「映画をもっと好きになる、映画青春群像劇!」青春ジャック 止められるか、俺たちを2 ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
映画をもっと好きになる、映画青春群像劇!
井浦新(若松監督)、東出昌大(木全支配人)、芋生悠(金本)、杉田雷麟(井上)の4人が織りなす群像劇です。
冒頭、校庭で木全がビクターのビデオカメラで撮影をしていて、井上が興味を持つところからの導入が
今後の井上を示唆していて実によかったです。
それからシネマスコーレの支配人を木全に依頼する若松監督、その場所がいかにも昭和な喫茶店で
そのシチュエーションにもグッときました。
4人が出会う場所がシネマスコーレであり、ここで4人としての物語が紡がれていくあたり、
巧みな脚本だと思いますし、しっかりひとりひとりを描いているところにも好感が持てました。
若松監督に憧れている井上が、若松監督に弟子入りを申し出てから
井上の監督志向を軸にした物語展開になっていき、撮影現場での出来事全てが面白く描かれています。
そもそも私は2018年あたりから本格的に劇場で映画を観はじめたにわか映画ファンであり、
本作にノスタルジーを感じることができないのですが、
それでも若松監督はこういう人だったんだろうな〜と思えるほど、井浦新のなりきり感がビシビシ伝わってきて
きっと本人も楽しく演じているのだろうということが、スクリーンからもよくわかりました。
立ったキャラクターで、実に面白い。マジメなんだけど絶えず笑えるところがツボでした。
『光る君へ』の井浦新とは大違いです(笑)
東出昌大の木全支配人はすっごい猫背なんですよね。実際にそうみたいですね。
木全支配人が軸になって主要キャラクターたちを結びつけていくお人柄が、実に素晴らしいなと感じました。
そしてシネマスコーレをどうしていきたいという強い意思を持っているところにも共感を覚えました。
唯一のフィクション人物である芋生悠の金本は、在日であり、女性、映画監督としての才能がないことを
気にしていて、井上のことをじっと見ているんですね。
気になる存在として。ただ、気に入らないからぶつかるんです。そういうやるせない繊細且つ難しい内面を
実にうまく演じていて、すごい女優さんだなと思いました。
『夜明けのすべて』でも素晴らしいと感じファンになりましたが、本作でますます好きな女優さんになりました。
そして杉田雷麟の井上。
実際はそうではないと思うのですが(今の井上監督を見る限り)、ドジっぷりを発揮して若松監督に怒られてばかりなのですが、
そこに若松監督の愛情もあって、徐々に脚本家としての才能を開花させていくあたり、グッときました。
全編を通して、映画っていいな〜とあらためて思いましたし、ますます映画が好きになりました。
多くの方に観ていただき、映画を好きになっていただけるととてもうれしいです。
※舞台挨拶回で鑑賞しました。井上監督と芋生悠さんが登壇され、映画撮影のエピソードを語ってくださったのですが、
井上監督はいちども芋生悠さんに演出をしていなかったそうで、そこには驚きました。
全部自分自身で考えて役をつくっていらっしゃったそうで、フィクションの人物だけにその造形をしていくことは
とても難しかったことでしょう。
井上監督曰く、タイトルはご自身の青春をはじめ、若松監督の映画タイトルへのオマージュだったり、多くの方の青春をジャックしている
意味を込めているのだそうです。
井上監督はとても饒舌な方でトークも面白かったです。芋生悠さんはとてもキュートな方でした。
本作を観ていて、「本当に映画が好きな人しか関わってないんだろうな」と感じました。
芋生悠さんは『朝がくるとむなしくなる』も最高でした。
観られる機会もそうそうなさそうですが、機会があれば是非お奨めしたい名作です。
共感ありがとうございます。
「映画芸術」最新号には入りが悪く、駆けずり回る井上監督の雑記がありました。まるで劇中の木全支配人の苦悩(表向きはあまり描かれてなかった)が一気にのしかかって来たようですね。
満塁本塁打さん、ありがとうございます!映画同期生、うれしいです。今後ともよろしくお願いします☺️
芋生さんは、クールビューティーな方と思いきや、実に笑顔のステキなキュートな方でますますファンになりました!!
2作品へのいいね😊ありがとうございました。若松監督のご高名は存じてましたが・・
私も 貴殿さまと同じく 2018ごろから 映画を急に毎週映画館で見始めた【それまでは映画館は 年に3、4回でした】
『同期生』です。人生の先輩の方に申し訳ないですが!芋生さん 懐かしい 数年前メジャー作で映画館のスクリーンでお会いしたような気が 若い女性の俳優さんですね。