「マッツ・ミケルセンの圧倒的な魅力全開!」愛を耕すひと ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
マッツ・ミケルセンの圧倒的な魅力全開!
マッツ・ミケルセンあっての作品だといって過言ではないと思う。
これが彼の代表作にもなったのではないか。
退役軍人ケーレン(マッツ・ミケルセン)が
貴族の称号をかけて荒野の開拓をするというのがストーリーの軸。
最初はひとりだったが、アン・バーバラ(アマンダ・コリン)やアンマイ・ムス(メリナ・ハグバーグ)と出会い
もはや家族と言って良い関係になりながら、一緒にジャガイモ🥔を栽培する。
この関係性ができあがるまでが、実に複雑で時間をかけながらでありながら、実に納得性もあり深いなあと思った。
それを邪魔するシンケル(シモン・ベンネビヤーグ)が、これがまた絵に描いたような悪役で
あの手この手で執拗にケーレンの邪魔をするわけだが、
虫唾が走るくらいクソなヤツで、誰しもケーレンに感情移入していくつくりになっている。
そのくらいシンケルの悪役キャラが立っていると言えよう。
後半は怒涛の展開で、ケーレンを助けるために、アン・バーバラが命をかけてシンケルを殺害するシーンは
衝撃的だった。もはやシリアルキラーばりの流血である。
そういう意味でも、本作はいろんなジャンルを取り入れたエンターテインメントとしても申し分ない面白さだ。
ケーレンは当初の目標を達成し、成功したとおもいきや、爵位を剥奪され、王の家を追われるのだが、
ラストはコペンハーゲンに移送中のアン・バーバラを救い、一緒に海辺に向かう。
そこは、アン・バーバラが住みたいと言っていた海の近くなのだ。
結局、ケーレンが得たものはアン・バーバラとの愛情であり、
それゆえ邦題が『愛を耕すひと』なのだろう。彼が耕したのは荒地のみならず人の愛情なのだ。
アンマイ・ムスも同族の男が迎えにきて去ってしまうが、そういう愛情を持てる人物に育てたのもケーレンである。
映像の質感と音響が非常にマッチしており、また、マッツ・ミケルセンやアマンダ・コリンのビジュアルも美麗で
実に見応えのある作品となっている。
パンフレットは1,650円と少々高めだが、超美麗写真集としての価値もあり、お買い得。
ぜひ手にとってみていただきたい。
実にマッツ・ミケルセンが魅力的な作品であった。
ラストの描写も好き。