大阪カジノのレビュー・感想・評価
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実話をもとにしたヒューマンドラマ
今までの石原監督作品とは違った一面を見ることができる作品。
主人公は元保険トップ営業マンでという事で、頭の回転が早く、新しい戦略によって、倒産寸前のパチンコ屋を立て直していく。個性溢れるキャスト陣をその役どころに上手くセッティングしている。特に主人公の杉村(木原勝利)と絡む、まる暴役の中島(パラゴンつよし)は迫力ががあり、いい雰囲気を醸しだしている。これからもナチュラルな演技に期待している。また、この作品においては縁の下の力持ち的な存在である。
大阪カジノは数多くの劇場にて公開してもらいたい作品です。
アニソン歌手!?
父親が経営に失敗し破産させようとしていたパチンコ屋を引き継いで立て直した男の話。
怪しげな個人経営の保険屋のトップ営業マンだった主人公が、父親の夢だったカジノ王になるという夢を掲げて立て直しを図るけど、差押えの赤札まつりで運転資金を貯金から持ち出す始末、そして地獄の日々を送ることになるストーリー。
実話ベースだし、実際に仕事は出来るんだろうけれど、応えることが出来なかった従業員の本音への涙はちょっと違和感も…そしてやりもしないでの言い分も判るけれど、制服や日帰りはなんだかズレている様な…まあ、少し前の時代だからかね。
出来事としては面白いけれど、今どのくらい経過してどのくらいの収益を出しているかとか状況が見え難いし、残念な演技の演者さんが多いし、演出も抑揚があまりなくてイマイチ盛り上がらず、説明の為の再現映像をみているような感じだった。
大阪カジノ エピソードはもっとあります
大阪カジノ
大阪十三にある映画館「第七芸術劇場」にて鑑賞 2023年7月23日
かつて大阪には「カジノ王」と呼ばれる人物がいて、その生きざまを描いた作品
石原貴洋映画監督はその人物を知っており、匿名を前提に制作したドキュメンタリー
主人公の杉村(木原勝利)は、優秀な保険の営業マンだったが、倒産寸前の父親のパチンコ店を引き継ぐことに。資金繰りの地獄の中、
杉村は「俺はカジノ王になる」と豪語、妻の優子(橘さり)、杉村の右腕的存在垣内(大宮将司)によって借金完済、パチンコ店は復活を遂げて、大きく成長していく。杉村は常識にとらわれない新しい方針や戦略を打ち出しては波紋を呼んだ。
「お客様を第一に考える」ことを貫き「人を稼ぐ」という独自の方針による経営方針。
温泉旅行を提案したりした
さらに成長を遂げて、30億融資となる勝負に打って出る
大手銀行役員会議では黒幕(フィクサー)が登場し、役員に対して
黒幕「君らに聞きたい。今ここで、私に将来の展望を語れる者はいますか?自分のことや自分の家族以外のことで、将来のことを語れる者はいますか?大阪の景気を底上げしようとする具体案や展望をもつ者はいますか」?
役員はポカンとしている。眉をひそめる者もいる
黒幕「一億でも十億でも百億でもいい、そのお金を手にしたときにどういうお金のの使い方をしたらいいか、具体的に考えたことがある者いますか?いたら私に披露してみてください」
役員一同黙り込む
黒幕「いませんね。杉村さんは私にハッキリ展望を語りましたよ。しかも不意打ちの質問に対しても、堂々と語った。」
役員一同 バツが悪そうな顔になる
黒幕「彼みたいな者を本物と言う!
実力ある彼は誰よりも謙虚や
誰よりもお客さんのことを考えとる。
自分の保身しか考えていない君たちとは大違いや
少しは彼から人生を学びなさい。疑うんやったら、彼と面接すればいい。
彼は目先の利益だけを追求する人物やない!本物や」
舞台挨拶で監督はこう語った。
かつて大阪には、理解ある人物が何人もいて、発展をとげたいう歴史があります。
産業としてのカジノ
本作でのパチンコなど、いわゆるギャンブル系の娯楽は、人の射幸心をエッセンスとする産業ですし、その遊技の環境も、あまり健全・健康的とは言えないのですけれども。
しかし、いわゆる「のめり込み」の問題は、こういう娯楽施設を利用する側の問題であって、庶民にひとときの娯楽を与える産業が、一概に否定的な評価が該当するとも言えないのではないかと思います。
(当のパチンコ店の方でも、そういう社会的な「立ち位置」は敏感に感じ取っているのか、交通安全運動の街頭啓発や、海岸清掃などのボランティアには、積極的に人を出してくれているようです―もちろん、店名入りの揃いのジャンパーなどを着用の上のことですけれども)
ちなみに、離婚に際して定められるべき子(未成熟子=未成年の子)の養育費として、法的には「未成熟子が独立の社会人として成長自立するまでに要するすべての費用」が認められるとし、衣食住の費用、教育費、医療費と並んで「適度の娯楽費」も含まれるとする文献もあります(「Q&A高齢者・障害者の法律問題」民事法研究会刊、日本弁護士連合会高齢者・障害者の権利に関する委員会編、2005年)。
本作は、別作品『大阪闇金』など(主として大阪を舞台に)社会の闇部を描いてきたと、映画コムの作品解説では紹介されている石原貴洋監督の手になる作品として鑑賞したものでしたけれども。
その評に違(たが)わない、なかなかの良作だったと、評論子は思います。
(追記)
<映画のことば>
倒産しかかった親父のパチンコ店を引き継いで、すぐの頃はまあまあの地獄でした。
引き継いで一ヶ月後は、本当の地獄でした。
でも、引き継いで三ヶ月後には、ただの忙しさになっていました。
地獄の真っ只中にいるときは、この地獄は永遠に続くやろと思ってました。
何でかと言いますと、希望が見えなかったからです。
何度も、心が折れそうになりました。
悔しゅうて、悔しゅうて、毎日、人陰で泣いていました。
精神的に追い詰められて、幻覚で、天井から首吊りのロープが見えたこともありました。
それでも、諦めないでやってきました。
諦めるなんてことは、どうしてもできませんでした。
あの地獄は、遠い昔のように思えます。
何事も、同じ状態がずっと続くわけじゃないんですね。
諸行無常とはこのことかと、気がつきました。
別に娯楽産業に限ったことではなくても(否、むしろ景気の波に洗われやすいと思われる娯楽産業であってみればなおのこと?)事業に浮き沈みは付き物で、「風が背を押す日もあれば、雨が胸突く、肩たたく」[松原のぶえ歌唱「演歌みち」]という日もあることでしょう。
評論子には映画がありますし、生来「学ぶこと」が好きで、研究的な好奇心は泉のように湧いてきて、汲めども尽きない毎日なので、何とか、心を折らずに持ちこたえられているという一面は、あるかとも思います。
<映画のことば>
毎日しっかりと働いて、
家でしっかりと休息を取る。
人間らしい生活って、最高ですね。
(追記)
前掲の「Q&A高齢者・障害者の法律問題」によれば、「適度の娯楽費」も、養育料(養育費)の対象となるとのことですけれども。
そうすると、養育している子どもが契約したアマプラや、TSUTAYAディスカスの料金も「適度な娯楽費」として、例えば奥さんが別れたダンナに請求する養育料の算定の基礎になるのでしょうか?
それくらいは「適度な娯楽」に含まれるだろうと考えるのは、決して評論子だけではないと思います。
(ちなみに、本作のDVDは、TSUTAYAディスカスの単品レンタルで借りました)
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