「ラストの突き放し感」悪は存在しない ヘルスポーンさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストの突き放し感
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冒頭の長回しの森林を見上げるという俯瞰ショットは一旦誰の視点なのかワクワクしながら観ていたが、ラストでそういうことか!も腑に落ちた。
グランピング施設の説明会は住民側も開催側も不快感MAXで、みんな嫌いだわ!と思いました笑
が!!物語の中盤、開催側のタカハシとマユズミの2人のドライブーシーンの会話劇リアリティと面白さで、ドライブが終わる頃にはみんなこの2人のことが好きになっていると思います笑
ラストは衝撃的な展開だが、タカハシの「オレの居場所らここだわ〜!」の安易な台詞を踏まえると、「お前の居場所がここなわけねーだろ!」と自然代表のタクミに拒絶されたのでしょう。
自然代表と言っているが、あくまでも本物の自然の恩恵を受けている存在であって、住民と自然、東京から来た部外者2人と住民、それぞれ悪でもないし正義でもないのだが、交わってはいない一定の距離感を常に感じる。
個人的には村長の「水は低いところに流れる」という水を人間社会の構造に例えた言葉から、タカハシとマユズミがタクミと水を汲みに行く一連の流れが好きでした。笑えるシーンも挟みつつ、マユズミが一生懸命水を運ぶ姿に何故かグッとくるものがあった。
ドライブシーンとうどん屋のシーンさ濱口監督本人的には笑いを狙いに行ったわけではないそうだが、フランス公開時も爆笑だったそう。
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