青春ジャック 止められるか、俺たちを2のレビュー・感想・評価
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井浦新舞台挨拶とサイン会レポ
年度末忙しい〜
年度始めに仕事抜けていいのか?と悩むこと5分。仕事と井浦新だったらどちらか答えは明白です。もし行けないとしても、1300円だったということもあり、チケットを買いました。
まずは映画の感想をまとめていうと、
岩松監督を知ってる人が見れば面白いけど、全く知らない人がみるとどうかなといった映画でした。年度末の忙しさのなか前調べもなく、見に行きましたが、正直、調べた方が良かったなと思いました。
でも、舞台挨拶も含めて考えると行くか迷っているなら行くべきです!!行こう映画館に!
私は仕事をしれっと抜け、電車に揺られ、時間ギリギリ映画館に着きました。すると、狭い館内は井浦新効果で女性が多く、若い子から主婦までいて、私ひとりじゃない。みんな同じだと思いました笑
さっそく物販に並びパンフレットを買いました。物販に並びながら前の人とどの作品で井浦新さん好きになりましたか?という話題で盛り上がり楽しかったです。
映画自体は、岩松監督も知らないので、他人のホームビデオをみてる気分でした。
カメラも手ブレが酷くスタビライザー使って欲しかったり、ピントがオートになっていて通行人でズレるなどお粗末でした。
井浦新の演技は、声を変え、しかめっつらのままサングラスをしていて、井浦新らしさはなくなっていました。井浦新をみたくて見に行くと若干違います。でも、その癖ある演技で後半は笑いを誘ってました。
東出は離婚騒動でイメージは悪かったですが、この映画では東出がいてよかったなと思いました。演技は丸々コンフィデンスマンのまんまでしたが、それでも映ってる間はまだ見れました。
こんな物腰の優しい感じだったら、杏ちゃんも騙されるなと思ってみてました。あと、終始東出は猫背で、よくよくみると家の中のドアとかでも屈んでて、この世界は東出にとって窮屈すぎないかって思いました笑
東出の家にあった調味料入れや砂糖入れが実家にあったのと同じであーあれなつかしい!ってなりました笑
全体的に、この映画は自伝みたいなものなので特にストーリーはなく、うちわで楽しむものなのかなと思いました。映研の延長線のような映画です。
そして、映画も終わり、歌と舞台挨拶が始まりました。
生歌は歌うまくてこの歌聴けただけでも1300円払ってよかったんじゃないかって思いました。
舞台挨拶は岩松監督の誕生日ということもあり、前作に出演した方が出てました。(1をみてくればよかった)
そして、ついに、井浦新登場です。
まさか、通路から来ると思ってなかったので、びっくりしましたが、近く通っただけでオーラやばいしかっこいい。なんならかっこよすぎて絶対近づけない笑笑
しかも、髪上げてる。泉ポヨみたいな髪型もいいけど、上げて髪型決めてるときめちゃくちゃかっこいい😎
舞台挨拶は編集のお話や、1の出演者が多いかったので1のお話や、最後に井浦新さんの映画館に脚を運んでみることがいかに大切かといった熱いお話でした。あっという間に終わってしまいました。
その後、サイン会はあると知らずパンフレットを買っていたのですが、パンフレットを買うとステージに並んでいた方々からサインをいただけました。
もちろんその中には井浦新もいるわけで、、
ふつーにいるんですよ。そこに。
画面越しでもかっこいいのに
本物もっとかっこいいのかい!!
監督や出演者さんたちひとりひとりにサインをもらい、そして、ついに井浦新さんの前に。
目めちゃくちゃ大きいじゃん。
やばやばやば
さっさっとサイン書いて、ありがとうございました。ニコっ(笑顔やばい)というだけでしたが、
キラキラしすぎてて本物かっこよすぎない???
間に画面がないとこんなかっこいいの??
とにかくかっこよかったです。
はるばる2時間満員電車に揺られきたかいありました😂😂
これパンフレット代だけでいいんですか?
もし、井浦新ファンで行ける舞台挨拶があったらいった方がいいです。間違いないです。
愛に溢れた作品 映画の愛もそうだけど、 人も愛おしいし、魅力的だし...
愛に溢れた作品
映画の愛もそうだけど、
人も愛おしいし、魅力的だし、
みているこちらも優しい気持ちになれる
二人の監督の作品を、これから意識して見ようと思う
ミニシアターにもっと足を運ぼう!
個人評価:4.5
映画愛に溢れる作品。
80年代に舞台は移っても、パート1からのテンションそのままに井浦新の若松節も健在で心地いい演技。
映画を作りたい若者の衝動。その燃えたぎる青いままの原石を、井上監督が自ら描くのは面白い。
怒りを作品に込める。若松監督らしい映画論が反映され、パート2も素晴らしい作品だった。
ミニシアターにもっと足を運ぼう!
エンドロールで納得
これってどこまでがホントなのかなぁ?なんて思いながら観てました。若松孝二監督はもちろん知っていたので実話をベースにしたんだろうけれど…。最後に亡くなる直前と思われる若松孝二監督の回想。そこでも監督は井上君へのダメ出し。この映画が実話に基づいたものならば井上君はどうなったのか。気になるし、心配にもなる。
エンドロールで実際に赤塚不二夫の出ている小さな映像が流れる(眼を凝らして確認)。それは映画の中の河合塾のCM映像とまったく同じ内容(もちろん出演者は異なる)。そして最後に「監督・脚本井上淳一」のクレジットが。そうか、そういうことか。
(映画観る前に監督の名前くらいチェックしておけよって?…見たんだけど覚えてなかったんです)
コンプレックスが無いなら自ら転ぶのだ
6年前に白石和彌が撮った若松孝二プロダクション物語「止められるか、俺たちを」の続編である。前作のメイキングを見ると現場で白石監督が手にしている脚本の表紙には「青春ジャック(若松監督の「性賊 セックスジャック」へのオマージュか?)」と記されており、もともと一作目もこのタイトルであったことが分かる。前作の設定が1969年で若松プロが最も躍動していた時期の「映画作りの映画」であったのに対し今作は「反体制」の社会的熱病が冷めきり映画が斜陽へとまっしぐらの辛い時代(1982年)に若松孝二が名古屋に作ったミニシアター「シネマスコーレ」を取り巻く名古屋版ニュー・シネマ・パラダイス。とにもかくにも映画に人生をジャックされてしまった人々のお話で、冒頭は文芸地下で番組編成していて結婚を機に故郷の名古屋に戻った東出昌大扮する支配人の木全(きまた)さんが主人公かと思わせておいて途中からそろりフレームインしてくる井上青年(18歳の井上淳一監督自身!)が物語をジャックしてしまうという一粒で二度おいしい構造になっている。なんせ80年代初頭は名画座目当てに東京(実は埼玉)に出てきた私が最も邦画を観ていた時期と重なり「爆裂都市はがっかりだったけど水のないプールが良かった」とか「ピンクでも滝田洋二郎のような面白い映画がある」とか台詞の随所に映画愛があふれていて楽しい。シネコンでやっていないので久しぶりに柏のキネマ旬報シアターに出かけたのも良かった。通路を挟んで隣の同年代と思われるおやじが井浦新扮する若松孝二が「大林の三本立てなんかやるから(客が)入らないんだよ」と怒鳴るシーンで大笑いしており、それを見ている現状が映画のテーマとシンクロしていて学生時代に良く行った銀座の「並木座」を想起した(客席の真ん中に大きな柱がありスクリーンに没入できないのだ)。全体に奇をてらった盛り上げや葛藤が無く好感が持てるのだが何といっても木全支配人の奥さん(コムアイ)が凄く良くて幸せ!カレーに肉が入らなくても全く問題ないのだ。
映画を愛した人々の映画
若松監督は、politically correct(ポリコレ)やハラスメント等の概念がなかった時代の「映画監督」のイメージそのもの。そのカリスマ性で周囲を自分の思う通りに引っ張っていく。自分の映画を上映するミニシアターという夢を押し通し、実際の経営は支配人に押しつけ、ピンク映画をやって金を稼げという。撮影現場ではスタッフを罵倒しまくりつつ圧倒的な監督ぶりを発揮。
いっぽう、弟子入りを直訴する若者に対するごくまっとうな対応からは、優しい心をもった常識人であることがわかるし、東北訛りの抜けない喋り方や「ザ・映画監督」を演じているかのような自己演出には何ともいえないおかしみ、人間的魅力がある。
ここまで魅力的に演じられたのは、『実録・連合赤軍』以降の若松監督の作品すべてに出演した井浦新ならではだろう。若松監督という人の本質を十分に体現し、井浦本人もこの役を目いっぱい楽しんだのではないか。
この映画の白眉は東出昌大演ずる木全支配人。この人の映画愛と、人としての強さは尋常ではない。王様の思いつきで始まったミニシアター、普通ならすぐに潰れただろう(というより開館しないだろう)が、なんと40年も経営し続けた(シアターは今も継続中)。自分の映画以外は客の入るピンク映画をやっておけという若松監督に対し、木全支配人は良い映画をかけたい一心で、驚異的粘り強さで交渉をすすめる。にこやかで腰の低い、見た目は地味なごく普通のオジサンだが、「これからこれから!」と常に前を向き、ぶれず焦らず、少しずつ、インディペンデント映画の上映を実現させてゆく。これだけ強い人はそういないだろう。
東出昌大は、「背が高い」という印象がまったく残らないほどに格好良さやカリスマ性を消し、目立たない(がとんでもない力を秘めた)オジサンになりきった。すごい役者。
芋生悠演ずる映画監督志望の大学生、金本法子はフィクションらしいが、1980年代の日本社会とそこでの女性の立場を知る人間にとっては胸が痛くなるキャラクター。この時代に自分のやりたい何かをやろうとした女性の直面した辛さ、自信のなさ、孤独感、苛立ち、嫉妬、無力感、そしていくらかの甘え、等を、男性脚本家がこれだけ的確に描きだしたこと(そして芋生が清新な演技で見せたこと)に本当に驚かされた。その脚本家とは、本作監督でもあり、本作にダメダメな「才能がない」青年時代の姿(杉田雷麟)が登場する、井上淳一である。才能はあったのだ。
面白かった!!
若松監督のことは何も知らなくて観たけど、彼の映画に対する熱意や優しさが気持ち良かった。
登場人物それぞれが色んな悩みや葛藤を抱えながら生きているけれど、赤塚不二夫が出てくると「これでいいのだ」と今の自分を許して前に進ませてくれる気がした。
上映中、ずっと涙が流れていました。
観客は半分くらいの入りで、50代の私が若手です。
昭和40年代生まれにはたまらない、懐かしい風物や人との距離感に、上映中ずっと泣いていました。
この頃の大人は、我が子や身内、教え子やからとか関係なく、地域で子どもや若者を育てていました。
私も、親だけでなく、祖父母やおじおば、地域のおっちゃんやおばちゃん、先生、先輩や上司からの愛を感じて育ちました。
井上くんも、若松監督に怒鳴られまくっていたけれど、それは井上くんへの愛と期待があるからです。
井上くんの成長と、エンドロールの監督 井上くんを観れただけで、心満たされました。
作中、若松監督が、井上くんに、「お前の撮りたいものはなんだ」と訊くシーンがあります。
井上くんの答えに、「そんなんじゃねえんだよ、お前が怒っているもんを撮るんだよ!」とすごむとこ、すごくガンと来ました。
私の中にも、怒りはあって、でも変えることはできないよねと諦めて、蓋をしていたことに気づきました。
今年、そこに向き合っていきます。
ホンマに、色々気持ちが動いて、実り多い映画でした。
この作品を知ったきっかけは、前日にFM802で、同年代のDJが熱くこの映画を語っていたから。
不思議なご縁に心から感謝です。
何にもない
何にもない、何にもない、全く何にもない。
コンプライアンスもない
ハラスメントもない
SNSもない
そんな時代にあったエネルギーを画いた作品です。
あの頃のシネマスコーレも、名古屋も懐かしいですね(個人的にしみじみ)
観る専門ですが感動しました
映画愛に溢れた作品でした
井浦さん演じる若松監督が似てるのかどうか分かりませんが、こういう人居るな〜って面白かった。
怒ってばかりなのに、実はお茶目で優しい人柄なのが良く伝わってきました。
井上監督の撮影現場を見て、
木全支配人が若松監督に自分が掛けたい作品について
詰め寄る姿にとてもとても感動しました。
そういう作品を上映してくれる場所が無かったら、今私の充実した生活は送れていません。。
映画館で観る映画が好きなだけの、こんな私の事を
何か認めて貰えたような気がして嬉しくなりました。
今日は舞台挨拶で井上監督と芋生悠さん藤原季節さん毎熊克也さんが前作の時の事も含めて色んなお話を聞かせてくださいました。
更に、最後に井浦新さんも加わって皆さんでサイン会もして下さいました。
とっても幸せな時間を過ごせました。
ありがとうございました。
金本法子の物語を演じきった芋生悠に拍手を。
前作「止められるか、俺達を」は1969年から吉積めぐみさんが亡くなった1971年頃までが舞台。(前作を観ていない方に念のためお伝えしておくと若松プロの事務所に掲げてある門脇麦の写真、あれが吉積めぐみさんの遺影という設定です)
本作品はシネマスコーレがオープンした1983年頃の話で前作との間隔が10年以上ある。私自身の学生時代(口はばったい言い方だが青春時代)はすっぽりこの間に収まってしまう。前作の時代は子どもだったし本作の時代は既に会社勤めをしていた。ということであまり同時代感はなく、そういう観点でこの映画を味わうことができない。
そこで芋生悠に注目し彼女の演じる金本法子の姿を中心に観た。この映画は、群像劇であり、主役それぞれの物語である。ただし、どちらかというと若松監督と木全支配人は保護者的に後景に退いており若い井上と金本2人それぞれの物語であるといっていいかもしれない。
金本は「三重苦」で苦しんでいる。このうち「才能がない」は本人の問題だが「女である」と「在日朝鮮人である」ことは全くに本人の責任ではない。金本は苛立ち、他人を攻撃する。他人がのうのうと有利な地位を占めること、そして卑怯にも逃げ出すことを許すことができない。
この人物像を演じきった芋生悠が素晴らしい。彼女は演じる役それぞれで雰囲気をガラリと変えることのできるカメレオン役者であるが(「朝になるとむなしくなる」も「夜明けのすべて」も脇役ではあるが素晴らしかった)芯の強さを感じさせる役を演じさせると若手女優の中ではピカいちである。
ちなみにレビューではどなたも触れていないようなので敢えて言及すると、在日外国人の指紋押捺制度は2000年まで存在した。特別永住者(戦前から日本に居留していたものとその子孫)への指紋強制は1993年で一応中断されている。つまり映画の時代から10年間の闘いを要しているのである。
最後に下世話な感想をひとつ。金本は男性と「寝る」って言うんですね。「エッチする」とか「やる」ではなくて。これってとても80年代的というか村上春樹的というか懐かしかった。
幸せな映画
映画監督若松孝二が名古屋に作ったミニシアター「シネマスコーレ」を舞台にした青春群像劇。前作は未見。
まずは役者の皆さんのモデルになった方々への愛情が凄い。若松監督役の井浦新も木全支配人役の東出もご本人の様子を見てみるとそっくり。芋生悠の佇まいも良い (この役だけはフィクションとのこと) 。
とにかく映画と映画館と若松プロに対する愛だけを感じる。幸せな映画。
小さな映画館が大好きです。
前作は観てませんが、予告が面白そうだったので行ってみました。いやぁ井浦新はいくつの顔を持っているんだろうか。本当に素晴らしい俳優さん。とっくに最盛期を過ぎた“映画館で映画を観る”という娯楽の行く末を考えずにはいられない。そんな映画でした。
若松孝二監督が名古屋に小さな映画館を作った実話がベースになっている。私は若松孝二監督は名前なら知ってるくらいで作品も観たことないですけど、1つの映画として普通に楽しめました。
映画を作る側、そして出来上がった作品を上映する側。映画館を大切に思う人たちが作った愛に溢れる映画でした。キャスティングも良かった。
映画は熱だ!
シネマテークが閉館し、名演小劇場も休館中。
かつて存在したシルバー劇場、ゴールド劇場も利用したことがあるが、名古屋からミニシアターが姿を消しつつあるのはとても寂しい。
とりたててシネマスコーレが居心地の良い劇場だという印象はないものの、ラインナップは面白いものが多かった。
そんなシネマスコーレの誕生エピソードを興味深く拝見することが出来た。
とにかく画面から伝わる熱量が程よく、重すぎずも軽すぎずもしないとても心地の良い作品だった。
それぞれの登場人物の人生にしっかりと寄り添った作品でもあり、支配人の木全、映画監督になりたい金本、井上、そしてもちろん前作に引き続き井浦新演じる若松孝二監督もとても魅力的に描かれていた。
木全は本当に映画に対する熱が強く、名画座の集客が悪く、ピンク映画をかけざるを得なくなった後も、映画の未来を信じてインデペンデント系の映画を上映することを若松監督に強く訴えかける。
その熱意が今もこの劇場がしっかりと名古屋の地に根付いている要因でもあるのだろう。
奥さんとのエピソードもとても心が暖かくなった。
そして夢を追いかける金本と井上。
夢を追いかけることは決してポジティブなことばかりではない。
むしろこれ以外に選択肢はないと執着してしまえば、ただひたすらに苦しいものである。
金本と井上の存在はとても対称的に感じた。
どちらも人間的には闇を抱えており、決して好感の持てる人物ではない。
最初は井上は口ばかりの男だと思っていたが、若松監督を追いかけて新幹線に乗ってしまう場面には驚かされた。
彼はとても行動派な男だったのだ。
そしてあまりビジョンがないようにも感じられるが、実は心の中には強い想いを持ち続けている。
彼の初の監督作品もほぼ若松監督に乗っ取られた形になってしまうのだが、それでも悲壮感はほとんどなかった。
一方、金本は自分が女であること、才能がないこと、そして在日であることを理由に、なかなか一歩を踏み出すことが出来ない。
そして運のある井上に嫉妬し続けている。
あまり自分のことを大事にしない金本に良い印象は抱かないものの、だからといって彼女が決して魅力的でないわけではない。
苦しみの中でもがき続ける人間だって、とても美しいものだ。
そしてただひたすらにマイペースな若松孝二。
何だか前作以上に彼の優しさが滲み出る作品だったが、むちゃくちゃといえばむちゃくちゃでもある。
だが何だか憎めない。
滝田洋二郎、黒沢清、荒井晴彦、周防正行と、現在の映画界の大御所が若手として名前を連ねているあたりがとても感慨深かった。
結局最後は映画は熱なのだと思った。
若松監督の「映画は心なんだよ」という言葉が印象に残った。
井上の初監督作品の実際の映像がエンドロールで流れるのは感動的だった。
今は亡き赤塚不二夫、そして本編にも本人役で登場する竹中直人の若かりし日の姿が目に焼き付いた。
まだ見ぬ果ては
自分の映画人生の一歩目を刻んでくれたのが「止められるか、俺たちを」でした。
住んでいた地元は映画館事態少なく、ミニシアターも1館だけ。色々と非日常にまみれていて新鮮でしたが、そこで見た作品も映画に生きる人たちを描いていて、今でもしっかりと覚えています。
そんな作品の続編ということで、どう繋げていくんだろうと思ったら若松監督が映画館を立ち上げた話がメインで進んでいくんだとあらすじや予告を見て腑に落ちました。
やはり楽しかったです。井上監督の自伝的物語でもあり、破天荒全開の若松監督を客観視して描く物語がユニークで、前作よりも作風は明るかった気がします。
東京と大阪は土地代が高いから名古屋に映画館を作ってしまおうと思い切った発想の若松監督から連なる縁で広がる人間ドラマがメインになっていて、その人間模様を見守る分にも面白かったです。
屋上のシーンで語り合ったり、妬みで自分を封じ込めてしまったり、とにかくリアルさが追求されていました。
若松監督の撮影方法は理にかなってるな〜と思いつつも強引なので、当時の現場にいた人たちは恐れ多かっただろうなと思いましたが、スクリーン越しに観ている分には笑っていたので観客で良かった〜と思いました。
井上青年が撮影してる作品を自分色に染め上げるどころかもう自分で撮っちゃうのが面白すぎました。
ラストシーン、青空をバックに若松監督がかつての盟友やめぐみさんが監督を呼び込んで歩き出すシーン、こんなにかっこいい後ろ姿があるのか…!とゾクゾクさせられました。
役者陣は前作から井浦さんが続投で、東出さんに芋生さんに杉田さんが参加していて、演技合戦になっていたのも良かったです。
井浦さんの普段とは違うクセ強めの演技に、東出さんの飄々とした感じ、芋生さんと杉田さんの若々しいギラギラな感じと、色々な面が観れました。
色褪せない映画の面白さと楽しさが詰まっていて、映画人生の始まりが蘇って懐かしい気分になれました。これからも映画を振り返るたびにこの2作がよぎるんだなと思ったらこれからの映画人生も楽しいものになりそうです。
鑑賞日 3/20
鑑賞時間 10:00〜12:05
座席 E-12
青春って、バカだけど愛おしい!
若松監督のことも知らず、前作があったことも知らずに鑑賞しました。
つまり、関連する予備知識は何もなく、映画に出てきた中でも、知ってるのは赤塚不二夫、文芸坐、文芸地下、森田芳光、山本晋也くらいで、あとは聞いたことあるかなという程度の半端ものです。
だからこそなのかもしれませんが、純粋にタイトル通りの青春群像としてメチャクチャ楽しめました。
言葉にできるような理屈立った理解ではないけれど、なんか直観的に腹落ち(納得)したことだけは分かる!
それは自分がやりたいことが見つかった!ということでモヤモヤしていた自分と折り合いがついた、ということでもある。
映画を作るのに、主要スタッフ全員が100%納得ずくということがあり得ないこと。
強引に突き進むタイプの監督であっても、あちこちに小さな不満を抱えながら、限られた予算や人員や時間の中でやり繰りしていること。
ほぼ全員が何かしらの後悔ややり残し感があるのに、いざ映画が出来、観客の前で披露できた時にそれなりの達成感と次はもっと頑張ろうと思えること。
監督、脚本家、俳優、その他大勢の裏方…
何かを表現しようとする人たちのエネルギー、パワー、もどかしさ、人間関係からの苛立ち。
そんなこんなのすべてが凝縮されているから、自分ごとのようでもあり、俯瞰的に笑ったりもできる。
映画作りだけでなく、仕事におけるチームプレイで悩んでる人なら誰でも共感できる、素敵な映画です。
井浦さん、東出さん、芋生さん。
この3人のことを知ってる方も知らない方も、この作品一発で大好きな俳優さんになると思います。
あ、忘れちゃいけない支配人の奥さま!!
男女の別を問わず、こんな素敵な配偶者でありたい!!
2024暫定ベスト。青春時代の熱さと挫折
映画監督に憧れる大学生が、助監督になる。
しかし現場では失敗ばかりで無能扱いで小突き回され、
落ち込む。
在日の屈折した女の子は、心を開いてくれる。
青春時代の現実社会で味わう挫折の苦さ。。。
最後は成功とかの起承転結が無いところが良い。
2024暫定ベスト
映画好きには胸アツ
まず、副題に「止められるか、俺たちを2」とあるが、続編と考える必要はなく、これ単独で十分楽しめる。
懐かしい話題や映画への情熱が山盛りで、映画好きの胸をアツくする。
井浦新の若松孝二成りきり度、東出昌大の演技には、思わず頬が緩んだ。
若松監督への追悼の想いが溢れ、日本映画の一時期を振り返る映画としても価値がある。
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