DOGMAN ドッグマンのレビュー・感想・評価
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もっとバイオレンスかと思った。
さほどのバイオレンスさはなく意外に普通な人とわんちゃんたちのホームアローン的な展開だった。それでもわんちゃん同盟の成り立ちはオリジナルで面白いし独特な世界観。見て損なしな仕上がりだった。
ギャング間抜けすぎ
上映中に一度でも「んなアホな」と思ってしまうと突っ込みどころだらけで観続けられなくなるので信じて没入せざるを得ない、という点でかなり「宗教的」な作品なんじゃないだろうか。どうやら制作者は宗教に対して屈折した心情を持っているようだし「信仰に御用心」というメッセージかも、というのは捻くれすぎかな。
音楽はとてもよかったが「リリー・マルレーン」はドイツ語で歌って欲しかったなあ。
痛み
もうひとつのジョーカーの物語。
自分が一生かけて取り組んでいるのは、この「痛み」。
医学論文の翻訳も、施術も、趣味も。すべて。
「痛み」を中心に人生が回っている。
映画としての出来が悪いわけではないか、痛いので点数低め。
DOG=GOD
これだよこれ!!!マジでこういうのが見たかった!!!「DUNE Part2」で落胆して冷えきっていた心に、ぶっぢ刺さっちゃったよ。。。何も考えずに楽しめる作品でありながら、しっかりとカタルシスもある。見事だった。
いやぁ、映画って面白いなぁ。大金かけるとか豪華なキャスティングにするだとか、そういう要素が一切無くとも、アイデア1本握りしめていれば、観客の一生心に残るものが作れるんだからな〜。「JOKER」にインスパイアされたような作風ではあるけど、何もかもが新鮮で、主人公・ダグラスの悲劇のダークヒーローとしての描きもたまらず、冒頭から引っ張られているかのようにグイグイ引き込まれてしまった。あまりに好きなんだけど、この映画。
レコードの似合う舞台ミュージックと、リュック・ベッソンらしいぶちかましアクション。そして、クルエラも驚きの調教力を持つ主人公の、悲しくも痛快な犯罪ドラマ。全てがパズルのように超絶気持ちよくハマっている。
ケレイブがオスカーレベルの神演技。彼にもこの映画にも、完全に映画の神が味方していた。犬を使った全てのシーンもあまりに最高すぎる。見つけて、走って、かぶりつく!犬は、神から人間に与えられた贈り物。その言い伝えを実体化したのが、この作品。マジもんだよ。
無駄がなく、完璧に磨き上げられたら脚本のおかげで、今年ダントツで終わるのが一瞬に感じた。何回も見たくなる映画って、マジでこういうのなんだよ。アイラブユー。
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの見事な歌声に魅了される!
久し振りのリュック・ベッソン監督作品。
彼が描くフランスアクションなんだな。
“ドッグマン”と呼ばれる女装男の愛と暴力に満ちた切なくも壮絶な人生に生きた半生を描く~
今日は「DOGMAN ドッグマン」の鑑賞です。
この映画、予想を裏切る高評価でしたわ。
前半はダグラス(主人公)が家族からの暴力、虐待に耐え 沢山の犬達と一緒に小屋で隔離生活。普通なら気がオカシクなって死んでそうな環境を生き抜いて、警察に無事に保護される。何とも酷い話。父の放った銃が脊椎を損傷し 歩行や立つことが出来ない車椅子の身体障害者になってしまうのだ。
施設で出会った女性に、シェ-クスピアの戯曲や歌、演技をそして女性のメイクもばっちり教わるのである。元々女装趣味ではなく、生きてゆく為にお金を稼ぐ手段としてそれを遣っているのである。そして犬達との生活を守るために 住む環境も選び身体障害者の一人として自立して生きている。
犬を指示しての大富豪から盗みとかは確かに有ったけども、犬達以外に彼に手を貸す者はいない。完全にダークヒ-ロ-化を作り上げている。
一番驚いたのは、初めてのステ-ジで歌を披露する場面でしょうか。
予想外に素晴らしい歌のステ-ジで 魅了されてしまいます。
そこが素晴らしい所でしょう。
そして 終盤の地元ギャング等の襲撃に対峙し戦う犬と彼。
凄まじい打ち合い、彼のショットガンが炸裂!
この辺りは さすがベッソン監督の作品領域を感じますね。
足が不自由な男の 孤独さ、そして愛。そして彼を慕う犬達。
総てを告白した彼に 神(GOD ⇒ひっくり返ってDOG)の
許しは訪れるのであろうか。
必死に教会屋根上の十字架影を自分の足で目指し歩こうとする彼。
そこに 今までも、これからも自由に生きて行こうとする
彼の本心が伺える。
ご興味ある方は
劇場へどうぞ!
ドッグマンになるまでの切ない物語
予告編観ると犬を使ってどんどん悪者をやっつけるダークヒーローの映画みたいだけど…
内容は「なぜ彼はドッグマンになったのか?」という、ドッグマンの人生の話でした。
美しい映像、良い選曲、独特の雰囲気は流石リュック・ベッソン!
切ない映画でした。
リュックベッソンの最高傑作だと思う。
このところ制作総指揮とか名ばかりでパッとしなかったリュックベッソン。
彼の映画をある程度観てる方なら彼の癖や色づかい、カメラワークやストーリー構成をある程度理解してるから、今回の作品はその彼らしさが円熟みがかかり最近の映画にない心地良さを感じた。
話の軸は宗教的でDOGとGOD。
それに守られて生きた男の半生。
犬の存在は確かにそうだ、唯一の欠点は人間を信じてしまうこと。
登場人物達のベタな演出も含め背景を説明しなくても伝わるのはベッソンの良さ。ストーリーもテンポ良く、トントンと漫画をペラペラとめくる様に進んでいく。
初めて彼の映画を観る人には「なわけない」感が鼻に付くかもしれないが、古参からするとそれさえ彼の世界観で帰ってきたなぁと思ってしまった。
話のレイヤーや古典的な仕掛けは教科書ともいえる。
あと主人公の演技が巧い。手の震えとか目の使い方。しびれました。
変なオシャレさや見栄も抜けて本当に伝えたいことを正面からエンタメしてくれる良作です。
家族で観ても良し、恋人や友達と見ても良し。
その後の感想も意見も別れず盛り上がれるでしょう。
なんだかんだリュックベッソンって偉大なアーティストだな。
好みは分かれるでしょうが、私は大好きなタイプ
おっ、リュック・ベッソン復活か!のダーク・ファンタジー秀作の誕生です。ズバリ、ホアキン・フェニックスの「ジョーカー」と表裏一体の様相です。ホアキンがそうであったように、本作も主演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズの圧巻演技によって支えられている。米国公開が日本より遅く今年の3月下旬だそうで、2023年作品に入らず年明けからの映画賞がらみで取り上げられることはなく来年までお預けですが、そう書いて憚れない圧倒的な魅力に満ちている。これをオリジナルで創作したベッソンが、だから凄いのです。
一世を風靡したと言って間違いないでしょうフランスの俊英監督リュック・ベッソン。「サブウェイ」(1984)、「グラン・ブルー」(1988)で颯爽と登場したフレンチ色男。「ニキータ」(1990)、「レオン」(1994)、「フィフス・エレメント」(1997)等で早くも頂点に達し、製作会社ヨーロッパ・コープまで設立し、フレンチ・ハリウッド帝国の勢いでした。制作が多く直接の監督作も少な目になりつつありましたが、「LUCY/ルーシー」(2014)そして「ANNA/アナ」(2019)と相変わらずの女性賛歌作品に続いての本作です。ジャン=ジャック・ベネックスそしてレオス・カラックスと同時期に登場したものの、作家性は抑えめのエンタテイメント路線まっしぐら、その多くが英語作品であるように世界マーケットを徹底的に意識している優秀な商売人でもありますね。
上に記した諸作がそうであるように、彼にリアリズムは興味なく、フィクションの中にこそ真実を託すタイプでしょう。だから、そんな多くの犬がそこまでやるの? の現実より、颯爽と走り回り主人公ダグラスのプライベート軍団のように振る舞う映像美を描き、ダグラスと犬との精神性に希望を託す。五歳児を犬小屋に四年間も閉じ込めたクソ父親がいた、なんて現実のニュースを基に創り上げたとかで、狂信者の被害者に寄り添うベッソンの温かさが、私は好きですね。ヒスパニック系の悪役ギャング達が絵にかいたようなステレオタイプなのもシンプルな対立構図で分かり易い。
この壮絶ストーリーを引き出すのが、警察側の女性精神科医に課した設定。悲惨な過去をダグラスに語らせ、守秘義務を超えた殺人告白までも導き出す。聞き上手な手法で過去完了として描くことにより、悲惨話にワンクッションが挟まり観客に受け入れやすい作劇が功を奏している。もし、時系列で少年時代から描いてたら、壮絶過ぎで耐え難い。今は肌艶もよく優雅にタバコを吸いながらの現在の姿を見せているから、安堵出来るわけ。ただ、彼女の側の逼迫状況とのリンクまでは旨く行ってません、残念ですが。
IN THE NAME OF GOD と示されるとおり、キリスト教的救いをファンタジーに染み込ませ、ラストはキリストに似せるまでをも描く。こんな狂信者が信仰熱いともてはやされ、トランプを応援するのでしょうね。GODの垂れ幕を裏から見ればDOGとは、よくぞ見つけた秀逸描写です。施設に入った少年に夢と希望を与える年上女性とのエピソードは胸を締め付け、本作の白眉のシークエンスとなっている。
もうひとつ「ジョーカー」がそうであったように、本作も流される歌曲が見事な効果を上げ、琴線に染みてくるのです。母親の好きだったレコードから、数多の求職活動に存在すら否定されかねないどん底で出会ったドラッグ・クイーン達の助けを借りての、シャンソンの数々が素晴らしい。ピアフからディートリッヒの哀愁が彼のシチュエーションと重なる名場面に成し得た。ただ、どう聞いてもオリジナルの声のようで、主演のケイレブの声と思えないのが惜しい、間違ってたら御免なさい。
何故見え透いた強盗を犬にやらせるとか、殺人にまで手を出さなくとも、と思われるかも知れませんが、それではベッソン流の画にならないでしょ。理屈で動くタイプじゃないのですから。彼はまだ64歳、今後も期待しましょう。
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの演技がいい。 犬たちも名演。
ダークヒーローもののような宣伝の仕方ですが、そんなフォーマットにははまらない。
悲惨な少年期、暴力親父と兄の最低な扱いに胸が痛む。
人に虐げられながらも、犬たちの純粋で忠実な愛に助けられて生き延びてきた。
確かに、リュック・ベッソン版、犬版の「ジョーカー」のようではある。
主演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズの演技がいい。
犬たちも名演。
(ごめんなさい。以下、大事なことを思い出して追記します。☆0.5追加します。3.5→4.0)
主人公が歌うピアフの『水に流して』に感動。
キャバレーでは同じくピアフの「群衆」が披露されて驚き、
終盤の「水に流して」が特に素晴らしかった!
クリストファー・ノーランの映画「インセプション」でもたびたび流れる名曲です。
大竹しのぶ主演の舞台「ピアフ」(最前列で観た!)でも、聴いて大感動でした。
他にも歌の使い方が秀逸です。
但し、映画の音楽を担当したエリック・セラの曲は、他の歌のインパクトが強烈なこともあって、全く印象に残ってません。
「007ゴールデンアイ」も担当されたのですが、そちらも全く記憶に残りませんでした。
リュックベッソン監督
観る前は「レオン」のような作品をイメージしていました。が、みてみたらレオンとは少し違いました。
じゃあ面白くないのかと言われるとそんなことはなく、映画としてとても面白かったです。
事前情報でバイオレンスアクションや、ダークヒーローと書いてありましたが、アクション要素はそこまでなかったのが少し残念でした。
ワンちゃんたちの名演!何か賞をあげて!
ダークな予告、リュック・ベッソン監督作ということに惹かれて、公開2日目に鑑賞してきました。この日の4本目の鑑賞で、しかも最終上映回だったので寝落ちを心配しましたが、全くの杞憂で最後まで目が離せませんでした。
ストーリーは、ある夜、女装して運転するトラックの荷台に多くの犬を載せていた男・ダグラスが、検問で止められて身柄を拘束され、彼から話を聞き出すために呼ばれた精神科医エヴリンに対し、親から虐待を受け、犬に育てられたという壮絶な過去を話し始めるというもの。
本作はその大半が、ダグラスが語る自身の半生として描かれます。そして、その壮絶な物語に心を握りつぶされそうになります。無慈悲な父から虐待を受け、父の顔色をうかがう兄にひどい仕打ちをされ、頼みの母は守ってくれないどころか、自分を置き去りにしていきます。愛を注いでくれるのは周囲の犬たちだけ。この悲惨な体験が、後のドッグマンの原点になっていきます。
こんな過去をもちながらもダグラスが道をそれずに成長できたのは、神への信仰とサルマの存在のおかげでしょう。しかし、神は自由の代わりに足を奪い、それはその後ずっと重くのしかかり、彼を苦しめ続けます。闇の中から自分を救い出し、心の拠り所であったサルマに対しても、結局その思いは届きません。その後、誠実に務めた犬の保護施設も閉鎖されるに至り、自身に残されたものは犬たちだけだと悟ったのでしょう。行き場を失ったダグラスの思いは、愛する犬たちと虚像の中に見出した自分へと注がれます。
街のゴロツキを懲らしめ、富裕層の富を盗むダグラスの姿に、神の加護に疑問を呈し、自身の理屈と信念で事態を乗り切ろうとする強さを感じます。虚像の中に真実を見たダグラスは、「GOD」を鏡に映した「DOG」の中に本当の“神”を見出そうとしたのかもしれません。ラストシーンで、自身の足で歩き、十字架の影に倒れるダグラス。その姿は、神にはもうすがらないという決別と、犬とともに自身の力で生きるという決意の表れでしょうか。それとも、エヴリンにすべてを語ることで忌まわしい過去を断ち切った、新たなダグラスの誕生でしょうか。観る者によってさまざまな解釈ができそうな印象的なシーンです。
主演はケイレブ・ランドリー・ジョーンズで、彼の怪演が本作の大きな見どころの一つとなっています。脇を固めるのは、ジョージョー・T・ギッブス、クリストファー・デナム、グレース・パルマら。そしてなんといっても、数々の名演を披露したワンちゃんたち。これがCGじゃなくて実写なら、何か賞をあげてほしいです。
88点 なぜドッグマンと言われたのか?
とにかく凄かった!主人公の表情や演技が素晴らしかった。思わず「こりゃすげぇや」と思いましたね。追加で主人公が子供時代を演じた子もすげぇや…
犬も主人公に慣れていていやほんと犬って頭いいしほんとに人間の言葉が分かるんじゃないかと思わせますね。
ドッグマンの子供時代から今現在までを振り返るそんなストーリー。もう展開に1つ捻りが欲しかったがまあうん。
なぜドッグマンと言われているのか、なぜ主人公は女装しているのか、アイデンティティを覗くようなそんな映画です。
最後はなにかジョーカーみたいな衣装だったので少しゾッもした。
犬たち最高。
ダグラスの生きる執念も凄いし犬たちが素晴らしい。助演アニマル賞あげたい。クライマックスはまるでホームアローン。ダグラス最後は天に召されたのか?再逮捕されのか?あるいは逃げたのか?気になるところ。
ダグラスはジョーカーとは違う、そう、ダークヒーローなんかじゃなく、ただの人間なんだ。
人生は自分で切り開くものと他人は、大人は言うけれど、出自や環境がそうさせないことは少なくない。そんなとき頼れる友や大人が居てくれたら転落しないで済んだのにと思うことも少なくない。ダグラスの不幸は犬しか助けてくれなかったこと?いや、彼ら等彼女等は人間以上に本音でダグラスに寄り添ってくれた。彼はそんな者たちに見送られ旅立ったのだから、何より幸せだったのかもしれない。だけどこの世の不条理は枚挙にいとまがなくいつもながらやるせない。
振り切り方がもう少し。
リュック・ベッソン監督作品を劇場鑑賞するのは多分「フィフス・エレメント」以来で本当に久々。
犬小屋に数年間閉じ込められて育ったことから犬と友達になり、自在に意思疎通ができるようになった男ダグ(ドッグのダジャレ?)の半生を描いた話。
正直な感想としてはファンタジーなのかバイオレンスなのかどちらにも振り切れず中途半端な印象。
クライマックスのバトルシーンも本人の動きが少ない分、犬たちの活躍や仕掛け罠など他の作品との差別化は見られたがいかんせん地味さは否めず、さらに女装も必然性が感じられず一風変わったキャラ作りの一つの手段としか思えなかった。
何よりも主人公は立てないと言ってたのに少し歩けたりと本当に中途半端な感じしかしなかった。
ただベッソンが昔から終始一貫して描きたかった誰からも愛さず孤独で救われないヒーロー/ヒロインのフォーマットにはしっかりとはまっており、「サブウェイ」以来のファンからするとホッとさせてくれたという側面もあり嬉しかった。
ダグのエディット・ピアフを歌うシーンはわかってても圧巻で見せ場の一つ。(本人じゃないと思いますが)
個人的にはダグが初めてキャバレーに入ってきた時にダンサーがステージで踊っていた曲がユーリズミックスの sweet dreamsだったことがただ嬉しかった。
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