青春ジャック 止められるか、俺たちを2のレビュー・感想・評価
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木全、映画館始めるってよ
「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」ATG的で時には残酷だった前作とはテイストが全く違っていたのにびっくり。理想と現実との乖離への焦燥、挫折を描いているのは同じなんだけど、ひたすら前向きで肯定的な王道青春映画になってたな、うん、楽しかった。屋上シーンの東出昌大のあるセリフに涙。
「桐島、部活やめるってよ」で主人公の映画オタクと対照的なスクールカーストの頂点にいるが空疎感を抱える学生役を演じていた東出昌大が、今作では逆に、映画を愛して、理想の映画館を作るために悪戦苦闘する役を演じているのも面白かったです。
牧野の講義は面白かったなあ
若松孝二が名古屋にひらいた映画館「しねますこーれ」を中心とした群像劇。
ということで、名古屋で生まれ育ち、河合塾で当時の名物講師「現国の牧野」の講義をナマで聞いたことがある世代としては大いにハマる映画だった。 ちなみに木全(きまた)姓ー愛知ローカルでわりといる姓ーの親類もいる。
逆にそういった思い入れがないと、入りこみにくい、やや普遍性には欠ける映画。(いや、面白いけど) ただ若松本人に焦点をあてて、過激なつくりの前作よりは呑み込みやすい。
名古屋が舞台のわりに、ひとびとの会話の名古屋弁成分がちょっと薄かったのは気になった。
井浦は前作に続き、個性的なべらんめいの若松孝二を魅力的に演じていてとてもよかった。
東出は主役よりも、準主役か脇にまわるとおとなしめなキャラクターがハマる気がする。ただし脇だとあの長身が目立ちすぎるかなあ。本作でも井浦との2ショットを除き、他の役者さんと並んだショットは前屈み気味で身長差を小さく見せていたように思えた。
河合塾の牧野の講義は、映画で描かれていたとおり、ビール片手で脱線のし放題。教室には生徒が溢れていた。成田闘争でカブトムシ(機動隊員のこと)相手に丁々発止やりあったこととか、機動隊のバスに火炎瓶で炎上させるにはどこを狙うかなんてアブナイはなしをしてました。現代のポリコレ社会では想像もできないだろうけど。
ただで起きない為に転べ
若松孝二監督が作った名古屋の映画監シネマスコーレとそこで働く映画好きな人達の話。
1982年、文芸坐で働いていたが辞めて結婚し、名古屋で就職していた木全に若松孝二から電話がかかってきて、自分が作る映画館の支配人になって欲しいと持ちかけられて巻き起こっていくストーリー。
前作では若松孝二監督達のもとで一緒に映画をつくる吉積めぐみに足立正生他少々だったけれど、今作では若松孝二のもとで映画を作りたい井上淳一と彼に嫉妬する金本法子、そして劇場を運営する木全純治という構図。
続編ということではあるけれど、監督も違うし毛色も全然違う印象で、当時の時代を背景にしつつも単純に悩める映画好きな若者達と若者の手助けをする若松孝二という感じ。
前作も嫌いではなかったけれど、今作は小難しい事言わず面白い映画だったし、前作を観ていなくても楽しめるつくり。
ただ、ラストのタイトルバックの後は前作をみていないとわからず、みているとちょい胸熱な感じかな。
エンドロールで燃えろ青春の一年が少々…自分は観賞したことないので結構気になった。
ただで起きないために転ぶ
映画愛が溢れてる(T_T)
映画が好きで色いろ観てきましたがこんなに映画愛に溢れた映画は無いかもしれません。
ミニシアターも好きで、自分には合わなと思う映画もありますが、自分だけの宝物を見つける感覚は、他には例えられないものです。
ミニシアターの応援にも涙してしまいました。
私は、この映画を観るまでは若松監督を知りませんでした。
1作では、しょうもない人だな、と思いましたが、2作目を見ても、しょうもない人だなと思いましたが、カリスマ性とか愛情とか、とても好かれていたのだと泣けました。最後のカットはとにかく良かった。
韓国映画もよくみますが、なるほど、カット割りってなんでも良い訳じゃないんだなと。いろいろとメッセージがこもった作品ですね。
1作目の白石監督も好きな監督で、なんで監督が変わるのかと思いましたが、途中で理由に気が付きました。
唯一、音尾くんを期待してしまったが、残念です。
井浦新も東出昌大ももちろん良かったけど、芋生悠も良かったですね。
テアトル新宿は聖地。
何度か近くて映画を観ていましたが、初めて行きました。
満席とは行きませんが、私よりも先輩のオールドファンが多数。観客が声を上げて笑えるシーンもあり、映画館で観てよかった。見ず知らずの方々ですが、なんか共感。
映画好き、ミニシアター好きは是非映画館で観て欲しいと思いました。
「監督・脚本 井上純一」
私が映画を趣味にしてから10年弱が経ちますが、前作『止められるか、俺たちを』を劇場鑑賞した2018年を振り返ると、その年の劇場鑑賞作品総数は190本。当時は鑑賞都度のレビューは書いておりませんでしたし、休日には1日に数本梯子することもあって、今に比べると若くて体力、記憶力があったとはいえ、少々「雑な観方」であったことは否めません。
そもそも前作については「白石和彌監督作品」というのが劇場鑑賞を決めた理由であり、正直、若松孝二監督については「いくつかの監督作品について鑑賞した記憶がある」程度の知識で、あまり思い入れがなかったと思います。その後は若松監督や本作に名前が出てくる方たちの作品も観て知り、今回は逆に(井上)監督ではなく「若松孝二への興味」からすぐに劇場鑑賞を決め、公開週の土曜にテアトル新宿へ遠征です。
鑑賞した感想は、思いのほか良かったです。それはまず前述したとおり、私自身が映画を当時よりも多く観て知ったことが一つ。そして、71年生まれ(年号で言うと若松監督に聞き返されます)にとって、本作の時代感に明るいことが一つ。さらに、前作の作品性が少々暗い印象だったこともあり、本作のたまに笑える雰囲気が意外に感じつつもむしろ好印象で、劇場の雰囲気も良かった気がします。また、こう書くと「観る人を選ぶ」と思われそうですが、そこも前作よりもいい意味で万人受けする作品に仕上がっていると思われます。
そして井上監督が脚本、プロデューサーを務めた『福田村事件(23)』繋がりですね。前作からさらにアップグレードされた憑依演技の井浦さんがサイコウなことは言うまでもなく、相変わらずのヘタウマな味わいの東出さん、そして今回も東出さんのパートナー役、コムアイさん。さらに小さい役ですが「バーのママ役」田中麗奈さんの見過ごせない女っぷりは、なるほどあの時代の脂ののったオジサマ方が通う店として説得力があります。
そして終盤、下手を打つと「蛇足」に成りかねない演出ですが、井上監督の若松監督に対するリスペクトや愛を感じ、想像を超えて感動します。「今回は井上監督ではなく」なんて、井上監督、申し訳ありませんでしたと思いつつ、流れるエンドクレジットにジーンとしていると最後に「監督・脚本 井上純一」。正直思わず泣きそうになりちょっとすぐには立ち上がれませんでした。しみじみと良かったです。
噂真の岡留
”映画愛”と”人間愛”溢れる熱き青春映画
若松孝二監督が代表を務めていた若松プロダクションを巡る青春群像劇でした。エンドロールの出演者の順番では、若松監督役を務めた井浦新がトップに来ており、確かに本作の中心には若松監督が間違いなく座ってはいました。ただ物語的には本作の監督を務めた若き日の井上淳一を演じた杉田雷麟と、本作の舞台である名古屋の映画館「シネマスコーレ」でバイトをしていた大学生である金本法子役を演じた芋生悠の2人の若者の物語でした。
”青春”なんていつの日のことかと思うほど遠い昔になった世代の私としても、若松監督やシネマスコーレの支配人である木全純治(東出昌大)という若者を見守る2人の眼を通して井上と金本の2人の若者を観られたせいか、”青春”が実に身近に感じられ、心が沸き立つような感動を覚えました。
特に心地よかったのは、登場人物たちの”映画愛”であり”人間愛”でした。若松監督の器の大きさにまずは魅せられ、サラリーマンを辞めてシネマスコーレの支配人になった木全と彼の妻との夫婦愛に温もりを感じ、映画の世界に身を投じようとする井上の両親の息子に対する優しさに触れ、そしてもがきながらも仲間を見つめた井上や金本の純粋さに遠き”青春”の日を思い出すなどなど、どれをとっても観る者の心を掴んで離さないものでした。
あと、映画の内容とは関係ないものの、封切り初日のテアトル新宿で行われた舞台挨拶の回のチケットを、残り4枚のところギリギリでゲット出来ました。劇場は満員御礼。そして上映終了後に井上監督はじめ、井浦新さんや東出昌大さんをはじめとする出演者や、音楽を担当した宮田岳さんに中野ミホさんが登壇され、一層の盛り上がりを見せました。エンディングテーマの生演奏を聴けたのも僥倖でした。
そんな訳で、内容も良かったし舞台挨拶も非常に印象深いものだったので、本作の評価は★5とします。
手がかかると睨まれてたのか昇進まで3年→4年に
2024年劇場鑑賞22本目 傑作 78点
テアトル新宿お昼過ぎの初日舞台挨拶にて鑑賞
作品も勿論良かったし、前作より好みだがどちらかというと登壇された20人近くの若松プロの意思を引き継ぐ俳優部の情熱に呑まれた印象が強い
タイトル通り、青く駆け抜ける青春を映画という結晶に閉じ込めるという意味で青春ジャックは良い名前で、それに加えてこのレビューの表題にもある昇進に3年から4年に伸びているのは、若松孝二の映画人としての生きた血から見えた杉田雷麟のパッと見の印象から前作の門脇麦より手がかかると思ってのセリフと同時に、彼女をいったら弟子に置きながら制作をともにしていたが、次第に映画人として生きるギャップは勿論、心身ともに過酷な状況に追いやってしまった多少の負い目もあっての今回は大切に育てたい、一歩下がったアプローチをしていきたいなどの背景が窺える
でも若松孝二の人間味は健在で、昭和のクソジジイの声の抑揚や発声、気性が荒くすぐ見かねて登場して手を出してしまうシーンの数々は、またやってらぁと思いながらも特に撮影のシーンなんかはコントの様で堪らなかった
2-3年後くらいには3をやってほしいね、井浦新監督で
シネマスコーレ
1980年代、監督の若松孝二は、名古屋にミニシアターを作るため動いていた、
シアター名はシネマスコーレ、このシアターと監督に引き寄せられた、映画を愛する人達の物語。
こんな感じの映画です。
名古屋の出身で、脚本家であり監督でもある、井上淳一さんも、青春時代に客として、このシアターに通っていたそうです。
本作は、井上淳一さんの脚本と監督による作品で、監督自身の青春時代も描かれます。
シネマスコーレで行われた先行上映に行ってきましたが、
シネマスコーレの席に座ってシネマスコーレが舞台の映画を観るという、シュールな体験(笑)
面白かったです♪
名古屋人なら、シネマスコーレに通っている人なら、より楽しめます(笑)
井上淳一さんは『福田村事件』の脚本も書かれてますが、
本作のキャスティングは『福田村事件』とカブってて、豪華です(笑)
本作は『止められるか、俺たちを』の続編という事ですが、前作は観ておりません。
でも困らず楽しめました。
前作も観てみようと思います。
今作の舞台「シネマスコーレ」での超先行上映‼︎
若松孝二監督が名古屋に作ったミニシアター「シネマスコーレ」を舞台に描いた群像劇。
若松監督が代表を務めた若松プロダクションの黎明期を描いた白石和彌監督作「止められるか、俺たちを」の続編と言って良いかと。
若松監督役は井浦新さんが続投、そして名古屋の映画好きなら知らない人がいない木全支配人を東出昌大さんが演じた。
とにかくお二人のやりとりが超絶面白い。
そして前作で脚本を担当した井上淳一さんの監督・脚本。自身の経験をもとにされたとのこと。
映画監督を目指す若き日の井上さんを杉田雷麟くんが、映画を志しスコーレで働く女子を芋生悠さん💕が演じた。
そう、夢を追う若者たちの青春映画としても十分楽しめた。
まあ、長年スコーレに通っているので強い思い入れがあるのだけど、それを差し引いても映画愛あふれる傑作だと思う。
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