「犬は神の象徴」DOGMAN ドッグマン kozukaさんの映画レビュー(感想・評価)
犬は神の象徴
近年プロデュース作が多いリュック・ベッソン4年ぶりの監督作。
実際にあった子供の虐待監禁事件から着想を得たという、犬と家族のように生き、数奇な運命を辿る孤独な男の物語。
警察の検問で一台のトラックが止められると、女装で血だらけの男と荷台に沢山の犬が見つかる。
この男、ダグラス(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)が鑑定を任された精神科医の女性に波乱の人生を語りだす・・
女装の謎、なぜ血だらけなのか、複数の犬は、その謎が回想シーンとして明かされていく。
そして何故この精神科医に全てを話そうと思ったのか。
児童虐待が本質的な映画のテーマだろう。
ダグラスは闘犬を営む精神異常の父親と兄に犬の檻に監禁される。
この事件の後遺症で両足が不自由でほぼ車椅子生活。その不自由さを補っているのは一心同体の犬たちだ。
犬達がギャング達を懲らしめたり、資産家から宝飾品を盗んだりするシーンはエンターティメントして痛快。
リュック・ベッソン監督は暗く思いテーマとエンタメのバランス感覚が絶妙。
ダグラスの犬への愛情は人間と関われなかった代償なのだろうか。
ドラマとしてはそう見えるが、犬達の行いはGODの行いなのだろう。
ラストシーンはその象徴に見える。
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの変幻自在の演技がこの映画を支えている。
そして、同じくらいの比率で犬達のアクションシーンが素晴らしい。
これは撮影と編集によるところが大きいと思うが、ダグラスに寄り添う犬の名演も見逃せない。
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