけないタイプ、悪く言えば人たらし。そんな見方も入り込んでくる。 はたして市子は悪魔だったのだろうか。 そんな議論も、杉咲の乾いた熱量の前にあっては、いともたやすく宙に浮く。 市子がどうであろうと、杉咲の魔法にかけられて、ただなすがままにじっとしていよう。 ベストな鑑賞はそれに限る。そう実感した。

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ジョー

3.5ただ普通に生きたいと願う市子

2023年12月10日
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悲しい

難しい

なのに普通に生きることが出来ない過去がある。幸せに過ごした時間もあった家庭が壊れ、秘密を隠して生きる。やってしまった事はもちろん悪い事ではありますが、悲しく切ないです。お母さんも市子も疲れきっていたのでしょうね。ありがとうが哀しく響きました。そしてまた罪を重ね、普通に生きるを目指していた市子。普通なら幸せの象徴のようなプロポーズがその生活の終わりを告げるとは又切ない。そして又普通を取り戻すべく重ねる罪。生きるためには人はこうなってしまう可能性がある。無戸籍という社会問題を考えさせられます。杉咲花ちゃんこの作品も素晴らしい表現者でした。大好きな中村ゆりさんが出ていたのも良かったです。

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たつのこ

4.0すべては、生き抜くために

2023年12月10日
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プロポーズした翌日に姿を消した恋人を探すうちに、彼女の想像を絶する壮絶な過去と真実が明らかになっていく。ひとりの女性の切なくも壮絶な人生を描く衝撃作。 観終わった後の、衝撃・やるせなさは長い間胸の奥に残るだろう。 単純な女性失踪ミステリーとして観るか、いや、失踪せざるを得なかった市子の過去をつくった社会の不備に気付くべきか。 ウソはウソでしか隠せない、正直に正しく生きなさい、と言葉で言うほどこの世は優しくないけど、誰にでも長谷川くんのような寄り添ってくれる人はいるはずです。 杉咲花さん、若葉竜也さん、森永悠希さん、宇野祥平さんの素晴らしい演技に吸い込まれます。

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tnk_san

5.0構成も演技も秀逸

2023年12月10日
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泣ける

悲しい

幸せ

まず目を惹くのは時間軸を操る戸田監督の仕組んだ映画構成。これにより、ミステリー要素が増している。またそれを演じる俳優陣、とりわけ杉咲花と森永、若葉の熱量が素晴らしい。全ての俳優陣がこの作品を良くしようという強い思いを感じる映画だった。

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はやまる

4.0残酷な無戸籍者

2023年12月10日
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泣ける

悲しい

難しい

川辺市子は同棲中の恋人・長谷川義則からプロポーズを受けたが、その翌日に姿を消してしまった。長谷川の所に、市子を捜しているという刑事の後藤が現れ、彼女が無戸籍者の可能性が有ると言った。市子の行方を追う長谷川は、昔の友人や幼なじみ、高校時代の同級生など彼女と関わりのあった人々から話を聞くうちに、かつて市子が月子と名乗っていたことを知った。そして、市子の残したバッグの中から1枚の家族写真を発見し、その裏に書かれていた住所を訪れると母が居た。さてどうなる、という話。 DVで夫から逃げてだ時に妊娠がわかったらどうすれば良いのか、300日ルールについて考えさせられた。 無戸籍となり、過酷な境遇に翻弄されてきた市子のような子どもも少なからず存在するのだろう。そんな子どもは学校にも病院にも行けず結婚も出来ない。どうすれば良いのだろうか? 解決策はあるのだろうか?観ながら心が痛くなった。 市子役の杉咲花が素晴らしく、本作でも彼女の演技に感動した。

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りあの

4.5見た目はキュート。でも、心の中に巣喰うものは・・・・

2023年12月9日
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悲しい

怖い

難しい

幸せの絶頂で突然、相方が身を翻すように姿を消す。 残された片方は戸惑い、しかし行方を追う過程で 彼女(または彼の)思わぬ過去が浮かび上がる。 直近ではやや手垢の付いた筋立て。 ただ「思いもよらぬ過去」をどう設定するかで、 まだまだ魅せることができる作品に仕立てられると思い知らされた一本。 勿論、それには主役の『杉咲花』の演技も 大きく影響しているのだが。 忽然と姿を消したのは『川辺市子(杉咲花)』。 三年の同棲のすえ『長谷川義則(若葉竜也)』が プロポーズをした翌日のこと。 その時は涙を流すほど喜んでいたのに、と 翌日は誂えた浴衣を着て(約束であり思い出の)祭りに出かける予定だったのに、と 『義則』は狐につままれた思い。 彼女を探すうちに、警察も同様に『市子』を追っていることを知り、 刑事の『後藤(宇野祥平)』と共に聞き込みを重ねた結果、 浮かび上がるのは彼女の凄惨な過去。 この提示の仕方が頗る巧い。 先ずは、(最近流行りの)パート毎にカギとなる人物の名前を掲示、 関係するエピソードを紡ぐ。 幼少期から始まり、しかしそこで彼女は『月子』を名乗っており、 加えて顔の面影もないことから、当初は頭の整理に混乱。 が、カードが開かれて行くに連れ、 浮かび上がり整理された事実は 日本の法の隙間に落ち、更には行政の網の目からもこぼれた 少女の悲しい半生。 もっとも、長じてからの彼女は、ある種の「ピカレスク」。 その性格が生来のものか、もしくは過酷な体験から醸成されたものかは分からぬが。 また、『義則』にとっては「ファム・ファタール」。 過去を知り、犯してきたことを知っても庇護する気持ちは消えることがなく。 勿論、彼女に入れ込むのは一人だけではなく、 それだけの魔性を体現した『杉咲花』から流れ出すオーラも素晴らしい。 脚本にも唸らされる。 『市子』の普段の癖や遺していったものが、 その後の捜索の痕跡として繋がっていくことの巧みさ。 過剰な説明は排除し、 すぱんすぱんと小気味良くカットを重ねることで 鑑賞者の創造を刺激する造り。 とりわけラストシーン(ファーストシーンでもある)で、 全てを清算した主人公の行く末を エンドロールにかぶせて仄めかす手腕。 舞台の映画化と聞くが、 想定外に秀作。 変に奇をてらわず、ストレートな人間ドラマとして展開したのが奏功とみる。

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ジュン一