オッペンハイマーのレビュー・感想・評価
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考えさせられる、、
いろいろ考えさせられた。
ドイツ・ナチスとの対抗で原爆完成を急がねばならなかったこと、もしナチスが手にしていたらと思うと、、
完成時にヒットラーが生きていたら、最初の原爆投下はドイツだったかも。
彼のスピーチで「ドイツにも落としたかった」というのがあって、、
もし日独(伊)同盟がなければ日本投下はなかったのか、、
その彼は戦後、日本に来日しているんだよね、
NHK「映像の世紀」で記録映像が。
当時の赤狩りは苛烈だったのだね、チャップリンも追及されたし。
彼の元を離れた仲間がソ連のスパイだったらしいことも痛かった。
彼は女好き、ということらしいがモテたでしょうそれは、、若い頃の実写真、ものすごい美男子だし。
メキシコ州での初実験のシーンは、ひどくドキドキした、、炎と少し遅れてやってくる爆音にスクリーンだけれどもビビる、、と同時になんかひどく悲しくなった。
映画として楽しめる作品ではないけれど、ホントに考えさせられる。
映像の暴力性とともに突きつけられる、善悪とはという問い
映像と音に確信犯的な暴力みがあってこれぞクリストファーノーランという映像だった。
あの緊張と恐怖と刺激を求めてる自分もいる、、
カメラはオッペンハイマーをずっと追いかけているのに、彼がどんな人間なのかをわからせようと、悟らせようとはけしてしない。
キリアンマーフィ演じるオッペンハイマーは、神経質そうでさみしそうでどこか怯えているところもあり。
それはとても人間らしかった。
終始さみしそうなオッペンハイマーの透き通る眼に吸い寄せられる。
原爆の落ちた国に育った私は
それでもこの作品を客観的に観てしまった。
たとえその実やっていることは人殺しであっても、悪魔のような所業であっても
念入りに計画し、準備し、成し遂げた実績には達成感が伴い、それを人と協力しようもんならより大きな喜びがある。
誰かが称賛し、大義や正義を与えてくれるのなら尚更だ。
そのことも私は知っている。
その中の自らの犯した悪業にだけ目を向けられるような心の強い人間はいるのか。きっとそんな奴は事を成し遂げられない。その前に心が壊れる。
科学の発展は、そうやって成し遂げられてきたのかなと。
でも、それでいいのか。
仲間の利益だけを守ろうとする、視野の狭い人間が権力を持つことの恐ろしさ。でもそれを外から計ることなんて誰ができようか。
私は今ですら、あの原爆投下が、原爆開発が、間違っていたとはっきりと言えない。わからない。
大量殺戮についてははっきりとNOといえる。あの原爆の恐ろしさ、悲惨さについてもはっきりとYESと言える。
東京大空襲で10万人が死んだことも恐ろしいことだ。
だからはっきりと、戦争にはNOだと言える。
人間は弱くて愚かで、いとも簡単に踊らされるということ。
狭い価値観で世界を動かしている奴らはきっといる。
口がうまくて、力があって、人を丸め込むのがうまくて、そういう人間であれば私もきっと簡単に騙される。
集団や人間の恐ろしさに目を向けざるを得ない作品であった。
うん、 やはり全然好みじゃないし 入り込めなかった。 邦画だったら...
うん、
やはり全然好みじゃないし
入り込めなかった。
邦画だったらもっと興味を持てたのだろうか、
内容自体に興味が持てないのだろうか、
ただ。成功者と呼ばれる人の妻は強い。とても強く男性を立たせて一歩引いて支えることができるのだと思う。
映像と音楽の融合 ピタッとハマった瞬間に涙が出た 音楽的な効果が前...
映像と音楽の融合
ピタッとハマった瞬間に涙が出た
音楽的な効果が前作よりもっとレベルアップしたような?
日本での上映はセンシティブな内容だけに物議を引き起こしたようだが、むしろ日本人が見るべき映画だと思った
原爆の是非というより、それに至った経緯を主人公の目線で実体験し、広島・長崎がその結果であるということを把握した。
大統領とのシーンが印象的
好きな俳優陣
次々と出てくる大御所たちの登場シーンに胸が高鳴る。
常連俳優人たちもやはり良い。
1人の人の伝記を、映画としてどのように起承転結でまとめるか、難しいだろうと思っていたが、さすがの脚本の面白さ。最後にしっかりまとまった。
伏線というかはわからないが、最後には色々なピースが組み合わさっていく感覚、そしてそれを後押ししてくれる音楽。インターステラーの時にも感じた、高揚感。
見事だった。
いつかグランドシネマサンシャインでもう一度観たい。
蝙蝠
日本人にとってこの作品をフラットな気持ちで見るのは難しいと思うが、この作品は別に博士の苦悩を描いた作品でも、まして平和に対しての啓発映画などでもなく、あくまで「オッペンハイマー事件」についての伝記映画だと認識できるかどうかで大きく評価は変わると思う。
それでもやはり、英国人が監督をし、主役もその妻の役も非米国人というのは引っかかってしまうのだけど。
色々中身について語るのは野暮だと思うので多くは書かないが、とてつもなくよい映画よい演技だったのは確か。
何よりもノーラン作品で重要な脇役を演じ続けてきたキリアンマーフィーがこの超大作で主演を張りオスカーまでとっちゃうのは本当に感慨深いものがある。
ネタバレでもなんでも読んで予習復習が必要な映画
芸術も政治も科学も全ては人間の業なのか、と考えさせられる映画です。
ただ、やはり難解な映画です。素晴らしい映画だとは思いますが、時間も長いし、理解が出来ない部分があるから観ていて感情が動かないところがしばしば。陰謀と策略が渦巻いているのはなんとなくわかるけど、正直一度目で全体像を掴むのは至難でしょう。
女優の方々がアクセントになってるところは良かったです。人間臭い情事や泥沼劇、家庭問題の部分は時代背景などを知らなくても感情移入できるのでは。
日本人として、アメリカの内幕を見ておくのは意義があるかと思います。
この時代の出来事や戦争、政治に興味があるなら観るべきですが、タイトルにも書いたとおり解説に目を通しておくことをおすすめします。
私は好きなアーティストが話題にしていたので観に行きました。観て良かったですが、私の好みとかを考えると点数的にはこうなるかな。
日本の被害のことが出てこないのは、わざとかと思います。それこそ気になって調べたアメリカ人は多いのではないでしょうか。この方が問題へ導くことになるかと。
ノーラン作品を初めて鑑賞したが、、、
あまりにも重たい題材を、あらゆる人物を通してリアルに描き、知り得なかった現実を、オッペンハイマーの表情の変化を通して、ありのままに投げかけた作品。
クリストファーノーランの作品は今回が初めて!
~時間操作された難解な作品ばかり~との事前情報もあり、かなり身構えての鑑賞となった。
最初は状況把握に時間がかかったけれど、得体の知れない原爆の威力を迫力のある映像と、繊細な音響を交えて創り上げていく過程には恐怖を覚えた。現実をしっかりと突きつけた描写に、突然自分の中に今まで感じる機会がなかった日本人としての激しい怒りが込み上げて来たことにとても驚いた。
そして、最後まで気になっていたのは、何と言ってもアインシュタインとのやり取りだ。湖畔で明らかになったシーンは、もっと、、、ずっと観ていたかったし、大きな余韻が残った。
無事にクリストファーノーラン作品デビューを果たした今、回想してみると理解が追いついていない部分が多々あるが、もう一度観たいと思っている自分がいて少し嬉しい!
よし。もう一度観てみよう。
それから他の作品も観てみよう!
どう観ていいのか良くわからなかった
アカデミー賞受賞作品ということで一層楽しみにして観に行ったのですが、『伝記』を描きたかったのか、『戦争というものに振り回される人々の思惑』を描きたかったのか、もしくはそれ以外なのか… 私の頭ではストーリーに追い付きませんでした。
オッペンハイマーという人に最後まで感情移入ができずに終わってしまいました。
なので結果『軍部にいいように使われた哀れな科学者のお話』としてしか観れませんでした。
一人で原爆を開発したわけではないのに、詰め腹を切らされただけだったようでした。
どこの国でも政治家が一番偉ぶるのでしょうね。
せめて広島・長崎に落とされた事による民間人死者数を『11万(だったと思う)だぞ!』と問い詰められた際に、『じゃああんたは何人だったらいいというんだ!』的な発言があればちょっとは感情移入できたかもしれません。まぁそれが言えてれば映画にならないんですけどね。
あと、台詞の数が多いのと、スピードの速さにもついていくのに必死でした。とにかくどのシーンでも誰かがしゃべってる感がありました。
次観る時には吹き替え版でみようと思います。
ハンバーガー屋の経営も無理だ
第二次世界大戦下、アメリカで立ち上げられた極秘プロジェクト「マンハッタン計画」。これに参加した J・ロバート・オッペンハイマーは優秀な科学者たちを率いて世界で初となる原子爆弾の開発に成功する。しかし原爆が実戦で投下されると、その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩するようになる。冷戦、赤狩り―激動の時代の波に、オッペンハイマーはのまれてゆくのだった―。世界の運命を握ったオッペンハイマーの栄光と没落、その生涯とは。今を生きる私たちに、物語は問いかける(公式サイトより)。
ホロコーストで数百万人のユダヤ人を虐殺し、後年の研究で極めて凡庸な役人だったことが明らかとなったアイヒマンは、「わたしの罪は、従順だったことだ」という言葉を残しているが、本作に登場する核兵器を開発したアメリカの科学者たちも、アイヒマンのように何か一元的な原理に「従順」だった故の蛮行であったかというと、そんなに単純ではない。オッペンハイマーをマンハッタン計画のリーダーに起用した軍将校グローヴスが、かれを評したセリフがそれを象徴する。
「頑固で人の話も聞かないし、女たらしで他人を信用しない。おまけに共産主義者の疑いがある。コイツいいとこなしだ。優秀な物理学者だが優秀な人間ではない。ハンバーガー屋の経営も無理だ」
科学者として真理の探究や愛国心はもとより、功名心、劣等感、不貞相手との歪な関係、共産主義、政治的思惑等、濃淡があり、起伏や深浅のある行動原理がオッペンハイマーだけでなく、登場人物の分だけ交錯して核兵器は出来上がる。
ノーラン監督が、史上最悪の兵器を開発した天才科学者の根底を流れる、ある意味で極めて普通の「人間味」を表現するために用いたメタファーが「眼」と「雨」だ。作中、頻繁に登場するオッペンハイマーへのドリー・インのカメラワークと、荒天や曇天が連なる心象風景が、観客をかれの内側へ不穏感を伴って何度も誘う。
本来はナチスドイツを阻止するために研究開発されたきた核兵器だったが、ヒトラーの自殺によってナチスドイツは崩壊、兵器の開発そのものの必要性が研究者内部から問われ始める。この時、仮想敵を壊滅寸前の日本にすり替えたオッペンハイマーの心中にあったものは、果たして政治か、功名心か、純粋に心血を注いできた研究の成果を見てみたいと思う科学者としての探究心か。投下都市選定の会議で責任者が「リストから京都は外した。文化的価値と…。わたしは新婚旅行で京都に行った。あそこは美しい街だ」という科白にわたしたち日本人は息をのむでしょう。
印象的だったのは、広島・長崎への原爆投下で大戦が終結し、TIME誌の表紙を飾るなど、一躍「時の人」となったオッペンハイマーが大統領執務室に呼ばれ、その功績を称えられる場面。わずか数分のシーンだが、普通の人間味などとうの昔に捨て去ったアメリカ大統領の何とも言えぬ不気味さに背筋が凍る思いがした。後で調べ見てみると、あなただったのね。納得の存在感。
ミステリー小説の読後感
オッペンハイマー。
なによりその音がいい。
ベッケンバウアー、メルテザッカー、シュバインシュタイガー…。おぼえにくそうなのにおぼえてしまう。つい、つぶやきたくなる。唱えたくなる。ブツブツブツ。
短いショットをバンバンつなげて複数のプロットを並行してみせていく。あれ?観ている自分はいまどのプロットにいるんだっけ?と感じさせない。
ひとつのプロットはモノクロで、中心人物が異なる。
タイムリープとも違うんだけれど、時空を区切ってプロットし、破綻なく効率的に最終地点に連れて行き、伏線を回収する。
良質なミステリーを読み終えた後のような爽快感です。
歴史を変えてしまった苦悩
あらゆる意味で歴史や世界を変えてしまった科学者の苦悩と、周囲のさまざまな思惑に没頭する180分。
女好きで、ピュアで、自信家で、どこか能天気で、背負った責任に押しつぶされるオッペンハイマーを味わって欲しい。
これを映画化する志に星5つ。
今も続く戦争と核兵器の思考作品
原子爆弾を開発した天才科学者が巡り合わせの中でそれを作り、そして戦争で投下された後の終戦後「原爆の父」と呼ばれた先にどのような人生があったのか。
オッペンハイマーを中心とした科学者の成功と苦悩と彼をとり巻く人々の物語だ。
前半はカラーとモノクロと時間軸を置いてかれないように観ていたけど気づけば3時間集中して観れました。
物理学300年の集大成が核兵器…
国を守るため自分が開発したものにより予想よりはるかに多くの人が犠牲になった事実を突き付けられるのはとても想像し難い。
いつどこに投下するか判断した訳ではなく直接手を下した訳でなくとも科学者の自分が作ったものであることは変わらない。
そしていつの時代も成功者の周りは色々な思惑が動いている。
もし時代が違っていたら、何かひとつ違っていたら天才科学者はこの世に何を残しただろう。
時間とお金をかけた核実験が成功し国家機密の作業に従事していた人たちが喜ぶシーンはそれが投下された国の未来を知っている(学んでいる)日本人からすると、なんとも形容し難い気持ちになった。
それでも、原子爆弾が作られるまでの事やその後の彼らを知り考える機会になったと思う。
核に対する懸念、心配が恐怖になる
大変見応えありました。3時間という長さを感じさせませんでした。
(でもさすがに、エンドロール途中でトイレに行くため出ました。)
原爆開発計画の掘り下げではなく、原爆開発に携わった主人公を掘り下げた作品です。
原爆投下に際して、オッペンハイマーやその他科学者や政治家の間でどれだけの議論があり、逡巡があったのかどうかという点は、とても気になるところですが、残念ながら作品の中ではそこがポイントではないと思いました。また、作品で描かれたものが事実かどうかはわかりません。ただ、オッペンハイマーの信じた真実を描いたのだと思います。
戦時下の開発競争、そして冷戦へと恐怖と危機がエスカレートしていく中で、各個人の選択はやむを得ない選択をしたのかも知れないが、その結果が破滅への道だということを思い知らされます。
まさに、プロメテウスの火だという言葉が沁みました。
二度と使わせない・使わないために、私たちはどう行動すればよいかを真剣に考えるようになる映画だと思います。
一方で、ゴジラと一緒に超兵器と自分自身を葬った芹沢博士の選択の理解が深まりました。
予習して映画館で観て欲しいです
難解なので、登場人物の予習(オッペンとの関係)も必要だなと感じました。
監督、天才
人間という生き物の見せ方も上手いし、
音楽の素晴らしさ、実験画像のリアルさは映画館で体感して良かったです。
核実験が成功した場面で、無念、悲しさ、畏れ等々の感情を体感出来てことは重要でした。
観ようか迷っているなら、是非観ることをお勧めです。
映画としては大いに評価されるべき作品だが…
さすがアカデミー賞13部門ノミネート作品、全てにおいて観ごたえあり。
クリストファー・ノーラン監督らしく歴史ものでも普通に時間操作しているため、やはりストーリー把握には四苦八苦させられるが、俳優陣の熱演や凝った映像、そして授賞は逃したものの常に緊張感漂う研ぎ澄まされた音響には圧倒される。個人的には「録音賞」授賞にもじゅうぶん値すると感じる。
ただし、映画としては当然大いに評価されるべき作品だとは思うが、やはり日本人としてはとてもつらく悲しくなる作品でもある。
若い人にはお勧めしない
夜暇だったのでフラッと観ました。全体的に時系列が前後しててよく分からないし内容も何言ってんのか全く分かりません。恋人と観に行ったけど、営みシーン出てきて若干気まずかったです。あのシーンいらないです。つまらなすぎて途中で寝てしまったのですが、爆音の爆発音でびっくりして起きました。心臓に悪いです。心臓の弱い方にはおすすめしません。
怖かった
事前情報や知識があればあるほど内容への理解がより深まる作品とは聞いていたので、わかっていたけれど自身の勉強不足をまじまじと痛感‥
知識を増やしてからまた改めて鑑賞したいです。
原爆についての知識も人並みかそれ以下、オッペンハイマーの名前はわかるけど‥程度のかなり勉強不足も甚だしい人間が観て強く印象づいたことを残すと、
怖かった‥‥‥
冒頭は、映画の中で語られる異国の一人の科学者の人生を振り返って垣間見てる〜といった客観的な視点でみれていたけど、
原爆開発が開始され、「日本」や「広島」という単語を聞いてからは、「世界有数の科学者たちの手で日本人をたくさん殺す兵器が出来上がっていく」という、これが使用された現実と惨状を先に知っているからこその恐ろしさが込み上げてきて、途端に怖くなってきてしまった。
原爆完成か否か、爆破前のカウントダウンで、努力してきた科学者や期待を込めた軍人が成功を祈る中、「あ、ついに完成するんだ‥」とじんわり戦後の死のイメージが自分の頭に湧き上がってきて、爆破まで2分前〜のコールのとき気づいたら怖すぎて泣いてた。
もちろん明るい気持ちで終われる映画ではないけど、何年後かに観たら感じ方や気になるポイントが変わりそうです。
日本人として何を感じるべきか?
映画館にて鑑賞。
とにかく内容が盛りだくさんで、観ている間も終わってからも色々と考えさせられるため、脳がどっと疲れました...
3時間の映画ですがストーリーがどんどん進んで行き、状況とセリフを理解するのに一生懸命だったため体感は2時間くらいだったように思います。
まずCillian Murphyが本当に素晴らしいですし、キャストも豪華なので個人的にそれだけで観る価値ありだと思いました。
(ブラックミラーとオペレーションフォーチュンで見て以来気になっている、Josh Hartnettもとても良かったです。役の振り幅がすごい!)
映画の初めの方で思ったのは、科学・美術・神話の世界は繋がりやすい、ということ。
所々に差し込まれてくる原子や炎や宇宙などの映像は、それ自体は科学的なものですが、その中に“美”を見出しているような映像表現になっていて、オッペンハイマーやノーラン監督はそのようなところにも惹かれているのかなー、とぼんやりと考えていました。
普通の人には見えないものが見える、もしくは普通の人とは違う見え方をしている点で、科学者と芸術家はかなり近いものなのかもと思いました。
ピカソなどの絵画や神話の言葉などが入ってくる点も印象的でした。
「原爆の父」を題材にした作品ということで、日本人として自分はどう捉えるべきなのか考えてしまいました。私は日本に原爆が投下された時は生まれていないですし、被害にあった親戚なども(知る限りでは)いないため、あまり自分ごととして捉えられていないのが事実な気がします。もちろん、アメリカの政府関係者がいつどのように日本へ原爆を投下するか話し合うシーンでは違和感や不快感を覚えました。原爆犠牲者のことを思うと心が痛みます。でもそれは日本人でなくても感じることなのでは?と思い、当事者でない人にその出来事をその時の感覚で伝えていくことの難しさについて考えさせられました。
そんな中、この映画をきっかけに原爆について考えたり議論をする機会ができたという点で、『オッペンハイマー』には大きな意味があるのではないかと思います。
自分と同年代の人がこれを観てどのように感じたのかを知りたい...
ノーラン監督の作品は音楽も素晴らしいと思います。
音楽のおかげでかなりストーリーに没入できます。
あの緊迫感をあおる独特な音の使い方も好きです。
やはりノーラン監督作品、1度観ただけでは中途半端な理解しかできていないので、配信でになるとは思いますが再鑑賞していこうと思います。
観終わった後も色々な考えがあふれてきて書かずにはいられなかったので、翌日に思い出しながら(まとまりのないメモ書きのようなものですが)レビューしました。
日本視点でみてしまうと面白くない
「長い、無駄にのばしている」「論点が違う、ズレている」「原爆の被害をちゃんと描写してほしい、腹が立つ」などのコメントを読んでから映画を観た。それでこのようなコメントは日本視点で映画を観てしまっているからだと思う。何よりこの映画は、原爆への謝罪や弁論のために作られたものでは無い。また監督の焦点は「オッペンハイマー」であり、原爆ではない。
まず、この映画自体オッペンハイマー視点と、オッペンハイマーを客観視した映像しかないから、オッペンハイマーに焦点として作られたものである。論点が違うとかではなく、この映画の論点はここなのである。原爆を投下したシーンがないのも、オッペンハイマーの視点では実際見ていないので当然。実際のシーンがなくてもそれはオッペンハイマーの視点から十分に描写され、表現されている。
長いという意見も、日本視点でしかないと思った。原爆が落ちたことは通過点にしか過ぎない。大事な部分ではあるが、それも踏まえて通過点と言いたい。オッペンハイマーが原爆を作るまで、そしてその後という彼の研究を主とする映画なのでこれらを説明するには適切な尺。日本への核攻撃にて、「日本に?あ、そうなんだ」というシーンに怒りを示すコメントもあったけど、むしろそれが狙いというか、何十万人と人が死ぬような出来事をそんなアッサリという残酷さや冷淡さを一言で示すセリフで淡々としてるあの雰囲気を上手く表現出来たシーンだと思った。もちろん、怒る気持ちもわかるが、この映画自体論点はそこでは無いと思ったため、そこを別にしないときっと楽しめない。オッペンハイマーは物理学者であり、政治家でも、軍人でも無い。しかし、研究にて誕生させた爆弾が戦争で使用されることや、原爆の父という名で知られるその心情をおもうと色々考えさせられる。日本の視点とオッペンハイマーの視点を行ったり来たりしてみると何度も涙が流れた。
確かに一般的な映画に比べると長いが、蛇足のようには思えなかった。
個人的にノーラン監督が好きであるので、映像全体としては、少し難しい設定や、複雑な構成から彼らしさが出ていてまたやってくれましたねという感想だった。難しいとか分かりずらいという意見にはそれが見どころだと言いたい。
事前知識は必須。
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