「イタリアの宝石」フェラーリ むせるさんの映画レビュー(感想・評価)
イタリアの宝石
イタリアFerrari創始者エンッオ・フェラーリの半生を描いたドキュメンタリー映画。
「エンスー好きな人」向けではなくイタリア人とは?を理解するには最高の映画。
・イタリア人が最も大事にする「哲学」「情熱」が根底にある。
・宗教をとても大事にする
・家族愛(有能なパートナーの本妻と安らぎを求めた愛人と息子)
・最愛の息子を亡くした喪失感
・イタリア当時のお洒落街並み&クルマたち
・お洒落な男女ファッションや食事風景(素朴な田舎料理と必ずワインが出てくる)
・スピード感溢れるレースシーン(振動が良い味出してる)&甲高いV8サウンドに痺れる
・イタリア縦断するレース「ミッレ・ミリア」
・レース中の風景を見て旅行してる感じになる
・イタリア人がフェラーリをどう思っているか?⇒「イタリアの宝石」
・ライバルの「マセラティ」や往年の名ドライバーや各スポンサーが出てニヤリとする
・沿道の観客を巻き込む事故で死傷者を出すシーンはグロいが自動車メーカーのトップ
が現場に足を運ぶシーンは称賛できる。
※「プリウスミサイル」で有名な解りずらいシフトで今なお被害者を生むトヨタ社長
以下首脳陣と設計者はぜひ見て反省してもらいたい!
・艶めかしいグラマラスなボディ&イタリアン・レッドに溜息がでる。
・お約束の官能的なベッドシーンには苦笑い
主演俳優含め目を見張る美男美女、華美である必要はない。
あくまでも元アルファロメオの元レーサー、フェラーリ創業者で設計者(エンジニア)でもある「エンッオ・フェラーリ」の物語(私生活はダメダメだが経営者としては切れ者)
「どこか既視感あるな...」と思ったら「紅の豚」とそっくりだったw
ただ主人公が「女に奥手なポルコ」ではなく「見境のないカーチス」だったのは如何にも女好きなイタリアの伊達男なのは致し方ない。
劇中にオペラやシャンソンが流れるのが流石イタリアらしい全体が纏まった作品だと思った(エンドロールに流れるシャンソンがエンディングの少しモヤモヤした気分を軽くする)
本妻の意地と強い愛人二人の対比がイタリア女性をよく表している。
本妻の数十秒の無言のシーンは往年の名画を観た人には感慨深いモノがある。
文字通り「レースに命を賭ける」男たちと男に振り回される女の物語。
新人レーサーの彼女の身体でサイドに描かれたフェラーリのシンボルがマスコミの写真に隠れ、さり気なく主人公の方に引き寄せて映るようにするシーンがこの映画、エンッオ・フェラーリの「会社が破産しそうになってもレースに総てを捧げた」意地を表している。
さすがモータースポーツ発祥のイタリアの意地をこの映画に見た想いだ。