「主演のCLジョーンズは本物ミュージシャンでもあった」DOGMAN ドッグマン imaxmaxさんの映画レビュー(感想・評価)
主演のCLジョーンズは本物ミュージシャンでもあった
ポスターのデザインからもっと怪奇的な作品かと思っていたが、いい意味で裏切ってくれた。それでも十分怪奇であるが。
主人公ダグラスは少年時代から虐待され犬小屋で生活していた不幸な人ではあるが、幸せな日々もあったはず。
演劇の楽しさを教えくれたサルマ。しかしサルマにも夢がある。舞台女優での成功と結婚。しかし結婚を知って自暴自棄になってしまう。ここで絶望せず生きる勇気を持っていたら…。
ショーパブの人たちも優しく迎え入れてくれた。しかし週1の出演では足りず金の為犯罪の道に進む。あの素晴らしい歌声。もっと出番が増やせたら…。立って歌う以外に大きな負担があったのか?
ラスト20分はビックリのアクションシーン。この映画は全編に言えることだが、影の主役は間違いなく犬たち。"MICKEY" "DOORMAN" "GORGEOUS" "BESSONS'S DOG" "POLLY" "MOBY" パンフレットに記載されていたお犬様たち。
ショーパブの人も、話を聞いたエヴリンも、自身の立場わかるから、他人のつらい立場を理解できるし、そして寄り添える。しかしダグラスはそれを活かせなかった。
キリストの十字架とは意味は違うかもしれないが、影を十字架に見立て自らで贖罪する事しか出来なかったのか。
…………
鑑賞後、しばらく放心状態になった。
先日観た「52ヘルツのクジラたち」もそうであったが、自分はつらい立場の人にも少しでも理解し寄り添う事ができるのか?色々考えを巡らせる映画となった。
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