オッペンハイマーのレビュー・感想・評価
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トルーマンのあの言葉
日本に原爆を落とすことを決めたトルーマン。彼がオッペンハイマーと面会した後「あんな腰抜け2度とここに入れるな!」と言ったその感覚こそ原爆投下の精神性が理解出来た。
人間、J・ロバート
原子爆弾を開発した男の人生。
同時期に生きた科学者たちとの邂逅や憎悪、そして信じるものへの執着が絡まり描かれる。
科学者としての好奇心が興味が先行し作られた原子爆弾。それがもたらす世界の秩序の変化とは?
そして成し遂げた者のみがたどり着く孤独と絶望。
そんな孤独な彼がアルベルトと交わす会話がとても印象的だった。
彼自身の純粋さと物事の捉え方、そして赤狩りが横行する時代を生き権力者や同じ科学者たちに翻弄された彼。これは彼が正しかったのか?間違っていたのか?という視点で描かれたものではなく途方もないものを作った男の中を覗き込んだ様な作品だと感じた。
原爆開発という白羽の矢が立った研究者の運命
5月の頭に1回目の鑑賞、その後パンフレットを読んでから2度目の鑑賞。NHKBSのオッペンハイマー特集を見て、なんとかコメントを書くまでこぎつけました(笑)。重大な史実を元にした映画なので、基本的な事実も理解せずにいい加減なコメントを書いてしまってはいけないな、と思いまして、少しだけ勉強してみました。
ちなみに映画館での2度の鑑賞は、どちらも満員で色んな年齢層の方が観に来ていて、本作に対する日本での関心の高さを感じました。
物語は、物理学者オッペンハイマーが、学生時代、大学での教員時代を経て、マンハッタン計画で原爆開発を成功させるまでの人生を順を追って描きつつ、その時代と行きつ戻りつしながら、次の2つの場面も描きます。1つは、原爆投下を経て終結した第二次世界大戦後に、オッペンハイマーにかけられた「ソ連のスパイ容疑」をめぐる聴聞会の様子(1954年。オッペンハイマーが狭い部屋の中で聴聞を受け、研究者仲間や妻、マンハッタン計画の責任者である軍人グローブスなどの関係者も同室に呼ばれて証言を求められる)。もう1つは、オッペンハイマーの因縁の相手となり、戦後に水爆開発を推進してオッペンハイマーとも対立したストローズが、商務長官として任命されるにふさわしい人物かを問う公聴会の場面です(1959年。この中でストローズは、戦後一度は国民の英雄となったオッペンハイマーを国の安全保障を脅かす存在であるとして失墜させたことについて、追及を受けます)。
この映画を観て個人的には、もとは純粋な理論物理学者であったオッペンハイマーの悲劇は、国から「原爆を開発せよ」という白羽の矢が立ったことにあったように感じました。もちろん国からの命を受けたのは彼の意思ですし、マンハッタン計画に関わり始めた当初から彼は、自分が開発する技術が大量破壊兵器に使われることは理解していました(オッペンハイマーが、これから、マンハッタン計画に関わろうとする自分になぞられて「ノーベルは偉大な科学者だが、彼が開発したダイナマイトが大量破壊兵器となった」と口元に笑いを浮かべながら話す場面があります)。その意味では、「悪いのは自分ではなく、国が自分に白羽の矢を立てたこと」とは言い切れず、自分が研究に関わったことが、原爆という凄惨な兵器の使用につながり、その後の核開発競争を招いています。それでも当時の視点で見るならば「ドイツに開発される前に、なんとしてもアメリカが核兵器を開発しなければドイツを阻止できない」「アメリカが開発しなければ、ドイツあるいは他の国が開発するだけ。オッペンハイマーが指揮をとらなければ、遅かれ早かれ他の国の別の科学者が核兵器を開発するだけ。」という考え方も道理があるように思いました。
そう考えると、オッペンハイマーは、兵器開発競争の激しい戦時中、優秀な頭脳があったがために、その後一生悔いるような使命を背負ってしまった…私にはその苦しみは想像を絶するものに感じられました。私自分の小さな人生を考えてみたら、こういう戦争に関する苦しい使命を国から背負わされるようなことがないのは本当に幸せなことだと思いました。平和が保たれて来た今の日本だからこそ、戦争に関係のない「何か」を自分の生業や使命として選ぶこともできるわけですし、ありがたいなと思いました。
「歴史は繰り返す」という言葉があって、人間の愚かさに対して「(愚かな)人間は全然進歩しない」という意味合いでよく使われるように思いますが、「繰り返す」かどうかはさておいて、歴史というものは決して「後戻り」しないものだと思います。今から大量破壊兵器が生まれる前の時代に戻ることはできませんし、すでに地球上に沢山配備されている核弾頭が、ビデオテープを巻き戻すように前の状態に戻って、跡形もなく姿を消すこともありません。けれども、人間が「さらに進歩する」ことによって、今意味を持っている核兵器が、意味を持たなくなるように出来るかもしれないし、そうなったらよいな、と思いました。
本当に夢物語かとは思いますが、もし科学技術が進歩して、今配備されている核弾頭を無力化するような技術が出てきたら(迎撃ミサイルなんかも、ある意味、無力化する技術なのかな、と思いますが)、時代は今とは全然違う、新しいものになる、、、そうなったりしないかな…そんな想像を未来にめぐらした今回の映画鑑賞でした。
過去のことを振り返って、あの時何が悪かったのか(あるいは正しかったのか)を問うのではなく、原爆開発、原爆投下をオッペンハイマーという科学者の立場に立って追体験し、「それで、あなたは、未来に向かってどうして行きたい?」とノーラン監督に問われていると感じました。考えさせられる良作でした!
IMAXシアターで観なくて良かった
皆さまの口コミを見て、サラッと予習をして鑑賞したものの、登場人物は多いわ、会話は複雑だわ、どの俳優さんが誰役だかの見分けが難しいわで、字幕を追いながらストーリーを把握するので精いっぱい。
公式ホームページなどを見ると、映像にこだわって作られているようでしたが、もしIMAXで見てたら、せっかくのIMAX料金分を無駄にするところでした。
映画自体は内容も濃く、オッペンハイマーの科学者としての欲求と、人間としての苦悩がみっちり描かれていたと思います。
「いずれ他の誰かに先を越されるくらいなら」と、開けてはいけない箱を開け、渡ってはいけない橋を渡ってしまったのでしょうね。
広島、長崎の被害の具体的な描写がない、というご意見も目にしましたが、オッペンハイマーの後悔と苦しみは、私には充分伝わってきました。
あと2回くらいは観ないと、「鑑賞した」域には達しないなと思いました。
「我は死神なり、世界の破壊者なり…」プロメテウスの原罪
何と言ったら良いのでしょうか、、核物理学や量子力学などという、もう私たちパンピーには何が判らないかもサッパリ判らない様な知の最先端の領域で、天才科学者の頭脳と魂に、この世界全体がどう映り、どの様に感じながら人生を重ねていったのか、、
そしてそんな特別な次元にある人達の、普通の人々と変わらないパーソナルな葛藤と苦悩、それらを暫しの間、疑似的に追体験する様な感覚に浸れることが出来た印象です。
ほぼ名前しか知らなかった理論物理学の分野の錚々たる科学者たち、アインシュタイン、ニールス・ボーア、エンリコ・フェルミ、アーネスト・ローレンス、イジドール・ラビ、戦後オッペンハイマーと対立する“水爆の父”エドワード・テラー、が等身大の人間として描かれます。
そして物語のもう一人の主人公、核兵器の際限無い開発競争に反対するオッペンハイマー(キリアン・マーフィー)と対立し、個人的な野心や恨みやコンプレックスも相まって博士の人生を潰し葬り去ろうとした、アメリカ原子力委員会委員長ルイス・ストローズ(ロバート•ダウニーJr.)。
物語は戦前戦中のオッペンハイマー博士の視点をカラー、戦後のストローズ長官の視点をモノクロに分け、その二つの視点を目まぐるしく交錯させながら進んでいきます。
オッペンハイマーやアインシュタイン、ニールス・ボーアに代表される科学者たちの多くがプロメテウスの火(核の炎)をこの世界に解き放った事に対する道義的責任「科学者が直面する創造と破壊のジレンマ」や、「知識の追求がもたらす恩恵と危険」に葛藤し苦悩する様に対比させる様に、
政治的現実主義・個人的野心・打算、嫉妬や恨みの感情、これらに突き動かされるストローズ長官やトルーマン大統領を始めとする政治家たち、エドワード・テラー博士ら様々な人々の狡猾な言動や行動が描かれていきます。
最終的には、ある予想外の意外な人物によってストローズ長官の野望は終止符を打たれ、冒頭から随所に出てきて謎となっていたオッペンハイマーとアインシュタイン二人の間に交わされた会話の内容という、
ほぼ作品のテーマであり結論でもある重要な伏線も見事に回収されエンディングを迎えますが、詳細はご自分の目と頭で観て感じて頂けたらと思います。
一見とっつきにくい様でも決して理解不能とか難解な作品ではありません、映画史上に残る様な大傑作である事は間違いないと個人的には強く思いました。
評価要りますか
複雑で沢山のことを短時間でまとめた秀逸な作品。出てくる俳優陣もすばらしい演技。
エンタメ作品で作られているのは理解している。
しかしバーベンハイマー騒動の今も変わらぬアメリカ人の鈍感さに、新たな発見とショックであった。何も変わらないのだ。おまけに未だ平和の象徴の鳩のようにきのこ雲が使われ、高校の校章になっているアメリカの学校が数校、あるという。人間は自分が滅びるものにまで知識欲を持つ、愚かすぎる生き物だ。そして敗戦後、こんなことまであったのに、二度と過ちはおかしませんからと、「兎に角日本が悪かった」と、自虐的教育を70年以上も施された全日本人は、自分が施されていることに自覚も無い人が多いので、遠めからこの作品を冷静に鑑賞することができる。 いまも内向き思考回路で自分たちの国の政治家の小さいことに必死に文句をいいうまく日本人はできているw。が平和のためには仕方ないという矛盾である。
予習しといた方がいいと思う。
カットや時間軸が入り混じっていても違和感なく見れるのは流石。
あと音楽、さらにいうと振動音やSEがドクドク身体に伝わってきて映画の世界に没入できるのも良い。
YouTubeで予習してから観たので特に駆け足の序盤などは脱落せずに見れた。それが無かったら難しいかもしれない。
やはりどうしても日本の話題が出るとセンシティブな気分になるが、なるべく冷静に見ようと思った。だけどやはり心の奥にザワザワしているのも感じた。
主人公は「偉大な」業績を挙げつつも後悔の念や周囲の裏切りに合い、使い捨ての扱いになった。形では業界から認められた存在ではあるが、挙げた成果に対して本質的にはその責任だけがのし掛かった。
上映時間ほど長さはそこまで感じなかったし、動きが少なくなんだか難しい会話だらけの後半も退屈なく観れた。
日本人からして中々センシティブな題材で、一時期日本上映はどうなんだ?という話題になったと思う。
いや、日本人だからこそ見ておくべきだ。的な主張もあったという記憶がある。
個人的な総括としては、別にその日本人としてのセンシティブさ、切なさを感じながら、もしくは耐えてまで観るようなレベル感の作品でもないように思えた。
あくまで「主人公の人生」がメインに思えたし、なにか反戦要素や原爆投下に対するメッセージ性もそこまでではないし。
映画の最後に伏線や謎が回収されてドヤって終わる演出。またそれかってなる。
物を見透す力
宇宙と量子、数式、理論上不可能とされていた核分裂の実験、ロスアラモスと広島、長崎での核爆発。。。そして、オッペンハイマーが持つ真理を見透す力。愛する女性達との絡みで魅せる性描写もその力に裏付けられ、エロティシズムと見事に融合していた。
ノーランらしいアメリカの広野と宇宙の対比が美しく、エミリーブラントの勇敢な乗馬シーンと相まって最強かつ最愛の妻が世界の均衡を支えたと思わせる演出も素晴らしかった。
インターステラーも面白かったけど、宇宙の原理を人の手で再現するリアルなストーリーは圧巻でした。
複雑ですが、見やすく作る
圧倒的画力と音楽、セリフからくる情報量に圧倒された180分でした。
テーマがテーマなので180分激重ストーリーを見せられるのかと思いましたが、全編にわたって音楽が一定でながれているので、気落ちせず楽しく見られるエンタテインメント作品にもなっていた。
また、話の内容も複雑に見えて、最終的には裁判の中でオッペンハイマーが勝ち、ロバートダウニーJrが負ける、というシンプル法定劇としてみれるのでまあ見やすい(法的劇内の時間はずれているが)
複雑な話も、独特な手法を用いつつ分かりやすく描けているのはさすがノーランの大衆映画といったかんじ。
圧巻はやはり中盤の核実験のシーンですよね。本物の爆発を使用していたとのことですが、やはり撮影用ということもあり原子爆弾のキノコ雲ほどとはいきませんが、ため、ため、ため、からのゴーーーーーで心臓が一回転しました。いやあ、これをみることができただけでも見に行けよかったです
勉強になりましたありがとうございます
物理学者が原爆研究に苦悩する話。
事実に基づく作品なので
淡々と進むストーリーなのは分かってましたが
原爆投下後の話であったり
対立するロバート・ダウニー・Jr側の視点も
描かれており今まで自分が知らなかったことを
知れてよかったです。
2人の対立をカラーと白黒で描くのは
ノーランぽいなと思いました。
ただ、時系列はばらばらで
年数がはっきり分からない部分もあり、
途中登場人物の老け具合で時系列判断しました。笑
彼を取り巻く環境が複雑すぎて、
彼の苦悩は想像以上でした。
人間ドラマとしては素晴らしい作品だと思いました。
にしてもキャスト豪華すぎ!
それだけで見る価値のある作品だと思います。
余談ですがオーストラリアのNetflixで観たので
英語字幕しかなく、セリフ、キャラ多すぎて
しんどかったです。
映画館で観てほしい
池袋グランドシネマIMAXにて鑑賞。
何から話せばいいのか、、たっぷりどっしりの3時間でした。
原爆という、言葉そのものがネガティブなイメージであるのにそこに引っ張られず、あくまでオッペンハイマーの主観、作り上げた科学者視点を貫いた映画となっていました。
映画を鑑賞する際、先入観を持たないよう前知識をあまり入れずに観ることが多いのですが、この映画は時代背景だけでも知っておけばよかったかなと思いました。
まずまず、怖い!!!本当に怖かった、、、。
1人では本当に辛かったかもしれない。それは観終わった後に感想を共有する相手が欲しい!という意味でも誰かと行くのをおすすめしたいです。
IMAXはすっごく音の振動がくる!!!
もう五感に響く恐怖がやってきました、、。
どなたかのレビューに、原爆の表現は弱かった、が、他国が思う原爆や核に対する考えを知ることができた、とありました。
原爆と関わりの深い日本に生まれて、小さい頃から戦争について学び、長崎や広島は修学旅行先でもよく選ばれます。
確かに、本物の核爆発はあんなものではないと思いますし、原爆投下後の被害は全く映されておらず、日本の被害が無かったかのようにも思います。
しかし、原爆に対して使用した国と、使用された国とでの捉え方はこんなものだろうと感じました。
対岸の火事です。(もうそんな規模ではないが)
これは原爆、戦争の話ではなく、あくまでもオッペンハイマーの物語でした。
そこが崩れなかったところが、私のように鑑賞後悶々と映画について考え、鑑賞後考察を見まくるのような、一回で終わらない映画であったと思います。
映画に対していろんな意見があると思いますが、どんな感想を持っても、みんなが「原爆」「戦争」「核」について関心を持ち、意見を交わし合うことにこの映画の意味を感じました。
広島や長崎の地名を知っている外国人はどのくらいいるのでしょうか?悲惨さは映されていなくとも、この映画をきっかけに耳に入るだけで原爆について知る大きな一歩だと思いました。
原爆に関する歴史があり、それを後世の私たちがどう感じるか?にノーラン監督は託して、反戦の気持ちを込めたと受け取りました。
祝賀会にて皮がめくれた女性を自分の娘にしたこと、人型の炭をオッペンハイマーに踏ませたこと、ここにぎゅっと原爆に対する悲しみ、苦しみを込めたんじゃないかなと思いました。
祝賀会で、本当にこれはみんな喜んでるの?と感じました。祝いの会なのにどんどん不安がつのっていく映像に(足音でつくる拍手のような音や、誰かが泣いていたり、吐いていたりなど)混乱しました。
これはオッペンハイマーが後悔や、自分に対する非難、原爆完成を道徳的に過ちだったと感じているシーンと聞きました。
原爆完成後、原爆の1000倍の威力がある水爆も続いて完成され、各国が保有するようになりました。
世界はいつでも自分たちで終わらされるものとなりました。
恐怖は映画の中だけでなく、それが今も続いていることにあります。
オッペンハイマーが原爆を作らずとも、遅かれ早かれこの現実になっていたのではとも思いますが。
知ることは怖いことだけど、1人でも多く核について知り、オッペンハイマーやアインシュタインが恐れていた未来にしないこと、それを繋げていくことが私たちの使命かなと感じます。
映画館でしっかり3時間観て、考えて欲しいという意味で、おすすめの映画となりました。
あーーーー言語化難しい!!!!自分の能力が!!
みなさんのレビュー素晴らしすぎる!!!!!
え、ちっちゃくね?
(音は煩いけど^^)
白人なんだけど人間だよな、だって黒人も中国人もインディアンも牛丼食べるしチャーハン食べるだろうしね、お腹減ったら✋
菜食主義者?あー植物に命は無いって教わったんじゃない?^^
…ゴジラと同じ様に噴煙を見上げるんだけど、俺はそのまま粉塵と共に目線は下におりる…
大人になるってそういう事なのかな…
せめて自分の子供には1回でも多く笑ってほしい^^。
え!?マット・デイモン⁉️アイアンマン⁉️\(*°∀°*)/何かの間違いだろ⁉️やめてくれ!歳はとりたくなお!
社会的制裁と向き合う科学者の苦悩
彼自身の科学者としての探究心、そして何よりオッペンハイマーとも交流を持っていた優秀な科学者を多く抱えるナチスドイツよりも早く核実験を成功させなければならないというプレッシャーがオッペンハイマーを嫌でも駆り立てる。
けれど、結果的にはナチスドイツは降伏し、後は破滅的な状況ながら降伏する気配のない日本のみ。
米国兵を守るため、という大義名分の基に一度猛烈な勢いで走り出し始めてしまった核開発という名の列車は止めることはできない。
そして、否応なく巻き込まれる利権争い。
前半部分が締めへの伏線になっており、気を抜いて観てはいけないので注意。
今作に於いてポップコーンを食べながら鑑賞する人にイラつく
人もいるかもしれない。が映画館を支えるためと思えばよいのである。
原爆作りの成り行きや葛藤と主人公に対する陰謀を交差させた作品。
場面が立ちかわり入れ替わるので内容理解の難易度は高い。
鑑賞後にネタバレサイトなどを見ることを推奨する。評価は上がるだろう。
良い点
・日本人の視点も加味でき得るテーマ
悪い点
・複雑な演出が良いのか疑問
・登場人物がやや多い
恐ろしい物を作って色んな意味で後悔した人の話
オッペンハイマー博士は理論の人で実践は苦手な人です。
ですが天才なので一般人には理解出来ないことを理解出来る特殊能力を持ち、人を説得、やり込める能力も持ち合わせています。天才は常識や倫理観など持ち合わせていません(笑)
そんな彼は数式を見るだけで何が起こるのかが解ります。音楽家が楽譜を読まないで聴いただけで演奏を再演出来るように。
彼には原子爆弾、アトミックボムがどういう結末を招くかをマンハッタン計画が始まった時点で理解していたのです。
本来研究が先行していたと見られていたナチスドイツが降伏した時点で造らなくて良かったと彼も了解していたが、ソ連がそのうち作ってしまうのなら先に造ってしまえと流されてしまいます。
アインシュタインに数式を持って相談に行く場面が最初にあります。
この場面がハイライトだったと思います。
この作品はオッペンハイマーの核開発を描いていると同時に彼と彼を取り巻く人々のサスペンス劇とも言えます。
オッペンハイマー博士は自分の立ち位置を理解した人ではない為率直な意見を言いがちのようであらぬ敵を作ってしまいます。原爆開発はやり遂げますが、水爆は拒みます。これが原因で敵を作ってしまいます。彼は天才で常識人ではありませんが悪魔にはなれなかったし、なりたくなかったんですね。
倫理観は持ち合わせてませんでしたが理性はあったのです。
出演者は豪華、何処で見た人、映画に詳しくない人でも分かる俳優が出演しています。必見の価値ある作品です。
公開後に被爆国である日本、広島、長崎に配慮が無いと意見がありましたが、そんなことはないと思います。
劇中に広島長崎の名は頻繁に台詞に出てきますから。
あと原子爆弾の爆破テストをCGでやらなかったのが失敗とする意見も散見されますが、この作品の主題は核爆弾の開発、プロジェクトX的なものより群像劇、サスペンス劇によせた物ですからそこは重要ではないと思います。
劇中のオッペンハイマーも爆発威力よりもキチンと爆発するかを心配していました。威力は彼に初めから分かっていたのですし。
オッペンハイマーがアインシュタインに数式を見せた時にアインシュタインが言ったようにドイツの科学者と共有して、核開発をお互いに行わなければ原爆、水爆は無かったかと言えばそうではないと思います。
愚かな人類は誰かが同じ物を作ったでしょうね。
それがオッペンハイマー博士だったというだけでしょうね。
あとR15指定なのは観れば分かります(笑)
「原爆の被害云々」という批判は的外れ
科学者オッペンハイマーの異能ぶりに焦点を当てた作品。非常に見応えがあった。「原爆の父」と呼ばれるオッペンハイマーが題材の作品なので、特に日本においては「原爆被害者の視点が欠けている」「原爆の悲惨さが描かれていない」等という批判があるが、それはまったくの的外れ。この作品は原爆がテーマのドキュメンタリーではないし、そもそも原爆の賛否がテーマでもない。あくまでもオッペンハイマーという一人の天才科学者の原爆開発に焦点を当てたエンタメ作品である。
カ◯ティス◯ルメイに勲章を送っている。
「策士でなければ、この国(ワシントン?)では生き残れない」と言う台詞。
ここまで、臭い台詞を言わせて、水爆の製造に反対する議員がJFKとは、僕はこの映画にこそ!策士と言いたい。更に、
元副大統領が「日本人はそれを作った者よりも、それを使った者を恨むだろ」なんて、稚拙過ぎる台詞♥
この計画がなぜ極秘だったか?
つまり、仮想敵国はこの段階では日本。日本に知れては困るのだ。では、なぜ知られては困るか?
投下する前に「降伏」されては最終的成果が得られないからなのだ。
「ドイツ」「ソ連」には使うつもりなど最初からない。日本へ落すのは最初から決まっていた。この映画から、それがよく分かる。アイゼンハワーの名を出すが、ドイツ系アメリカ人なのは誰でも知っている。また、フォードもドイツ系(?)で、親ナチス。若しくは、反ユダヤ主義(?)だ
民主党主導のアメリカ合衆国が、「自由と民主主義を守る為の行為」として「正当化して来た経緯」がよく分かる。ルーズベルトは何も知らなくて、後を継いだ間抜けな大統領が平然と愚行を冒した。
さて、東京大空襲(原爆以上の10万人を一夜)の爆撃の計画を練ったカーティス◯ルメ◯に勲章を送っている。
あの間抜けな大統領よりも我々はもっと空気が読めていないのかもしれない。
ネタバレあり
最後の場面を見て、
追記
原子爆弾、水素爆弾の問題では無い。それを利用したエネルギー政策に一石を投じている様に僕は感じた。
この当時のアメリカ合衆国を描いている様だが、黒人が1人だけ手てくる。史実かどうか理解し難いが、なんかわざとらしい。
追記
オッペンハイマーさんの山高帽。
どっかの国の誰かに似ているのが、何か狙いがあるのかなぁ?まさかね。
使い捨ての英雄になるまで
恐怖をみせつけ相手を降伏させ平和を守るという大義のもと、政府の計画の主役になった天才の頭脳。
そして日本への原爆投下を遂げアメリカの英雄となるオッペンハイマーはその一方で成功の罪に苛まれていく。
幻想シーンは自分自身を追い詰める様子が見事に表現されており彼の苦悩の程がよくわかり苦しい。
いや、罪なき命を一瞬にして奪う兵器の開発をすすめてしまった報いならばそれは甘いくらいなのかも知れない。
なぜなら現地には比べようもないくらいの地獄が広がっていたのだから。
しかし、彼がどんなに悔やもうがその危険を止めるボタンはすでに手元にはない。
これが一番の恐怖なのは、世界の現在、未来に続く〝脅威〟だからだ。
英雄を賞賛する関係者や民衆が喜ぶシーンのおぞましさを味わうのはそのことを知っている私達ならではだろう。
鑑賞後、レビューを書くにも気持ちが前を向かずにいるなか、オッピー、オッピーと歓喜と感動に浸る人々の笑顔が瞼の奥にこびりつく。ダンダンダンと賞賛をあらわす重い音が耳のなかでリフレインする。自己中心性と想像の欠落した熱いコールのうねりが人間によって迎えるこの星の終焉の可能性を告げていることに震えるのだ。
そして物語が進む中、そこに至るものがみえてくるとさらに唖然とする。
より強く、より速く相手を凌ぐために〝陰にとどまる権力〟の陰謀に包囲された使い捨ての英雄オッペンハイマー。
本質を見抜く目が茫然と自分から去ったあの時、水面に歪む自分と背後の世界にとりかえしのつかない未来が渦巻いたのを彼はみたのだろう。
答えを出された蒼白の顔を思い出しては考える。
人種や思想の差別、国同士の権力争い、とまらない確執…次の開発に反対した彼の人間性をそこに垣間見れたものの時既におそし。
悪意を帯びて転がっていく悲劇の過去から人はなにを学んだのか。果たしてここからの希望をどうつなげていけばいいのだろうか。でも諦めたら最後だ。もはや瓶のなかの蠍が2匹だけではないことをわかっていても。
修正済み
とにかく音が凄い 大気が破壊されるかもしれないと分かった瞬間がわか...
とにかく音が凄い
大気が破壊されるかもしれないと分かった瞬間がわからなかった
オッペンハイマーがほぼ0だといい、0がいいって言ってるマットデイモンがよかった
最後のピースを埋まり方で感極まった
アインシュタインは科学者が越えてはいけないラインを知っていたかのように見える
そして敬意
凄まじい
時系列が半分?くらいわからなかった
ただ何が起きているかは大体わかる
情報を整理してからもう一回、もう一回見たい
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