「敗者復活で必要悪」青春ジャック 止められるか、俺たちを2 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
敗者復活で必要悪
クリックして本文を読む
粗筋から、ミニシアター経営の方に舵を切るかと思いきや、範囲を広げつつ上手く纏めていた。
シネマスコーレ支配人に抜擢された木全を演じる東出の、純粋な熱を秘めた穏やかさが素晴らしい。
出番は少ないが、悪戯っぽい微笑みで受け入れる妻のコムアイも良かった。
前作の吉積を思わせる金本の拗らせっぷりと、また別の拗らせ方をした井上を演じた芋生と杉田も見事。
ちょい役の田中麗奈や本人役の竹中直人まで隙がない。
名古屋と東京で散漫になるかと心配したが、バランスよく繋げてある。
締め方も今回は全方位的に前向きで爽やかで、気持ちよく観終えることが出来た。
若松監督が10年前設定の前作とまったく同じことを言い続けてたのも、何だか嬉しかったなぁ。
最後、インタビュー映像かと思いきや…亡くなった後も彼らはずっと撮り続けているのだろう。
終盤、井上は「殺したい人もいなければ在日でもない」と嘆く。
これは『アイデン&ティティ』で中島が言った「不幸なことに、不幸なことが無かったのだ」を想起した。
贅沢な悩みだが、創作者にはつきものなのか。
映画愛に溢れつつ、エンターテインメントとしても抜群の群像劇でした。
エンドロールで芋生悠の役名が“本名”になっていたのも心憎いです。
コメントする
ひでちゃぴんさんのコメント
2024年7月31日
uzさん、共感&コメント、ありがとうございます。
おススメいただいた芋生悠さんの『朝がくるとむなしくなる』、
俄然気になり始めました!配信は今のところなさそうですね。
チャンスがあれば必ず観ます!!