オッペンハイマーのレビュー・感想・評価
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複雑ですが、見やすく作る
圧倒的画力と音楽、セリフからくる情報量に圧倒された180分でした。
テーマがテーマなので180分激重ストーリーを見せられるのかと思いましたが、全編にわたって音楽が一定でながれているので、気落ちせず楽しく見られるエンタテインメント作品にもなっていた。
また、話の内容も複雑に見えて、最終的には裁判の中でオッペンハイマーが勝ち、ロバートダウニーJrが負ける、というシンプル法定劇としてみれるのでまあ見やすい(法的劇内の時間はずれているが)
複雑な話も、独特な手法を用いつつ分かりやすく描けているのはさすがノーランの大衆映画といったかんじ。
圧巻はやはり中盤の核実験のシーンですよね。本物の爆発を使用していたとのことですが、やはり撮影用ということもあり原子爆弾のキノコ雲ほどとはいきませんが、ため、ため、ため、からのゴーーーーーで心臓が一回転しました。いやあ、これをみることができただけでも見に行けよかったです
勉強になりましたありがとうございます
物理学者が原爆研究に苦悩する話。
事実に基づく作品なので
淡々と進むストーリーなのは分かってましたが
原爆投下後の話であったり
対立するロバート・ダウニー・Jr側の視点も
描かれており今まで自分が知らなかったことを
知れてよかったです。
2人の対立をカラーと白黒で描くのは
ノーランぽいなと思いました。
ただ、時系列はばらばらで
年数がはっきり分からない部分もあり、
途中登場人物の老け具合で時系列判断しました。笑
彼を取り巻く環境が複雑すぎて、
彼の苦悩は想像以上でした。
人間ドラマとしては素晴らしい作品だと思いました。
にしてもキャスト豪華すぎ!
それだけで見る価値のある作品だと思います。
余談ですがオーストラリアのNetflixで観たので
英語字幕しかなく、セリフ、キャラ多すぎて
しんどかったです。
映画館で観てほしい
池袋グランドシネマIMAXにて鑑賞。
何から話せばいいのか、、たっぷりどっしりの3時間でした。
原爆という、言葉そのものがネガティブなイメージであるのにそこに引っ張られず、あくまでオッペンハイマーの主観、作り上げた科学者視点を貫いた映画となっていました。
映画を鑑賞する際、先入観を持たないよう前知識をあまり入れずに観ることが多いのですが、この映画は時代背景だけでも知っておけばよかったかなと思いました。
まずまず、怖い!!!本当に怖かった、、、。
1人では本当に辛かったかもしれない。それは観終わった後に感想を共有する相手が欲しい!という意味でも誰かと行くのをおすすめしたいです。
IMAXはすっごく音の振動がくる!!!
もう五感に響く恐怖がやってきました、、。
どなたかのレビューに、原爆の表現は弱かった、が、他国が思う原爆や核に対する考えを知ることができた、とありました。
原爆と関わりの深い日本に生まれて、小さい頃から戦争について学び、長崎や広島は修学旅行先でもよく選ばれます。
確かに、本物の核爆発はあんなものではないと思いますし、原爆投下後の被害は全く映されておらず、日本の被害が無かったかのようにも思います。
しかし、原爆に対して使用した国と、使用された国とでの捉え方はこんなものだろうと感じました。
対岸の火事です。(もうそんな規模ではないが)
これは原爆、戦争の話ではなく、あくまでもオッペンハイマーの物語でした。
そこが崩れなかったところが、私のように鑑賞後悶々と映画について考え、鑑賞後考察を見まくるのような、一回で終わらない映画であったと思います。
映画に対していろんな意見があると思いますが、どんな感想を持っても、みんなが「原爆」「戦争」「核」について関心を持ち、意見を交わし合うことにこの映画の意味を感じました。
広島や長崎の地名を知っている外国人はどのくらいいるのでしょうか?悲惨さは映されていなくとも、この映画をきっかけに耳に入るだけで原爆について知る大きな一歩だと思いました。
原爆に関する歴史があり、それを後世の私たちがどう感じるか?にノーラン監督は託して、反戦の気持ちを込めたと受け取りました。
祝賀会にて皮がめくれた女性を自分の娘にしたこと、人型の炭をオッペンハイマーに踏ませたこと、ここにぎゅっと原爆に対する悲しみ、苦しみを込めたんじゃないかなと思いました。
祝賀会で、本当にこれはみんな喜んでるの?と感じました。祝いの会なのにどんどん不安がつのっていく映像に(足音でつくる拍手のような音や、誰かが泣いていたり、吐いていたりなど)混乱しました。
これはオッペンハイマーが後悔や、自分に対する非難、原爆完成を道徳的に過ちだったと感じているシーンと聞きました。
原爆完成後、原爆の1000倍の威力がある水爆も続いて完成され、各国が保有するようになりました。
世界はいつでも自分たちで終わらされるものとなりました。
恐怖は映画の中だけでなく、それが今も続いていることにあります。
オッペンハイマーが原爆を作らずとも、遅かれ早かれこの現実になっていたのではとも思いますが。
知ることは怖いことだけど、1人でも多く核について知り、オッペンハイマーやアインシュタインが恐れていた未来にしないこと、それを繋げていくことが私たちの使命かなと感じます。
映画館でしっかり3時間観て、考えて欲しいという意味で、おすすめの映画となりました。
あーーーー言語化難しい!!!!自分の能力が!!
みなさんのレビュー素晴らしすぎる!!!!!
え、ちっちゃくね?
社会的制裁と向き合う科学者の苦悩
彼自身の科学者としての探究心、そして何よりオッペンハイマーとも交流を持っていた優秀な科学者を多く抱えるナチスドイツよりも早く核実験を成功させなければならないというプレッシャーがオッペンハイマーを嫌でも駆り立てる。
けれど、結果的にはナチスドイツは降伏し、後は破滅的な状況ながら降伏する気配のない日本のみ。
米国兵を守るため、という大義名分の基に一度猛烈な勢いで走り出し始めてしまった核開発という名の列車は止めることはできない。
そして、否応なく巻き込まれる利権争い。
前半部分が締めへの伏線になっており、気を抜いて観てはいけないので注意。
今作に於いてポップコーンを食べながら鑑賞する人にイラつく
恐ろしい物を作って色んな意味で後悔した人の話
オッペンハイマー博士は理論の人で実践は苦手な人です。
ですが天才なので一般人には理解出来ないことを理解出来る特殊能力を持ち、人を説得、やり込める能力も持ち合わせています。天才は常識や倫理観など持ち合わせていません(笑)
そんな彼は数式を見るだけで何が起こるのかが解ります。音楽家が楽譜を読まないで聴いただけで演奏を再演出来るように。
彼には原子爆弾、アトミックボムがどういう結末を招くかをマンハッタン計画が始まった時点で理解していたのです。
本来研究が先行していたと見られていたナチスドイツが降伏した時点で造らなくて良かったと彼も了解していたが、ソ連がそのうち作ってしまうのなら先に造ってしまえと流されてしまいます。
アインシュタインに数式を持って相談に行く場面が最初にあります。
この場面がハイライトだったと思います。
この作品はオッペンハイマーの核開発を描いていると同時に彼と彼を取り巻く人々のサスペンス劇とも言えます。
オッペンハイマー博士は自分の立ち位置を理解した人ではない為率直な意見を言いがちのようであらぬ敵を作ってしまいます。原爆開発はやり遂げますが、水爆は拒みます。これが原因で敵を作ってしまいます。彼は天才で常識人ではありませんが悪魔にはなれなかったし、なりたくなかったんですね。
倫理観は持ち合わせてませんでしたが理性はあったのです。
出演者は豪華、何処で見た人、映画に詳しくない人でも分かる俳優が出演しています。必見の価値ある作品です。
公開後に被爆国である日本、広島、長崎に配慮が無いと意見がありましたが、そんなことはないと思います。
劇中に広島長崎の名は頻繁に台詞に出てきますから。
あと原子爆弾の爆破テストをCGでやらなかったのが失敗とする意見も散見されますが、この作品の主題は核爆弾の開発、プロジェクトX的なものより群像劇、サスペンス劇によせた物ですからそこは重要ではないと思います。
劇中のオッペンハイマーも爆発威力よりもキチンと爆発するかを心配していました。威力は彼に初めから分かっていたのですし。
オッペンハイマーがアインシュタインに数式を見せた時にアインシュタインが言ったようにドイツの科学者と共有して、核開発をお互いに行わなければ原爆、水爆は無かったかと言えばそうではないと思います。
愚かな人類は誰かが同じ物を作ったでしょうね。
それがオッペンハイマー博士だったというだけでしょうね。
あとR15指定なのは観れば分かります(笑)
「原爆の被害云々」という批判は的外れ
カ◯ティス◯ルメイに勲章を送っている。
「策士でなければ、この国(ワシントン?)では生き残れない」と言う台詞。
ここまで、臭い台詞を言わせて、水爆の製造に反対する議員がJFKとは、僕はこの映画にこそ!策士と言いたい。更に、
元副大統領が「日本人はそれを作った者よりも、それを使った者を恨むだろ」なんて、稚拙過ぎる台詞♥
この計画がなぜ極秘だったか?
つまり、仮想敵国はこの段階では日本。日本に知れては困るのだ。では、なぜ知られては困るか?
投下する前に「降伏」されては最終的成果が得られないからなのだ。
「ドイツ」「ソ連」には使うつもりなど最初からない。日本へ落すのは最初から決まっていた。この映画から、それがよく分かる。アイゼンハワーの名を出すが、ドイツ系アメリカ人なのは誰でも知っている。また、フォードもドイツ系(?)で、親ナチス。若しくは、反ユダヤ主義(?)だ
民主党主導のアメリカ合衆国が、「自由と民主主義を守る為の行為」として「正当化して来た経緯」がよく分かる。ルーズベルトは何も知らなくて、後を継いだ間抜けな大統領が平然と愚行を冒した。
さて、東京大空襲(原爆以上の10万人を一夜)の爆撃の計画を練ったカーティス◯ルメ◯に勲章を送っている。
あの間抜けな大統領よりも我々はもっと空気が読めていないのかもしれない。
ネタバレあり
最後の場面を見て、
追記
原子爆弾、水素爆弾の問題では無い。それを利用したエネルギー政策に一石を投じている様に僕は感じた。
この当時のアメリカ合衆国を描いている様だが、黒人が1人だけ手てくる。史実かどうか理解し難いが、なんかわざとらしい。
追記
オッペンハイマーさんの山高帽。
どっかの国の誰かに似ているのが、何か狙いがあるのかなぁ?まさかね。
使い捨ての英雄になるまで
恐怖をみせつけ相手を降伏させ平和を守るという大義のもと、政府の計画の主役になった天才の頭脳。
そして日本への原爆投下を遂げアメリカの英雄となるオッペンハイマーはその一方で成功の罪に苛まれていく。
幻想シーンは自分自身を追い詰める様子が見事に表現されており彼の苦悩の程がよくわかり苦しい。
いや、罪なき命を一瞬にして奪う兵器の開発をすすめてしまった報いならばそれは甘いくらいなのかも知れない。
なぜなら現地には比べようもないくらいの地獄が広がっていたのだから。
しかし、彼がどんなに悔やもうがその危険を止めるボタンはすでに手元にはない。
これが一番の恐怖なのは、世界の現在、未来に続く〝脅威〟だからだ。
英雄を賞賛する関係者や民衆が喜ぶシーンのおぞましさを味わうのはそのことを知っている私達ならではだろう。
鑑賞後、レビューを書くにも気持ちが前を向かずにいるなか、オッピー、オッピーと歓喜と感動に浸る人々の笑顔が瞼の奥にこびりつく。ダンダンダンと賞賛をあらわす重い音が耳のなかでリフレインする。自己中心性と想像の欠落した熱いコールのうねりが人間によって迎えるこの星の終焉の可能性を告げていることに震えるのだ。
そして物語が進む中、そこに至るものがみえてくるとさらに唖然とする。
より強く、より速く相手を凌ぐために〝陰にとどまる権力〟の陰謀に包囲された使い捨ての英雄オッペンハイマー。
本質を見抜く目が茫然と自分から去ったあの時、水面に歪む自分と背後の世界にとりかえしのつかない未来が渦巻いたのを彼はみたのだろう。
答えを出された蒼白の顔を思い出しては考える。
人種や思想の差別、国同士の権力争い、とまらない確執…次の開発に反対した彼の人間性をそこに垣間見れたものの時既におそし。
悪意を帯びて転がっていく悲劇の過去から人はなにを学んだのか。果たしてここからの希望をどうつなげていけばいいのだろうか。でも諦めたら最後だ。もはや瓶のなかの蠍が2匹だけではないことをわかっていても。
修正済み
人間ドラマ、科学へのワクワク感がいい ラスト一時間、メッセージ詰ま...
アメリカ本位
成功した実験でやめておけば良かった。
日本人なら皆そう考えるだろう。
科学者初め携わった人々皆の
成功感達成感満足感を満たす必要はあったか。
元々政治が絡む。
実験製作に着手したのも国家や軍からの要請である。
戦時下でありこの世界大戦は、
ヒトラーを皆の敵としてナチスよりも先に、と
つくり始めた、らしいが。
ドイツ近隣でなくともユダヤ人として人ごと
でなく捉えていた人々も多かっただろう。
と言っていたにもかかわらず、
ヒトラー亡き後、
中断されるどころか、
標的が日本に移ってしまった。
やはりどこかに落とさないと気がすまない、のだ。
そして、白人には落としたくないのだ。
実験だけでは
世界に知らしめることができない、
アメリカが君臨する為には、
落とすべきと至ったのだろう。
戦争終結?違うだろう。
もちろん、当時の日本陸軍等も非難されて
当然ではある。
が、しかし、となる。
びっくりしたことに、オッペンハイマーが
ソ連のスパイだと⁉️
どこをどうすればそうなるのか。
つくづく人とは恐ろしいもの、だと思った。
女と見ればすぐ手を出す節操の無さと
自身の量子力学を思う存分研究し
できれば形として表したい科学者特有の
願いを持つだけの男だ。
結局ストローズに嵌められていた。
ストローズいやらしい人間だが、
こうしないと生きられないのか。
周りにたくさんいるかも。
いくら科学の産物といえど、戦争の兵器と
なれば別物だ。
憎い日本やドイツに落としたとして、
被害を受けるのは、兵士よりも民間人。
女性や子供や高齢者が大半となる。
これまでのアメリカの中東への爆撃を見ても
同じことをしている。
核爆弾か爆弾か、大規模か小規模か、の違い。
アメリカは敵なら関係ない人々を殺すことなど、
何も感じないようにとれる。
ましてや戦時下なら日本の犠牲者のことなど、
意に介さないだろう。
オッペンハイマーが協力者に演説した時や
トルーマン大統領にけなされた時に、
原爆の犠牲者の被爆の有り様を目の当たりに
見てしまったり
黒焦げの子供の遺体を足で踏んでしまったような
幻覚を見たようにしたりして
被爆の現実を表しただけ
マシかと思った。
物理学賞受け取ったが、やっと
名誉回復を成し遂げたか。
2回目
監督は、原爆の惨たらしさをわかっていたが、🇺🇸では主張しにくいと考えたのだろう。
🇺🇸人監督ならどんな風に描いてくれれば🇯🇵人として納得できたのか⁉️
いや、しかし、どう描こうが納得できる筈も無いなぁ。
あのイヤな奴も際立っていた。
米国版プロジェクトXの光と影
2023年の米国公開時は『バービー』と同時期に公開されたこともあり、SNSを使ったプロモーションの問題が発生したことが記憶に新しいが、それは別の問題として切り分けた上で観ておきたい映画だと思っていたので、時期が遅れてでも観たかった。
◯『2001年宇宙の旅』っぽい映像効果
学生時代にオッペンハイマーが苦しむ中で観た幻覚が、後に核分裂として実際に知られる現象を先取りしているように見える。
ノーラン監督が影響を受けた『2001年宇宙の旅』のクライマックスの謎めいた映像を観たことがある方はそれを思い起こすかもしれない。
その後カリフォルニア工科大で教壇に立ちながらも当時のスペイン内戦の影響もあり、共産党関係者にも接近していた。
その一方で極めて優れた頭脳を見込まれ、米軍の核開発計画にも参画することになる頃のオッペンハイマーは、自分の能力を世界平和のために役立てようとするキャラクターとして描かれている。
◯マンハッタン計画:米国版『プロジェクトX』
ナチスドイツの核開発計画の話を知ったオッペンハイマーは、米国の優れた物理学者や軍人などを集めた『マンハッタン計画』を実行するために能力を発揮することになった。
『計画』過程は、米国の人たちが観ればサクセスストーリーにも見えるだろう。
まる日本人がNHKの『プロジェクトX』を観るような感覚で。
その中で、オッペンハイマーは自分たちが造り出した核兵器がもたらす被害を想像するが、言葉で説明しても分かってもらえない、実際に使わないと分からせることはできない…という現状に苛まれる姿が出てくる。
そして、『計画』は成功し、直接的描写はないが核攻撃の惨状を知り、『成功』に沸く人々の姿と重ね合わせ、戦慄し、第二次世界大戦後の核開発への疑問を抱く姿を見せていた。
◯ライバルによる追い落とし:赤狩り
本作の3分の2は政治サスペンス的な要素があり、序盤・終盤の聴聞会・公聴会の場面や、当時の商務長官(経産大臣)ストロースになどによる追い落としの場面もある。
その中で過去の不倫関係を含めた交際を思い起こす場面が出てくる。
アカデミー賞は時々政治サスペンスものがノミネートされることがあり、それが苦手だととっつきにくいかもしれない。
◯映像技術
パンフレットを買い読んだところ、トリニティ実験による核爆発の場面が特にノーラン監督がこだわっていた様子がうかがえる。実際に爆破をやったり、いろいろ視覚効果を試したりしたようである。
『映像の世紀』などでもご覧になっただろう、あの核爆発をIMAXで再現した(詳細は秘中の秘)ことは特筆すべきだろう。
◯その他
アインシュタインのあの風貌は一度は見たことがあるだろうが、エンドロールを見てなんとあのトム・コンティさんだったことにびっくりした。『戦メリ』のローレンス中佐のあの人である。
サントラもかなり優れた作品らしいが、個人的には、坂本龍一さんが手掛けていたらどうなっていたか見てみたかった。
事前に情報を入れて観た方がよい作品
念願の「オッペンハイマー」。残念ながら時間が合わず、IMAXGTレザーでは観れなかったが、まあまあ大きなスクリーンだったので、由としたい。
映画には事前に情報を入れて観た方がよい作品と、逆に事前情報がない方がよい作品の2つがあると私は思っている。本作は事前情報なしではさっぱりわからなかったに違いない。事前に解説動画10本くらいはみて、おまけに量子物理学や原子爆弾のことなども十分勉強してから観たおかげで、全編3時間、じゅうぶんに堪能出来た。さすがはクリストファー・ノーランである。
3時間、ずっと会話が続く。時系列が次々に転換する。カラーと白黒。たくさんの登場人物。難しい物理学の専門用語・・・・。予見なしで観たなら、理解不能で、寝落ちしたかもしれない難解な映画。でも、よく出来た映画だと思う。情報さえ持ってみれば、ほんとに面白い映画である。評価は★4つ、かな。
「日本も核兵器を持つべきだ・・・」という感想を書くと、あんたはなにを観てきたのだと言われそうだ。そうだよね。でも・・・日本も戦時中、核兵器開発に手を染めていた事実を知る私は、すでに地球を何度も破壊できる数の核兵器が世界中に拡散するおぞましい現状に、底知れぬ恐怖を覚えるしかない。広島に落とされたリトルボーイの3300倍といわれる世界最大の核爆弾であるツァーリ・ボンバは、日本の隣国ロシアが持っている。北朝鮮、中国も核保有国。そんな反日の核保有国に囲まれる日本は、いまさら核の是非など、言うてる場合ではない。相手に使わせないためには自分で核兵器を持つ以外にない次元にすでに私たちは暮らしている・・・。
核兵器はそれぞれ自国の勝手な事情で使われる可能性はゼロではないのだ。それが心に沁みた映画でもあった。広島・長崎・・・そして全てはオッペンハイマーから始まった、というべき、映画だったと思う。
夜勤明け、歯医者の治療で麻酔打った後に行ったのが悪いのか
正直な話をします。
冒頭から原爆の実験シーン辺りまで(本編の半分くらい)ワタクシ、スクリーンで何が起こっているかわかりませんでした。
物理が苦手だったワタクシにこの専門用語の多さは優しい子守唄に聞こえて来て
ぼんやりし始めたところに、何故、この人の出て来るシーンだけモノクロなのかな?
いや、それもそうだけど、この狭い部屋でで行われているのは裁判?ではないよね?
今回はアクションシーンなしのほぼ会話劇のだから、さっきも書いたけど、専門用語や比喩的なセリフが多く、字幕を追っていると役者たちの表情が見えず、
そのセリフの真意がうまく入って来ない・・・さらに話が進むごとに登場人物が増えすぎて、誰が誰とのどういう関係だったかわからなくなる・・・。
そして、ノーラン監督ならではの時間軸がバラバラなストーリー展開。
これがアメリカで大ヒット?そんな映画を微塵も理解できないワタクシは、麻酔薬がまだ効いてる?夜勤明けの疲れ?やっぱり本物のバカなの?
もう帰っちゃおうかな、トイレ行きたくなったし・・・
と、思っていたところ、今回のハイライトシーンである原爆の実験のあたりから、なぜか急にこの作品の内容がストン、と入り込んできます。
(あとで町山智浩さんの解説YOUTUBEを見たら、初見はわからなくて当然、みたいなことを言っていたので一安心)
作品の面白さとしては抜群で、やっぱりノーラン監督って本当にすごい!って思います。
いや、すごいなって一言じゃ足りなすぎるんだけど、やっぱり我々日本人としては、胸の奥に腑に落ちない新しい痛みが生まれるのは
当然かもしれない。(個人的に割と最近広島に旅行に行ったので、余計にそう思うのかも)
オッペンハイマーが抱えた不安や後悔を、共有できるはずもなく、ただ、それに苦しんだ事だけは理解しました。
ところで
本編を観たあと、解説動画を観て自分がたくさんの見落としをしていることに気付かされました。
答え合わせをしに劇場でもう一回見るのは・・・う〜ん、ちょっとどうかな、ワタクシ、やっぱり腑に落ちない思いが積み重なりそうなので
もう少し時間が経ってアマプラとかで観れるようになったらその時に答え合わせをするかな。
何の知識もなしにこの作品を観ると、ワタクシみたいに作品の中で迷子になってしまう可能性が高いので、もしかしたら、予習はしておいた方がよりこの作品を深く理解できるのかも?
観た後で読んでください
面白かった。そろそろ終演の週、TOHOシネマズで鑑賞。大部屋で時間帯が遅く、そこそこ入ってるくらいで、快適だった。
オッペンハイマーの過去から入り、ロスアラモス研究所、実験の成功、原爆投下後の栄光から一転、ソ連のスパイではないかと疑われ、委員会から無意味で長い尋問を受ける、という展開になっている。
アインシュタインとの会話や他の科学者たちとの関わり、才能のある者だけが参加できるところをいいなと思って見ていた。
爆音もすごくて迫力があった。
原爆投下計画については、私も日本人であるし、複雑な思いだった。結果日本は世界で唯一の被爆国となった。日本軍の圧力と政府の対応が甘かったせいでもある。戦争で被害を受けるのはいつでも一般人だ。
ロスアラモスでも、研究中に被爆した人がいるかもと、検索してみたら、科学者の中に被爆して死んだ人がいたらしい。
ロスアラモスでの展開はテンポが良くて面白かった。爆音は何故か無音にしていた。しかし後半の尋問場面は長く退屈だった。史実を忠実に表現したかったのだろう。本当にバカバカしい質問ばかりだった。
トルーマンがバカっぽく描かれていたのは、当時の政府への皮肉の様に思えた。ゲイリー•オールドマンどこに出てたっけと思ったらこの役だった。
委員会からの尋問のシーンで裸の二人がイメージで出てたけど、これはいらないんじゃないかと思った。そこまでプライベートに立ち入られてたという表現かもしれない。ポール・トーマス・アンダーソンの「マスター」でもそんな幻想シーンがあったけど、いる?そのシーン。印象づけしたいだけでしょう?
ストローズ役の俳優が受賞して、アカデミー賞でアジア系のプレゼンターと目を合わせなかったことが話題になっていたが、彼は役に忠実に振舞ったのかな。
核が地球を滅ぼす。そんな日が来ないことを祈ります。
歴史の真実に迫れていないが、見る価値はある
なかなか臨場感があり、見応えのある映画だと思ったが、鑑賞後、何か違和感を感じ家に帰って文献を読んでみると、かなりウソが混じった映画で、オッペンハイマーの心の内奥まで迫れていないし、むしろ美化され、大事な所が抜け落ちていのではないかと思った。
マンハッタン計画の総責任者;グローブス将軍は、1944年末ドイツの原爆開発計画に成功の見込みがないことを知っていた。アメリカが1942年末に成功していた原子炉の臨界実験にすらドイツは失敗していた。(アメリカの科学者がわからなかったとしてもマンハッタン計画に関する軍の関係者はもっと早くからドイツの原爆開発に行き詰っていることを知っていた可能性がある)にもかかわらず計画を推し進めたのは、アメリカがいち早く原爆という最強にして最悪の兵器を手にして、第二次大戦後の外交を有利に進めたかったからであり、アメリカが日本に原爆を落としたのは、ソ連に衝撃を与え、本当のターゲットがソ連であることを分からせるためであった。映画の中でも原爆を使用することは、日本本土上陸作戦によって失われたはずの多くのアメリカ人や日本人が救われたというセリフが出てきたが、戦後史の研究者の中でこの意見を信じている人はほとんどいないという。この原爆神話を80年たったいまでも、そのまま映画で真実のように描いたらだめでしょう。この神話をいまだに多くのアメリカ人、日本人が信じていること、このこと一つをとっても歴史の真実は闇の奥といった印象を持つが、少しずつ明るみになってきている公文書などのピースを学び続け、核兵器のない世界って可能なの?と問う子どもに、私は何と答えられるのか…いろいろ考えなおす映画にはなったと思う。
全938件中、141~160件目を表示