「犬たちの慟哭」DOGMAN ドッグマン レントさんの映画レビュー(感想・評価)
犬たちの慟哭
かつてペットとしてもてはやされた犬たち、人間の都合や気まぐれで捨てられ、かろうじて善意ある活動によりシェルターに拾われた彼らと心を通わす一人の男。
彼もまた親に捨てられ虐待されて壮絶なる不幸な人生を送ってきた。そんな男と犬たちの社会に対する悲しい復讐劇。
行き過ぎた資本主義社会では格差は固定化されてその差はどんどん大きくなるばかりだ。富裕層への税制優遇がそれに拍車をかけてきた。作られた格差社会では貧困層はもはや自力ではそこから抜け出せない。犬たちを使って富裕層から金品を盗みだすところは単純に胸がすく思いがした。犯罪なのはわかっている。しかし巨悪は野放し、法を作る政治家は所詮は富裕層とグルなのだ。富裕層と政治家が作り上げた格差社会の中でダグラスたちが行うのはそんな社会に対するささやかな抵抗だった。
犬使いのドッグマンと呼ばれた男、捨てられた犬たちがたどる運命のごとく彼は死へ向かって歩き出すしか道はなかったのだろうか。
犬たちの慟哭がこの社会に響き渡る。
こんにちは
私もあのあとワンたちがどうなるのか心配でした。
一家の大黒柱が倒れたら誰が彼らを養うのか
ダグが保護していたのは、ほぼ「愛玩犬」もとは飼われていたのが明白で、ヒトの都合で捨てられたのが確実で。ダグも犬たちも自分にはいかんともしがたい親ガチャ、飼い主ガチャにはずれて過酷な生き方を強いられ、助け合って生きてきたんですよね
ちょうどレントさんの「市子」レビュー拝読後、同じようにダグラスのことを考えました。与えられ逃れられない劣悪な環境を生きていくことは壮絶な覚悟のもとだという事。
昨夜、某番組である国の歴史を観ていましたが、繰り返されれる闇の威力、破壊力、こどもへの影響は単位は違えど一緒だと。平和に麻痺しがちですが、置き換える想像力を忘れずに生きなくてはと感じます。
市子も、ダグラスも、戦争もたくさんですね。
私も犬好きなので、色々な意味で目を細めて観ることになりました。
ダグラスの彼らとの愛情と信頼の絆を考えると、捕まったあとのラヴリンへの告白後のあのラストは、ダグラスの懺悔であり彼らへの究極の救済のためであったような気がしてなりません。
残されたイヌたちは死ヘ向かうしかないのか? あの小さなビーグルみたいなマッドマックス? が統率して・・でも現実、狩られるしか。独立国の王が死に、国が崩壊するようですね。
レントさん、本当にそうですね。犬でも猫でも本当に可愛がり愛している人、家族はたくさんいます。でも映画のようなシェルターを見ると、モノとして扱われていることに怒りと悲しみを覚えます。
特に犬が好きなこともあり、この映画の彼らの目にやられました
ドイツも犬の学校あるんですが、フランスもあるんですね。この映画の犬たちはレベル高く演技教育されてすごい!インストラクターもすごい!と思いました
犬たちに共感しまくりました。あんなに可愛い、嫌な言い方だけれど高級な犬達が捨てられる!悲しい。ヨーロッパで夏のバカンスに連れて行けない(行けないってなんだ!)から犬を捨てていく人が多いと聞いてガクッときました。よくわからないのですが、ヨーロッパほど長期バカンスとれない日本の方が犬に優しいと思います!